317話 態度と性格と顔。
317話 態度と性格と顔。
ハロに続いて、
ラスも、
「僕も、先生の教えを受ける前までは、ランク3の魔法が精一杯のハンパものでした。……すべては、先生の教えのたまものです」
そこで、『ビシャの魔法でかなり回復してきたジバ』が、
よろよろと前に出てきて、
「成長したのは、その二人だけではなく……教えを受けた者全員が、大きく成長しております。先生の指導力は本物である……と私は確信しております」
そんな3人に続いて、他の3組メンバーも、
言葉は口にしないが、目線だけで、
いかにセンエース先生の指導が素晴らしいか、
というのを訴えていく。
そんな3組メンバーの反応に対し、
フチアは、
「……ふむ」
と、色々と考えていそうな相槌を打ってから、
センに視線を向けて、
「さきほど貴様の最終評価を60点と言ったが、訂正する。貴様の指導力は……99点だ。大口を叩くだけのことはある。今後も、その調子で、この子達を指導してやれ」
「ありがたい評価ですが……マイナス1点の内訳はなんでしょう?」
「流石に、態度と性格と顔が悪すぎる」
「……くくく」
と、センは一度、おかしそうに笑ってから、
「1点で済んで良かったぁ」
などと、おどけてみせてから、
センは、3組のメンバーに視線を向けて、
「気分がいいから、全員に、単位と評価『優』をくれてやる。今回だけ、特別だぜ」
★
『3組』VS『親衛隊』の演習が終わって、後始末モロモロが終わったところで、
フチアが、センに、
「ガリオ様からの指令を伝える」
と、そんなことを言った。
「視察にきたんじゃなかったんですか?」
「視察のあとで指令を伝えるように命令を受けている」
「……大変ですねぇ、仕事が大量にあって」
「すぐに、ランディア卿が治めている『アープットの街』に向かえ」
「……それって……もしかして、また……」
「いや、今回の敵はデスではない。……邪教団ゼノだ」
「……あいつらですか」
「先日、ランディア卿は、ゼノのメンバーに襲われた」
「襲われたのに、殺されなかったんですか? ラッキーですね」
「ああ。なんとか追い返したそうだ……が……ランディア卿の不幸はそこで終わらない。……後日、ライラスのもとに襲撃にきたカドヒトから、再度の襲撃予告を受けた。近日中に、ランディア卿のもとに、ゼノの先兵が送られてくるだろう。どうにかして、ランディア卿を守れ」
「アープットの街は守らなくていいんですか?」
「デスと違い、ゼノは、無意味に街を破壊したりはしない。基本的に、あいつらが狙っているのは、上位貴族の首だけだからな」
「ほー、なるほど……はい、オッケーです。うけたまわりましたー」
「それと……ガリオ様から伝言だ」
「拝聴します」
「……『今度こそ、守り切れ。失敗は許さない』……以上だ」
★
命令を受けたその日のうちに、
センは、アープットの街に辿り着いた。
門を抜けて、中に入ったセンは、街を見渡しながら、
「今日も風が騒がしいな……」
と、自由な言葉を空に投げかけていた。
すると、そこで、
「おい、そこの小汚い魔人……見ない顔だな。よそものか?」
と、門番っぽい男が声をかけてきた。
「頭が高いぜ、ニーチャン。俺を誰だと心得る」
「……あぁ?」
「龍神族の天才児クロッカ様に飼われている犬センエースにあらせられるぞ! 頭が高い! ひかえおろう!!」
「センエース……お前が、悪名高いクロッカ様の犬か……」
「え、悪名高いの? 俺、龍神族の指示に従って、めちゃくちゃたくさん、頑張って、普通の仕事をしてんだけど……」
「多少有能なのを鼻にかけ、クロッカ様に飼われているのをいいことに、各所で好き放題やっている……頭がおかしくて、性格が悪くて、態度がでかい、クソみたいな魔人だと聞いている」




