真っ黒な思い出 3
3年生になった。
周りのみんなは、進路に悩んでいる。かくゆう私も志望校を迷っていた。
「ナミは高校どうするの?」
「どうしよう〜」
千種は県立の女子高を受けるらしい。偏差値は普通くらいで、私もそのくらいだ。
「まだ、先輩のこと忘れられないの?」
私は…去年のことがまだ吹っ切れていなかった。
(どういう意味なんだろ…)
先輩が言っていた言葉、その意味を理解できていない。
「忘れなれないならさぁー、いっそのこと同じ集学館でも受けてみれば?」
「私の成績で?絶対無理だよ。」
「だよねー。」
その日の帰り道、清水先輩を偶然見掛けた。
久し振りに見た先輩… その隣には、見知らぬ女の人がいた。
同じ制服、集学館の生徒だ。仲良く喋りながら帰っている。交際しているんだろうか…
(ムカつく…)
人の気も知らないで、仲良くしている二人を私は、うらやましそうに見ていた。
急に圭太の顔が浮かんだ。何故だろう…。
仲良く話して帰っている二人と昔の自分達を重ねでもしたのだろうか?
理由は分からない。でも圭太に会いたくてたまらなくなっていた。
「久し振りに一緒に帰らない?」
私は別のクラスにいる圭太に声を掛けた。
いきなりの事だったから、圭太は啞然とさした表情をして聞き返した。
「小学生以来じゃないか?」
その言葉にひどく動揺していたのを気付かれていただろうか。
私はそれを隠そうとまるで気にしてないように振る舞った。
「そうだっけ?そんなことはいいじゃん。」
圭太はどう思ったのか。難しい顔しい顔をしていたと思う。
「校門で待ってるから。」
一方的に約束を取り付けると、逃げるようにしてその場所から消えた。
久し振りに帰った道は、懐かしさが溢れていた。
「進路どうするの?」
「悩み中」
他愛もない話しをした。本当にそれだけ。
…圭太は先輩と付き合ったのを知ってるのかな。
「私、集学館受けるよ。」
凄く驚いていた。当たり前だ。
「頑張るよ。手芸みたいに。」
私はわざと、そう言った。
難しい顔をした圭太は、少し歩くのをやめると自分も集学館に行くと言っていた。
違うの…圭太は、これは私が悪いの。全部、私が…。
思っていても、口から言葉が出て来てはくれなかった。




