314話 魔人の分際で生意気だ。
314話 魔人の分際で生意気だ。
ライバルトの発言を、盲目に否定することはできなかったジバ。
しかし、とはいえ、
「センエース先生は……とても優れた御方です。それが理解できないあなたは……失礼ですが、質が低いと言わざるをえない」
「魔人ごときが……言うじゃないか。その挑発……買ってやる」
そう言いながら高速で、ジバのもとへ突進してくるライバルト。
鋭い剣の切り上げを、ジバはさらりと回避していく。
その卓越した動きを見て、ライバルトは眉間にシワをよせ、
(……こいつ……俺の剣が完全に見えている……ぐっ、魔人の分際で……生意気なっ!)
ギリっと奥歯をかみしめつつ、
ライバルトは、踏み込み足の質量を底上げしていく。
限界以上の動きを自分に強制。
その結果、足がビキリと痛んだが、その対応はアドレナリンに任せる。
今は、とにかく、ジバに一撃ぶちこむために全力を尽くす。
「呪縛ランク4!」
ジバの動きを止めるために、呪縛の魔法を使っていくライバルト。
なかなかの魔法なので、ジバはビシっと固まってしまう。
どうにか、呪縛を解こうと必死にもがくジバに、
「あああああああっ!!」
渾身のナナメ斬り下ろしを決めるライバルト。
ザグゥウウ!!
と、ジバの、右肩から左わき腹にかけて、大きな傷ができる。
「ぐぅううう!!」
悲痛の声をあげるジバ。
そんなジバVSライバルトを尻目に、
少し離れたところから全体の様子見に徹しているフチアが、
センに、
「あの魔人の男、それなりに重症だけれど……死ぬレベルではない。あれは、どういう判定にする? こちらの敗北か? 別にそれでもかまわないが」
「あれは……まあ、切り傷ですね。ルールの範囲内としましょう」
「……自分の生徒に甘いのか、それとも厳しいのか……いまいち、判断に迷うところだな」
「鬼教官と思っていただいて結構ですよ。実際、俺は、あいつらを成長させるためなら、余裕で鬼になれるので」
「……『本気で教職を務めるタイプ』には見えないけれど……ここまで見たところ、案外、まじめに職務をこなしているようだな」
「いやぁ、まじめにやっているわけじゃないですよ。育成シミュレーションゲームを楽しんでいるだけです」
「……?」
センとフチアが話している間も、
戦局は進んでいた。
ライバルトの一撃で大ダメージを受けたジバは、いったん、前線から下がり、ビシャの回復魔法を受けている。
回復魔法を使うことができる『ハプ』『リノ』『ヤン』の三名が、後方で、回復支援に徹し、
『ハロ』を前衛に押し出して、『レク』と『マト』が中衛支援。
『ラス』は、全体を見渡しながら、適度に魔法で対応していっている。
ジバがライバルトを押さえている間は、
『3組の人間メンバー全員+ビシャ』VS『ガリオ親衛隊の、ライバルトとフチア以外の3名』
の闘いになっており、どうにか、数の有利を最大限に生かして、ぎりぎりのところで拮抗できていたが、
ジバが前線から降りて、ライバルトが、『3組人間メンバー』の『対処』に加わったことで、
3組メンバーは、一気に押し込まれていく。
がっつりと劣勢になった3組メンバーを遠目に見ながら、
フチアが、センに、
「あの『魔人の男』以外のメンツは……『普通に学生レベル』といったところか。……落ちこぼれレベルではないが、際立って優秀と言えるほどではない。貴様の指導力は……まあ、よくもなく、悪くもなく……と言ったところかな。落ちこぼれを、マシにできる能力はあるが、有能にできるほどの指導力はない。最終評価としては……100点満点で60点といったところか。一応、合格ということにしておいてやるが……いつも、あれだけ、大口を叩きまくっているのだから、できれば80点以上はとってほしかったところだな」




