16 日常
宜しくお願い致します・:*+.\(( °ω° ))/.:+
夏休み期間中、部活の時間。
「凄いな、景盛…。ベストタイムを3秒も更新だぞ」
「うっす…」
しまったと思い、顔を顰める。
思った以上に早く泳いでしまった。
「何だ、嬉しくないのか?」
「もっと行けたかなって…」
「そうか、そうかっ。皆んなも景盛みたいにベストタイム更新を目指して頑張れよッ」
「すげぇな、浚。悪の怪人にでも改造されたか?」
「…………あながち間違ってないのが凄いな」
「…は?マジで!?」
「冗談に決まってるだろ」
一瞬フリーズしてしまった。変な所で感が鋭いヤツだ。
「藤堂。次はお前の番だぞ〜」
「ういっす」
「3秒以上縮めてやんよ」
「まぁ、頑張れ」
軽く手を挙げて応援する。この男とも中学校からの付き合いだ。表裏が無く、快活。所謂陽キャ。
「景盛先輩、お疲れ様ですッ」
「あぁ。ありがとう」
飲み物を受け取って小休憩。
「秘密の猛特訓ですか?」
「うん?…まぁ、似たり寄ったりだ」
この、話しかけて来た後輩は白鳥。陽キャその2。
「因みに、教えて貰えたりは…?」
「……都市伝説は詳しいか?」
「…はい?」
「いや、何でもない。……もし、変な生き物に襲われたら俺の所に来い」
「…新手のナンパじゃ、無いですよね〜」
「…ふっ」
「ああっ!今笑いましたね!?」
「元気だな…。部長が睨んでるぞ」
「はっ。失礼しましたーッ」
「何だ。青春じゃねぇのか?」
「興味ない」
「ドライだねぇ…。ドンマイだなぁ。あの子も」
「他にいいヤツが出てくるさ」
「だから、氷の王子なんて言われるんだよ」
「…何処に王子要素があるんだ…」
「そう言うとこ」
「「うんうん」」
「……はぁ。泳ぐぞ」
「今度こそ、負けねぇぞッ」
こんな化け物になった自分が王子か。
「白鳥、タイム測ってくれ〜」
「はい、位置について、…よーい。」
ピッ。
「は…?」
「えぇ…?」
「……タイムは?」
「え…。あ、ごめんなさい。押し忘れちゃいました…」
「そうか。悪い、今日は帰るよ」
「あ、えっと、お疲れ様でした…」
着替えて、高校からでる。
「良かったのかにゃ?」
「身近な人間が狙われるかもなんて言われたら突き放すしかないだろ」
「やり方が不器用過ぎるにゃ〜」
「……化け物に近づく奴は居ないだろ?」
「関係値によるにゃ〜。少なくともあの陽気な2人は心配そうに見てたにゃ」
「見てたのかよ…」
「屋根の上で日向ぼっこしてただけにゃ〜。鳥さんとおしゃべりしてたにゃ」
「…鳥さんは、なんて?」
「北の臭いがする、ニンゲンが家の中を物色してるらしいにゃ」
「……はッ。何人か行方不明になるかもな」
「深山に連絡するにゃ?」
「必要ない。礼には礼を。非礼には相応を。おじいちゃんが遺した家だ。傷付けるなら玉になってもらう」
「怖いにゃ〜」
「…反対なのか?」
「縄張りに勝手に入るヤツは敵にゃ。でも、私の爪だと汚れるにゃ〜」
「…撹乱だけで良い。後は俺がやる」
「了解にゃ」
時間にして、午前11時。その日、閑静な住宅街で、何人も行方不明になる事件が起きる。




