328話 カドヒト、死す。
328話 カドヒト、死す。
倉庫に保管してあったアイテムは、
『カドヒトに奪われたもの』と比べて性能的にだいぶ劣るが、
どれも、ランディアが創ったものなので、
そこらのマジックアイテムよりもはるかに質は高い。
それらを装備させた上で、
センは、親衛隊の面々に『教導』を施した。
これまでの、そこそこ長い人生で会得した武や魔法の知識を惜しみなく与えて、
できる限り、少しでもマシになるように調整を加えた。
さらに、その上で、センは、
「A隊、前へ。ランディア様はそのまま、A隊を支援しながら中間距離を保って。……B隊は俺に続け。最初に狙うのは、あの『緑髪の女魔人』だ!」
全体指揮をしながら、
緑髪の魔人……ピリカを狙う。
「足運びを見れば分かる! あいつは武道家タイプだ! 俺が接近戦で足止めするから、デバフ魔法の嵐を浴びせてやれ! A隊! ランディア様を前線に押し上げてカドヒトを止めろ! 長時間はとめなくていい! こっちを処理してから、俺がそっちに向かうまでの時間さえ稼げればオールオッケーだ!」
叫びながらピリカに強襲。
ダダダダダダッ!
と、豪速の武の応酬。
爆速で殴る蹴るを繰り返した末に、
「ぐっ!」
ピリカにスキができた。
ピリカは、間違いなくとんでもなく強い怪物武人だが、
流石に、センエースが相手では、どうしようもない。
センが、
「うらぁあああああああああ! 死にさらせぇええええええ!」
と、ピリカにとどめを刺そうとした時、
横からスギナが、飛んできて、
「させるかぁああああああああああああああああああああああああ!」
ロケットみたいな頭突きでセンを吹っ飛ばそうとする……
が、センは、ガシっと、その場でしっかりと耐えて、
「それも、想定の範囲内だぜ、クソメスガキぃ!!」
そう叫びながら、
「だぁりゃああああああああああああああああああ!!」
渾身の回し蹴りでスギナを吹っ飛ばす。
そこで、センは、
「今だ! 全員で一斉に呪縛をかけろ!!」
B隊全員が保有しているマジックアイテムをフル稼働させて、
スギナを呪縛でがんじがらめにしていく。
「こんなものぉおおお!!」
スギナは、ブチブチと、呪縛を引きちぎっていくが、
いかんせん、数が多すぎて、抜け出すのに時間がかかっている。
その隙を、センは見逃さない。
ピリカとスギナ……カドヒトの両翼を奪ったセンは、
そこで、
「このタイミングだ! ここしかない! 全員で、全力で、カドヒトを叩くぞ!! ランディア様! 全力の後方支援よろしく!」
「了解!」
普通の部下のように元気よく返事をするランディア。
突進するセンエースを、魔法やアイテムの力で支える。
親衛隊の面々も、必死になってセンエースを支える。
一体感が生まれていく。
センエースを支える……ということに、無上の喜びまで感じてくる。
命の最前線で、センはカドヒトと殴り合う。
スキルだの魔法だのスペシャルだの……そんな荷物はシカトして、
もっともフィジカルでプリミティブな打撃の応酬に花を咲かせる。
ズガガガガガガガガガガガガガガガ!!
と、両者、互いに、一歩も譲らず、真剣に、無様に、アホウのように、
ただひたすらに殴り合う。
その結果、
「がはっ!!」
カドヒトが白目をむいて血を吐きながらのけぞった。
そのスキを、センエースはみのがさない。
「うぉおおおおおおおおおおおおおお!!」
オーラと魔力をギュンギュンに高めて、
「くらぇ、ぼけぇええ!!! 閃拳っっ!!!」
渾身の閃拳を、カドヒトの腹部にぶち込んでいく。
ズガドォオオン!!
と、盛大な音がして、
気づいた時には、
カドヒトの内臓が破裂して爆散していた。




