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影の守り人 〜影に潜ると異能が目覚めました〜  作者: 佐野松 友


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11/13

11 羨望

宜しくお願い致します・:*+.\(( °ω° ))/.:+


 深山が帰って、少し、陽が高くなるにつれ、影も大きさを増す。


 影の世界。2度入り、戦果を挙げた。


 しかし、足りない。


 まるで、ナニカに急かされる様に、影を見てしまう。


 そう、自分の世界は本当はあっちの海なんじゃないかって。


 つい、影を見てしまうんだ。


「あんまり見るとまたお魚に攫われるにゃ」

「…ッ」

「まぁ、浚ならお魚に負ける事は無いのにゃ」

「そうか?」


 本当に?


「何なら次は私も行くにゃ」

「え?」

「私もお魚食べたいにゃ」

「侵海の事だよな?」

「塩水は好きじゃ無いにゃ」

「いや、俺も好きでは無いけど」

「問題ないにゃ」

「…泳げたか?」

「何とかなるにゃ」

「……そうか」


 一緒に来てくれるのか。


 昨日と同じ様にセッティングして、…あんこも隣に居るな。


「準備は良いか?」

「爪も研いで来たにゃ」

「フっ。そうか」


 2人を照らす影を見つめる。


 影の世界に行く事に羨望を。


 今度は2人であの場を泳ぎ、支配する。


 影よ、この想いに応えたまえ。


ゴポポ…。


「はぁ、重い想いにゃ〜」


ゴポポポ…。


「仕方ないだろ。小さな時からなんだ」


ゴボボ…ッ!


「上のお魚にゃ〜」

「は?」

「シーザーにゃ」

「マジかっ!?」


ザバァ…ッ!


「シャーッ!!」


ズシャッ…!!


「ギィッ…」


「爪を研いだと言ったにゃ」


 …輪切りになって沈んだんだが?


「え、あんこ強すぎない?」

「爪を研がないとダメにゃ〜」

「リロードが必要ってヤツか?」

「そんなもんにゃ。それより、早く丸めて寄越すにゃ〜」

「あ〜、ちょい待ち」


 頭だけ入れて輪切りになったヤツを見詰める。


メキメキ…ッ!


 腕を伸ばしてこちらに引き寄せる。


「はいよ」

「コレにゃ〜」

「いや、遊ぶのかい」

「綺麗な玉なのにゃ。遊んであげないと勿体無いのにゃ〜」

「…そうかい」


 ある程度遊んだら、食べるのだろう。


 それよりも、提出用を取らねば。


 もう一度頭から入れて覗いて見る。


 …いるな。何処か怯えている様に見えるのは気のせいか。


「研究に使いたいらしくてな。悪いが斃されてくれ」




 …取り敢えず、3個手に入った。一応連絡をしておこう。


 スマホから朝貰った番号に掛かる。


 (もしもし、深山です)


「お疲れ様です。景盛です」


(浚君ね、…どうしたの?)


「あ〜。一応報告を。サハギンだっけ?…アレを三体分とあんこがシーザーを爪一閃で斃した。シーザーの分はあんこが食べたから無い。かな」


(…………はぁーー…準備して待っているから猫ちゃんと一緒にこっちに来なさい。)


「…スーパーにあんこ入れて良いのか?」


(バッグの中に大人しく入ってくれないかしら?)


「だってさ」

「構わないにゃ。ちゅーるを用意してくれたらもっとご機嫌になるにゃ〜」


(…用意しておきましょう。待ってます)


「直ぐそちらに伺うよ」


 通話を切って、猫が入るバッグを用意。


「久しぶりの遠出にゃ〜」

「歩いて15分のスーパーだぞ?」

「浚と行ったのは病院ばっかりだったにゃ」

「悪かったよ。今度は色んな所に行こうな」

「適度で良いにゃ。私は家猫なのにゃ」

「そうかい」


 ふと振り返ると、女子高生2人に笑われていた。しかも同じクラスだ。


「景盛じゃん。腹話術の練習〜?」

「相方は猫ちゃんで〜?」


「まぁな。なぁ?あんこ」

「今からスーパーに買い物デートなのにゃ〜」

「いや、喋るんかい」


「あははっマジクオリティたっか!」

「…マジで喋ってない?」


「小娘、感が鋭いのにゃ〜」

「杏、行くよッ」

「は?待ってよユカ〜」


「…良かったのか?」

「アレは視える類いの子にゃ」

「へぇ。藤森がねぇ…」


「さぁ、スーパーに行くにゃ〜」

「あいよ」


 1人と1匹の合わさった影がスーパーまで歩いて行った。

高田杏。オタクに優しいかも知れないギャル。

藤森由香。ギャルに擬態する、視える子。

実は2人とも、景盛ファンクラブの人。

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