表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/34

6.5




「ランは甘すぎる。そんなに危機意識がなくちゃ、ここでは生きていけない」


翌朝、ギルドに向かう道すがら強く言う。

昨日はランが疲れ切っていて話をしようとは思えなかったし、ランの方も聞く余裕はなかっただろう。

反省しているのかランは大人しく聞いていたが


「自分の身を守るなら、これからは見捨てる事だ」 


厳しく言い渡すと、ランは驚いて言った。


「レオンは私にこんなによくしてくれてるじゃないですか」

「俺は自分の身は自分で守れる。危険かどうかの判断もつく。ランはどうだ?」


それに、ランじゃなかったらこんなに世話を焼いていない。

さすがに魔の森に置き去りにはしないが、女子供なら相手の方で逃げていったとも思われる。

 

ランは不満そうだ。

お、何だ?何か言い返すのか?


ランはつらつらと、甘すぎてすぐに死ぬな、と思われる事を言いだした。

ランの生まれ育った国はそんなに(ぬる)いのか?人の死が遠すぎる。そんな環境で育ったんじゃ、昨日のアレも納得できるような…、いや、納得しちゃいけない。


俺は朝から盛大にため息をついた。

するとランは、ため息に答えるようにへラリと笑った。


「それに、何かあったらレオンが助けてくれるって、ずうずうしいけど頼りにしちゃってるんです」

「そういうところもだ!出会って間もない男をそう簡単に信用するな。信頼させておいて騙したらどうするんだ」


何て危機感のなさだ!思わず大声を上げる。

しまった。怖がらせたか?

強面のでかい男に声を荒げられて怯えない筈はない。と思った俺は間違ってない、のに。


俺は生まれて初めての、告白を聞いた。

あまりの衝撃に頭が真っ白になった。


それから生殺与奪だの、騙されても恨まないだの不穏な言葉が聞こえた。

いや!奪わないから!!騙さないから!! 

今言った事と逆の事を捲し立てる。


こんな男に、いいとこのお嬢さんが、本当なんだろうか。

夢なのか…? 願望なのか…?

そんな事を思う程、初めての告白は正常な判断をなくさせた。 

だからだ!だからあんな事を言っちまったんだ!!


「俺も、ランが好きだ」


……え?


だーーー!!!何て言った?!

今俺何て言った?!

何だ俺?何言ってんの?

馬鹿だろ?馬鹿すぎるだろ?!


こんな混乱も生れて初めてだった!

色々と訳が分からないまま唖然としているうちに……。


どうやら俺に恋人ができたようだった。

気がつけば手を引かれて歩いている。 

この位置関係は続くな……。

その予感は当たって、生涯続いた。




その後、昨日のじいさんが連れてきたばあさんをランが癒した事や、それが貴族を癒すはめになった事は、俺に恋人ができた事に比べれば全く大したことはない!

面倒事になったらランを連れて国を移ればいいだけだからな。


俺に恋人や嫁ができるとは思った事はなかった。

ランのスキルより、はるかに驚く事だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ