表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
320/338

320話 ハッピーかい?


 320話 ハッピーかい?


「まあ、そうなんですけどねぇ……ただ、こういう護衛ってチーム戦みたいなもんじゃないですか。『何も知らないところで勝手なことをするやつ』とかいたら、隊を組んでいるそちらさんとしては普通に困るでしょう? だから、一応、最低限は、連携をとっておくべきかなぁと思いまして。……正式に遊撃を命じられたら、そちらの邪魔をしないよう、いい感じに立ち回りつつ、最低限の報告とかもしますけど……どうします?」


「……いいだろう。カラルームの街を守り切った貴様の手腕を信用してやる。貴様は貴様で自由に動け。そして、何か怪しい点や不明な点が見つかったら報告しろ」


「あいあいさー」


 かるい返事をしてから、センは、とことこと、周囲の散策を開始する。


 無意味に草をむしったり、

 番犬をなでたり、

 あくびをしたり、

 たまに、近くにいる親衛隊メンバーに世間話をもちかけたり、


 そんなことをしている間に、あっという間に夜がきた。



(そろそろ……かな)



 コキコキっと首を鳴らしつつ、

 センは周囲に視線を配る。


 すると、まさに、ちょうど、そのタイミングで、

 次元に亀裂が入った。


 ギシギシっと、空間を裂くような音と共に出来た亀裂……

 その向こうから、


「……よう、センエース。ハッピーかい」


 這い出てきた男、

 邪教団ゼノのリーダー、カドヒト・イッツガイは、

 センを見ながら、そんな言葉を口にした。


「よう、カドヒト。ハッピーかい?」


 サクっと言葉を交わし合ったところで、

 周囲の親衛隊メンバーが、


「ゼノが……カドヒトが出たぞぉおおおおおお!!」

「集まれぇええ! 集まれぇえええ!」

「隊長、こっちです!!」


 と、わーわー騒ぎだした。


 その間に、

 次元の亀裂から、もう一人……女が出てきた。


 その女――『スギナ』の顔をみるやいなや、

 親衛隊の面々は、


「出たぁああ!」

「ゼノの女魔人だぁあああ!」

「今日はカドヒトと二人できやがったぁ!」


 ぎゃーぎゃー喚きつつも、

 親衛隊の面々は隊列を組んで、


「二手に分かれるぞ! A隊は私についてこい! カドヒトを迎え撃つ! B隊は女魔人を抑え込め! かかれぇえええ!」


 隊長の号令で親衛隊の面々は、

 いっせいに、カドヒト&スギナに襲い掛かる。


 カドヒトは、襲い掛かってくる親衛隊の攻撃を優雅にかわしつつ、

 スギナに、


「じゃあ、こいつらの相手、よろしく」


「了解、盟主!!」


 簡易に言葉を交わし合うと、

 カドヒトは、ランディアのもとへとむかい、

 スギナは、親衛隊たちのヘイトと向き合う。


 ランディアのもとに向かおうとするカドヒトを止めようとする、『隊長率いるA隊』に向かって、スギナは特攻をぶちかます。


「盟主の邪魔はさせない! あんたらの遊び相手はあたしがやってやるよ! あははははははははははははははは!!」


 狂ったように笑いながら、

 親衛隊の面々を、ボコボコにしていくスギナ。

 まるで、性格の悪い猫が、ネズミの群れを蹂躙するよう。


 殺さないように、繊細な手加減をしつつ、

 親衛隊の面々をぐちゃぐちゃにしていくスギナ。


「ぐぅう! やはり、この女魔人、強いぃ!!」


 手傷を負った隊長が、そう叫びながら、


「誰か! ランディア様のもとに護衛を送れ! ゼノのリーダー・カドヒトが向かってしまった!!」


 ランディアの護衛を命じるが、しかし、誰もむかうことはできない。

 この場にいる全員、スギナに睨まれているから。

 すきをうかがって、ランディアのもとに向かおうとしても、背中から、爪で切り刻まれる。


 どうしたらいいんだ……

 と、悩む隊長の視界で、センエースが準備運動しているのが見えた。


「クロッカ様の犬よ! 頼む! ランディア様を!」


「おっけー、がんばるっ」


 そう言いながら、ランディアのもとへ向かうそぶりをみせるセン。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
カドヒトとセンエースが揃って「ハッピーかい?」と確認し合う挨拶、最高にクールでクレイジーですね!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ