真っ黒な思い出 1
中学生になった。
私と圭太は初めて違うクラスになったことと、中学生になったことで、今までのような交流がなくっていた。
「ナミはどの部活に入るの?」
そう聞いてきたのは、中学に上がって初めてできた友達の佐竹千種だった。
千種は和菓子屋の娘で、私はナミと呼ばれている。
「まだ悩み中なんだよ〜」
この学校では部活動が強制されていて、なんの部活にするのか決めかねていた。
…圭太はサッカー部に入ったらしい…
「じゃあさ、一緒に手芸部に入らない。」
突然、千種は突拍子もないことを言ってきた。驚いて、椅子から倒れそうになる。
「いきなりすぎない、ていうか…千種は知っているでしょ。私がとんでもなく不器用なの。」
自分で言うのも悲しくなってきた。
「いやいや、知ってるよ〜。ナミはぶきっちょさんだもんね〜。でもね…」
千種は口を摘むいだ後、ほんのり顔を赤くして、恥ずかしそうに告げた。
「実は好きな人がいてー、その人にいろいろ作って渡したいんだ。でも、一人じゃ勇気が出なくて。」
「それで私も誘ったの?別にいいけど。」
「ほんと、やったー‼️ ナミも何か作って渡したら、まぁ好きな人がいればだけど…」
後から聴いた話ではこの学校の手芸部の女子はあれやこれを作って、好きな人に渡すとその恋が叶うやらより愛が深くなるやらの言い伝えがあるらしい。
…あやふやすぎる…
「ちなみに、誰?」
私は恐る恐る、聞いてみた。
「えぇー、どうしようかなー。ま、隠すほどでもないか。沢渡圭太って一人。知ってる?3組の。」
その名前を聴いた時、心が小さく波風を立てたのを感じた。
「もちろん。ていうか幼稚園の時からの知り合い。」
…なぜ、こんな言い方になるのか…
「えっ、それって幼馴染じゃん‼️」
…誰だってそう思うよね…
「いいな〜、ナミは。かっこいいよねー、圭太くん。」
…そんなの昔から知ってる…
…下の名前で呼ばないで…
「ナミは圭太くんのこと、好きにならなかったの?」
千種がどうゆう意味でその言葉を言ったのかはわからないけど、私の心は黒い感情に支配されつつあった。
(…千種は友達だもんね…)
そう折り合いをつけると、笑顔を浮かべて答えた。
「そんなんじゃないよ。」




