323話 才能はあるんだよなぁ……
323話 才能はあるんだよなぁ……
「……スギナから聞いているぜ。あと、自分でもちょっと情報収集した。お前は、マジックアイテムを創るのが得意な十七眷属らしいな。お前自身の強さはそうでもないが……優れたアイテムを創れるらしいじゃねぇか。いいねぇ……本当は、そういうやつを味方に引き入れたいんだけど……でも、お前はダメだ。だいぶ腐っているから」
「腐っているのは……貴様だろぉお!!」
そう叫びながら、ランディアは、両手にもっている杖をカドヒトへと向けた。
すると、ランディアの周囲で漂っていた、氷・雷・炎の玉が、
いっせいに、カドヒトへ襲い掛かる。
カドヒトは、さらりと回避しつつ、
「おお……なかなかの魔法だな。ランク5級じゃねぇか。ランク5級の火力を出せるマジックアイテムを創れる技能……惜しいなぁ。欲しいんだけどなぁ……ぜひ、その才能を活用したいところなんだが……んー、でも、ダメだな。お前のこれまでの非道な行いは、さすがに看過できねぇ。比べたら、オンドリューやカソルンよりやばい、魔人に対する暴挙の数々……チャンスを与えることすらできないねぇ」
「ごちゃちゃ何を言っている!!」
そう言いながら、ランディアは、さらに、
アイテムボックスから取り出した、変な形状の杖を振り回す。
すると、カドヒトの体がビシっと固まった。
「おっ……これは……特殊加工した呪縛だな……これも、ランク5級じゃねぇか。マジで、お前なぁ……才能はなぁ……あるんだよなぁ……もったいないなぁ」
などと言いつつ、カドヒトは、自分を縛っている魔法を、
ふんっと、鼻息一つで粉砕してみせた。
「?!」
驚いているランディアの視界の先で、カドヒトは、
「俺の行動を封じたかったら、最低でもランク7級が必要だぜ。あるかい? ランク7級の魔法を使えるマジックアイテム。さすがに、それは無理か?」
「ぐぅうう、くっそぉおお……」
ギリギリと奥歯をかみしめてから、
「親衛隊!! 何をしている!! ゼノの『バカ』が、ここまで来ているだろうがぁああ! はやく、あたしを守りにこぉおおおい! このクソバカどもぉおおおお!」
「むりむり。俺の配下が抑え込んでいるから、ここには誰も近づけない。いまは、俺とお前だけの時間。ゆっくり楽しんでくれ」
「キモいんだよ、クソテロリストぉおおおお!!」
そう叫びながら、
アイテムボックスから、無数のマジックアイテムを取り出しては、
バカみたいに乱射しまくるランディア。
確かに、どれも、素晴らしいマジックアイテムで、
ソレらの火力や性能を見るに、
おそらく、オンドリューやカソルンぐらいなら、ギリギリ倒せそうな感じだった。
ただ、さすがにカドヒトに通じるものは一つもなかった。
カドヒトの存在値は100。
存在値100の壁は大きい。
「はぁ……はぁ……く、くそぉ……」
と、歯ぎしりしているランディアに、
カドヒトは、
「呪縛ランク7」
動けなくする魔法をかけた。
「う、うぎいぃいい! は、離せぇええ! 解除しろ、この変態がぁああ! あたしをどうするつもりだ、このけだものぉおお!」
とそんな、不名誉な叫びを受けたカドヒトは、
心底、鬱陶しそうな顔をして、
「俺も一応、男だから、性欲みたいなものはあるが……でも、流石に、あんたの相手はできねぇよ。接触するとヘドが出そうだからな。俺、性根が腐った女にさわると、普通にゲロが出ちゃうんだよ」
などと言いつつ、
カドヒトは、ランディアの髪を掴み、
「本当は髪もキモいから触りたくないんだけどねぇ……あー、バッチィ。性根の腐ったババアの髪、きもーい。なんか、べたつくー」
などと言いつつ、ランディアを引きずっていく。




