第13話
地面は偉大だ。全てを支え、そして受け止めてくれる。日常を過ごしていく中でそう実感することは余りないかもしれない。しかし、人が生きるためには自然の力、中でも地面という存在がなくてはならないものであるということは自明の理であることからして、地面は偉大なんだということを強く脳に叩き込み、感謝の気持ちを綴ったポエムを毎日小一時間は朗読する必要があるのではないだろうか?いやあるに違いない。いや、ないか…
つまり何が言いたいのかというと、
俺は今はもう地面なしでは生きられないということを強く認識したということだ。
「うっぷ…おぇ、ふぅ…」
…気持ち悪い、吐きそ、う
「だから、言ったんだよ… ゆっくり降下してくれって、そう言ったんだよ…う、ぷ、、俺ジェットコースターまじで苦手なんだよな…」
…翌々考えたら、空中で一回転する意味あんのか?振り落とされないように必死にしがみ付いてゴブリンたちの様子を確認する余裕もなかったし。今見ると誰も欠けてないから良かったが、あいつらも俺と同様に顔が青くなって辛そうだ。
あ、でもここで吐くなよ?ゲ○ってやつはな、恐ろしいことに連鎖するんだ…。これ前世で俺が小学生だった時の体験談、あの時は昼休みのことだったんだが教室に臭いが蔓延して本当に地獄ループだったよ。事態の収拾のために何故か校長が教室に
入ってきたんだけど、まさかのガスマスク装備で声をあげて笑いそうになった。ま、笑うと臭いが鼻やら口から入ってきてループ抜け出せ無くなるから必死に堪えたけどな…視覚と嗅覚をやられるあやつは生物兵器だ!間違いないっ!!
【あの〜ご主人、大丈夫ですか?ごめんなさい、私達の種は空を飛ぶ時興奮してしまう習性がありまして…今度はなるべく冷静さを忘れないように頑張りますので…許していただけますか?】
えっ?ワイバーンってそんな習性あったの?ちょっと、いやかなり怖いんだけど…って、まぁ次は気をつけてくれるって言ってるし、こんなことで切れてたら3年後には脳の血管が切れて死んでしまうだろうし、この世界を楽しむためには絶対こいつの力は必要だ。なにが起こるかわからないからな。少し休憩してたら結構吐き気も治ってきたし、念だけ押して許してやるか。
「かなり生きた心地がしなかったが、まぁ今度は注意してくれたらいいよ。習性を知らなかった俺も悪いしな。あっ、一応あいつらにもごめんっていっとけよ〜。短いとはいえ一緒にここまで来た仲間みたいなもんだからさ」
【…はいっ、ありがとうございます!此れからもご主人のため誠心誠意頑張りますので、よろしくお願いします!それでは少しお話をしてきますねっ】
そう言ってワイバーンは少し離れたゴブリン達+スライムのもとに大柄らしい歩き方で近づいていく。
というか、あいつらって会話できるのか?ワイバーンは念話スキルを持ってるから伝えることは出来るんだろうが、ゴブリン達はスキルを持ってないからな…俺が通訳しないとだめか?
…おっ、ゴブリン達が頷いて何か話してる。それにワイバーンも頷く仕草があるということは会話?が成立してるってことか。どうやら通訳は必要ないみたいだ。
話が続いてるし、その間に周囲の確認でもしておきますか。
俺は少し弱った体の中央部をさすりながら周囲を見回す。
木、木、木、木・・・そして静かに流れる川、川を挟んでまたずっと木が自然が広がっている。視界の中に動物は見当たらない。
すぅ〜〜はぁ〜
深呼吸をしてみると、様々な緑の香りのせいか思考がクリアになっていき、気分も少しずつ落ち着いたものになっていく。
「うん、いいところだ。川もあるし、よく木を見ると実が生っているものもある。あとで鑑定しなきゃ分からないけど食に関しても何とかなりそうだな。ワイバーンが何か動物を狩ってきてくれたの場所はこの近辺だろうし」
拠点はどうしようか、ここに作るのはなぁ〜、いい場所なんだけど木で先が見えずらいってのは危険だし、伐採するか?…いや、周りを探索していいところが他にないか調べる方がいいか。どうせ、食料得るにはこの森のなかを歩く必要があるからな。そのついでに、拠点作りに良さそうな場所も見つけよう。
【ご主人!話し終わりましたよ!これからどうするんですか?また、私が何か獲ってきましょうか!?】
ワイバーンの念話がとんできたので、振り返ると俺を除く全員が真っ直ぐ立ち、此方を見つめている。
どつやら次の命令を待っているようだ。
「うーん、一応これからの行動の方向性はしっかりとした拠点を作るための準備と施工をメンバーを分けてやっていこうと思っているんだが、それでいいか?」
【はい!ご主人の役に立てるよう頑張ります!】
「「「「ゴブ! (勿論です!)」」」」
「分かった、そうと決まれば…今日はとりあえず食料を調達する組みとこの場所で簡単な拠点を作る組みに分かれて行動しよう。食料調達組みはついでに良い拠点が作れそうな場所も探すということで。組み分けはそうだな…ワイバーンは単独でここから離れたところを探索して動物の肉を確保してくれ。そして、俺とゴブリンアーチャーとゴブリンソルジャーはここから少し離れた場所の探索、主に果物類、野菜類の確保を行う。最後にゴブリンジェネラル、ゴブリンエリート、スライムは簡単な拠点作りを行ってくれ。火を焚くために木の枝を集めて一箇所に固めて置くってのは確実にやっておいてくれ。ゴブリンジェネラルも探索したいだろうが、万が一ここに何かが現れるかもしれないからな。すまんが残ってくれ。万が一のことがあれば逃げてくれても構わない。全員暗くなる前には戻ってくるようにな…よし!それじゃあ行動を開始しよう!」
【分かりました!それじゃあ行ってきますよ〜!】
バサッ!バサッ!フォンッ
おぉ〜、すっげぇ風圧だ。
てか、速っ!もうあんなに離れてる!
「じゃあ、俺たちも行くか!」
「「ガブッ!(はいっ!)」
「じゃあ、お前たちここは任せたぞー!」
「「ゴブブ!(任せて下さい!、お気をつけて!)」
そうして俺たち1人と2体は役割を果たすため森の中に入っていく。
「あっ、この木だ。さっき見た実がなってる木」
十数分歩いたところで、周囲を確認した時に見つけた実のなる木を早々に発見した。
まぁ、見つけた木に向かって歩いていたんだから当然なんだが。
この木の実結構高い位置にあるんだよな〜。地面から8メートル位の場所に3つ生ってて、それより少し高いところには、見える限りでは5つか…幸先いいな!食べれるか分かんないけど。
「うん、とりあえずこの木蹴るか」
衝撃で木の実が落ちてくるかもしれないしな。
「お前たち一応、俺の後ろにいてくれ」
「「ゴブ (了解です)」」
うし、助走をある程度つけて、おらっ!
ドスッ ザワザワザワザワ、ぽと、ぽとぽと
ぉ〜3つ落ちた!運持ってるな俺!
パチパチパチ
ゴブリンたちが「「ゴブ〜!(お〜!)」」と反応し、拍手を送ってくれる。
…ありがとう、でも、何か恥ずかしいんだけど、俺木を蹴っただけで、木を折った分けでもないし…うんまぁそれは置いといて、この木の実さっそく鑑定するか。
食べれる物であってくれよ〜!
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名称: ゴブラスタの実
説明: ゴブラスタという木になる実。ゴブリン種以外の生物が食べると嘔吐、高温の発熱等の症状が現れるという毒がある。ゴブリン種が好んで食べる植物性の食物。
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…うん、まぁ、なんというか、いいんじゃない?




