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卵から俺の異世界生活は始まる!  作者: 小人の勇者
14/16

第14話



俺の今の心情を一言で表すならば、かの有名な水泳選手の言葉を用いさせてもらう、その言葉が今丁度良い。


「何もいえねぇ」


うん、しっくりくるわ〜。だってさ、このカボチャみたいな色合いをした実はさ、ゴブリンしか食べれないんだよ!いや、他の種も食べようと思ったら食べられるよ?だけどさ、毒あるって。他の種が食べたら嘔吐、高温の発熱等の症状が出るってさ!まぁ、俺たちの今の構成員は人間1人、ワイバーン1体、スライム1匹、ゴブリン4体だから割合的には半分以上を占めてる訳で、この実があることでゴブリンたちにとってはとても嬉しいことで、俺もそれを食べてゴブリンたちが喜んでくれたら嬉しいよ?だけどさ、自分が最初に発見したものが特定の種族にしか食用にできなくて、後ろから憧れの眼差しと拍手を送ってくれるゴブリンたちに対する少しの申し訳なさと自分に対する何かなぁ〜っていうモヤモヤが混同して、うわぁ〜ってなって…ようするに・・・何もいえねぇ


心情を吐露した後、俺は残りの実をとるため、木を再度蹴り、5回目の蹴りで確認できた実を全て落とし拾った後、それを嬉しそうに実を見ているゴブリンアーチャーに全て預け、足早にそして静かにその場を離れた。



更に奥に進むこと約30分、特に何かを発見することもなく俺たちはスタスタと真っ直ぐ時々現れるそこそこ大きい草を除けながら歩いている。


「何もないな〜、このままだと成果がゴブラスタの実8個だけになってしまうぞ…ワイバーンは動物を絶対狩ってくるだろうし、食べるには恐らく困らないだろうけど、肉だけじゃな…きついものがある。なんとしても野菜か果物は獲っていかないと!」


「ゴブゴブゴブ!(主様!あそこの木に何か生ってますよ!)」


ゴブリンソルジャーが何か見つけたようだ。


「おー!どこだ?…あっ、あれか?あの黄色いもの?確かに実っぽいな!ナイスだ、ゴブリンソルジャー。じゃ、ちょっと行ってみるか」


ゴブリンソルジャーが見つけた木に生っている実は進行方向の右側前方のここから約100m位先にあった。

実のなる木に向かって草を踏み進む。 近づくにつれ実のサイズが結構大きいことが分かる。見た目はレモンのような形状で色もそっくりだ。というかこれレモンなんじゃないか?レモンにしちゃ大きすぎる気はするが…よし、早速さっきと同じ要領で木を蹴って実を落とすとしよう。

木になる実をパパッと採れる方法があったらいいんだけどな、一々実を見つけては蹴るって面倒だし…って、そういや魔法があるじゃん!こういう状況だったら、風魔法とか使えそうだな。うん、やってみるか。


風をカッター状にして飛ばすイメージで…よし出来た!あとは狙いを定めて…


シュッ パキパキッ ドサッ


お!落ちた!余計な枝も切ってしまったけど、一応実は落とせたし成功だな。


俺は落とした枝の先にある実に近づき、その枝から実を採る。

やっぱり大きいな、サッカーボール位はある。

まだ実はあるが、とりあえずこの実を鑑定してから採ることにしよう。食べられなかったら労力の無駄だし。



________________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 名称: レカンの実


説明: レカンという木になる実。柑橘 類で実の味が左右半分で別れている。左半分が酸味が強く、右半分が甘みが強い。種族問わず食用とすることができる。

_______________________________

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


…きた〜!!

誰でも食べれるって素晴らしいね!味が左右半分で違うって面白いな。しかも甘みが強いのは助かるぞ。口が甘みを求めるのは現代っ子にとって宿命といっても過言ではないよね!あっ、俺1回死んで地球とは違う世界に転生したから現代っ子とは言わないのか?いや、精神は同じなんだから俺は現代っ子だ!…ってそんなことはどうでもいいんだ。とりあえずこのレカンの実生ってる分全て採ろう。そんなすぐに腐ることは無いだろうしな。


「ゴブリンアーチャーもこの実を採るの手伝ってくれないか?今日の夕食の後に食べてみようぜ!」


「ゴブ、ゴブ!(はい、楽しみです!)」


俺とゴブリンソルジャーはレカンの木に生っている実を落としては採りを繰り返し、全て落とし終えたときにはレカンの木がとてもスマートな状態になっていた。


これは魔法ちゃんと操作できるようにならないとまずいな…色々と。


俺は密かに魔法の上達を決心しつつ、ここで得たレカンの実11個をゴブリンソルジャーと分けて持ち (俺7個ゴブリンソルジャー4個) 、そこそこ採れたので一旦仮拠点に戻り、全て置いてくることに決めた。

全ての実がサッカーボール位の大きさでそれに伴った重さもあるので、7個持つとなるとかなり運び辛い。


俺たちは実の持ち方に四苦八苦しつつ来た道を行きの速度より遅い速さで戻っていく。


行きの時しっかり地面に跡が残るように踏みしめるようにして歩いていたため、自分の足跡を辿れば良いだけなので道に迷うことはない。


来た道を戻ることしばらく、特に何事もなく歩いていると、前の方から川に流れる水音が心地よく耳に流れてきた。


仮拠点までもう少しだな。


「お前たちあとちょっとで着くぞ。そこで休憩も少しとるから、そこまで頑張れ」


「「ゴブ〜(はい〜)」」


少し疲れてるな…まぁ今回は休憩挟まずに歩きっぱなしだったからな。この実もあるし。


そんなやりとりをしつつ、目的地に向かって進んでいく。すると、行きの時に通った草の茂った場所にでた。

よしっ、この向こうに川があるはず。

まだ2時間位しかたってないと思うが、仮拠点組みはどこまで進んだんだろうか。それを気にしつつ戻っていくと、少し歩みが軽くなって楽に進めた。

ゴブリンたちもさっき休憩を取ると聞いてからだろうか、先程よりも足取りが少し軽くなっている気がする。勿論仮拠点にもうすぐつけるからというのもあるだろうが。

そうこうすると、川の流れる水音が少しずつ大きくなり行きと同じくほこそこ長い草が目の前に現れた。


「この長い草を除けたらやっと仮拠点だ」


俺はそう誰に言う訳でもなく呟いて、少しの嬉しさを感じながら長い草を左右に除ける。

すると、少し離れた所で木の枝を1箇所に集め終え、その近くで木で何かを作っているゴブリンジェネラルとゴブリンエリートの姿が視えた。後で何を作ってるのか聞いてみるか。えっ?スライムはって?勿論安定のゴブリンエリートの頭の上に鎮座してるよ。もう、あれはフアッションの一部じゃないかな。そう思うようになってきたよ。


おっ、ゴブリンジェネラルがこっちを見て立ち上がった。どうやら俺たちに気づいた様だ。


俺は手の仕草で座ってていいよと合図しながら仮拠点組みの方に向かう。まぁ、少し歩くだけだが。


ゴブリンエリートもこちらに気づいた様だが、俺の合図をみて座りなおす。


「もう木の枝集めはやってくれたんだな。ありがとう、俺たちも木に生っていた実、ほら、これを採ってきたんだが、そこそこ採れたからひとまず戻ってきたんだ。後で食べような!」


仮拠点組みがいる場所につき、俺が成果を木の枝の近くに置いてそう言うと、仮拠点組みは嬉しそうな雰囲気をただよわせて「ゴブ!(はい!)」と返した。


んじゃ俺も約束を守るとしますか。


「よし!お前たち今から少し休憩だ!水は欲しかったら俺が出すから言ってくれ。川の水はまだ飲めるかわからないから今から俺が調べる。ゴブリンジェネラルたちも休んでくれよ。俺たちがまた出掛けるときに作業してくれればいいからさ。」


そう言うとゴブリンたちは了解ですと返事をし、それに続いて俺に水を出してほしいと言ってきた。やっぱり皆喉が渇いているんだな。俺は水魔法でいつものように水を生成し各々の前に上から水を飲みやすい水量で落としていく。ゴブリンたちも慣れたように頭を上に向け口を開けて落ちる水を喉を潤すため飲んでいく。

俺はその様子を少し見た後、水魔法の操作をしながら川に近づき流れる水の鑑定を行う。良かった。どうやら毒は混じってないみたいだ。それどころか俺の出す水よりも水質がいいらしい。これからは水の補給は川で得ることにしよう。

そう考え、川の向こうの風景を眺める。一見俺たちがいる場所と大して差はないように思えるが、よく見ると木の葉の色合いや木の太さも少し違ったりする。

ぼーっとその違いを探していると、川向こうの少し離れた場所で何かが木と木の間を横切ったように見えた。


「なんだ?さっき影のようなものが見えた気がする」


俺は先程何かが見えた場所を注視する。

木の周辺に生えている俺の腰程の高さがある草がザワザワ揺れている。


…何か、いるな。


こっちを見ている、それだけは分かる。

俺たちを獲物の標的としたのかはわからない、が…


まずいな。俺より強いCランク以上に匹敵する生物が現れたら逃げるしかないぞ。ワイバーンは強いが今ここにはいない。


俺は気を引き締め、対処できるよう目を逸らさずその場を見つめる。


ザザッ


っ!


大きく揺れた草の向こうには明らかにこちらをじっと舐めるように見つめる…鬼鬼しい目があった。





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