第3話 【Keter】 サイト重苦しい化現象
アイテム番号: SCP-XXXX-J(通称:SCP-MST-01-J)
オブジェクトクラス: Keter(旧 Euclid)
特別収容プロトコル
オブジェクトクラスのKeter昇格に伴い、以下の通りプロトコルを改訂する。
・SCP-XXXX-Jを収容するサイト-██ 区画一帯を「警戒レベル・ブルー」に指定。
・警備チームは 対・メンヘラ・フィールド遮音ヘッドセットの常時装着を義務化。
・収容室へアクセスする職員は、事前に
「私は石板の機嫌を損ねていません」診断(MMPI短縮版:恋愛地雷指数付き)
を受け、合格した場合のみ入室できる。
説明(改訂2.0)
SCP-XXXX-Jの異常性は、対象が抱く嫉妬・不安・不機嫌などの
情緒の濁り”をトリガーとして形成される、
広範囲の現実改変現象(通称:メンヘラ・フィールド)へと進化した。
本現象は以下を含む:
・概念そのものの排除(例:酸素)
・建造物の感情的重力化(雰囲気の物理的圧力化)
・精神状態の強制共有(周囲が同じ気分に巻き込まれる)
これにより、精神的疲労の域を超え、
サイトの物理的安定性と職員の生命維持に直結するKeter級危険として再分類された。
補遺 3-A:インシデントログ — サイト重苦しい化現象(レベル3)
発生日時: 2025/11/22 14:00
担当: 佐藤研究員、職員A、サイト管理官
事象概要
収容強化に対し、SCP-XXXX-Jが極度の不機嫌状態に移行。
沈黙しながら
「私なんてどうせ……」
と呟いた瞬間、広範囲にメンヘラ・フィールドが発生した。
インシデントログ抜粋
14:05:照明の変異
・サイト全域の蛍光灯が一斉に停止。
・代わりに 薄暗い間接照明(失恋カフェ仕様)”が出現。
・警備隊:
「この雰囲気……敵が来てもまあいいか……ってなる。戦意が死ぬ」
14:20:館内放送の異常
・館内放送が乗っ取られ、ため息混じりの女性の声が断続的に流れる。
例:「別にいいけど……」「私なんてどうせ……」
・職員C:
「この音声、脳のポジティブ領域を削ってくる。」
「精神的マイクロプラスチック汚染では?」
14:45:カフェテリアの変異
・メニューが強制改変され、「やけ食いセット(高カロリー暴食フルコース)」のみ提供。
・摂取カロリーは平均3500kcal。
・職員の報告:
「(分析)これは……組織ぐるみで太らせに来ているのでは?」
「逆に精神衛生が不安」
沈静化手段
異常性が拡大し続ける中、
サイト管理官(既婚・愛妻家・年齢不詳) が苦渋の決断を下す。
管理官、公開プロポーズ(嘘)作戦を断行
サイト管理官(マイク越し):
「私は……私は心から君を必要としている!
君の居場所はここだ!
愛している、SCP-XXXX-J!!」
SCP-XXXX-J:
(沈黙 → かすれ声)
「……え、ほんと……?
(あ、ちょっと……機嫌……直った……かも……」
結果:
全フィールドが急速に弱まり、異常性は一時的収束。
警備隊は「人生で初めてプロポーズ護衛任務を遂行した」ことを報告。
補遺 3-B:概念への嫉妬とKeter格上げ決定
==============================
記録日時: 2025/11/23
担当: 佐藤研究員、██博士
嫉妬トリガー
沈静化直後、職員Bが言ってはならない一言を発してしまう。
職員B:
「管理官って本当に奥さんを大切にしてますよね。尊敬します」
SCP-XXXX-J:
(10秒沈黙 → 低音 → 宇宙的圧)
「へぇ………………。」
直後、収容室の気温が急落。
職員B:
「これは……物理的寒気か?それとも情緒的ジェット気流か?」
クライマックス
佐藤研究員(過労でデスクに突っ伏し中):
「……(小声)十秒だけ寝よう……」
SCP-XXXX-J:
「さ・と・う・くん?
睡眠と私、どっちが大事なの?
ねぇ、寝てる間、私のこと考えてなかったよね?」
次の瞬間、
サイト全域で酸素濃度が急速低下。
・空気が薄く感じられ
・脳の判断力が低下し
・全員が“なぜか罪悪感”を覚える
佐藤研究員(意識朦朧):
「……私は……酸素……吸っていいのだろうか……?
これは……石板の愛を裏切る行為では……?」
██博士(絶叫しながら発令):
「酸素という概念が攻撃対象になっている!
これはKeterだ、Keter以外あり得ん!!
全職員は至急、酸素ボンベを確保しつつ、
石板以外のことを考えない禅モードへ移行しろ!!」
結びの言葉(公式声明)
SCP-XXXX-Jは、
恋愛における面倒くささという極めて俗世的な感情をベースに、
財団の論理体系を宇宙規模で破壊し得る実在的脅威
であることが証明された。
財団は今後、
「メンヘラ的感情による現実改変」という未踏領域
への対策を急務とする。




