329話 絶対に殺す。
329話 絶対に殺す。
死んでいるようにしか見えないカドヒト……
に、スギナとピリカが、
「カドヒト様!」
「盟主!」
慌ててかけより、
「くそがぁあ!!」
一度、スギナは、殺人鬼みたいな目で、センを睨んでから、
「殺す、殺す、殺す、お前は絶対に殺す!!」
と、膨大な殺意を叫んでから、
次元の裂け目の向こうへと、三人一緒に消えていった。
残されたセンと、チーム・ランディアの面々は、
一瞬、状況を理解することができず、呆けていたが、
「……勝った……」
誰かが、ボソっとそう口にしたことで、
ようやく状況を正しく認識できたようで、
そこからは、
盛大な歓喜の雄叫びが、
アープットの街中に響き渡った。
これまで、散々、十七眷属を苦しめ続けてきたカドヒトを打ち破った。
その朗報は、すぐさまガリオにも届き、
ランディアとセンエースは、正式にガリオからお褒めの言葉を賜った。
こうして、世界は、カドヒトという狂気・恐怖・悪意から解放されたのでした。
めでたし、めでたし。
……となるほど、世界ってやつは、素直に出来ちゃいない。
カドヒトは死んでいない。
……いや、正式に言えば、死んだ。
センエースにぶっ飛ばされて、HPがゼロになって、一時的に消失してしまった。
……が、カドヒトは、所詮、分身なので、
HPが0になっても、一時的に行動不能・使用不可能になるだけで、
時間が経てば、普通にまた分身として活用できるようになる。
センエースが死なない限り、カドヒトが死ぬこともない。
その事実に、ゼノの面々は安堵した。
ちなみに、『カドヒトがセンエースの分身である』という事実には、いまだ気づいていない。
ゼノのメンバーの中では『カドヒトが、センエースに殺されかけたが、なんとか一命をとりとめた』という認識になっている。
カドヒトがガチで殺されかけた……と認識したことで、
ゼノメンバーの『センエースに対する憎悪』は加速することになった。
特に、スギナの、センエースヘイトがすさまじく、
『次、会った時は、絶対に、首をひねりつぶしてやる』
と、鼻息荒く息巻いている。
……マジで、それをした場合、カドヒトも死ぬことになるのだが……
『カドヒトが死んでいない』というのは、すぐに世間に広まることになった。
なぜなら、次の日には、もう復活して、元気にテロ行動を開始していたから。
カドヒトは、『勝利に浸っていたアープットの街』に襲い掛かり、
『ランディアが倉庫にしまっていたアイテム』を根こそぎ奪っていった。
オーシャ〇ズ11ばりの手際で、誰にも悟らせることなく、
カンペキにアイテムを奪いとったあとで、去り際に、
あえて、ランディアに姿をさらし、
「俺は不死身だ。また殺しにくるからな。震えて眠れ」
と、殺人予告宣言を出して、去っていった。
そのことも当然ガリオに報告。
センは、ガリオから、
『引き続き、ランディアと、アープットの街を守れ』と命令を受けた。
『かしこまりっ』と軽快に返事をするセン。
『まだ、センがこの街にのこり、闘ってくれる』と知って安堵する、アープットの街の民……そして、ランディア。
前回の闘いで、すっかり、センエースの統率力に魅了されたランディアは、
センエースに、防衛の全てを任せるようになっていた。
親衛隊の面々も、ランディアより、センエースに信頼を寄せるようになった。
……センは、このタイミングを待っていた。
すべては計画通り。
センは、ついに、悪魔の計画を実行に移す。
通信の魔法を、セラフにつなげて、
「さあ、セラフ……ショータイムだ」
『派手に暴れろ』と命令を出した。
セラフを暴れさせる場所……それは、アープットの街……ではない。
ターゲットは、城塞都市ガリオ。
中央に『ガリオの城』がそびえたち、
その周囲を、豊かな城下町が囲っている
この世界で最大の権力を背負う都市。




