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313話 教師としての自覚。


 313話 教師としての自覚。


「ビビリが許されるのは小学生までだよねー! きゃははは!」


「……そ、それは、もしかして、挑発のつもりか?」


 怒りとかは皆無で、普通にドン引きの顔でそう言うライバルトに、センは、


「……しまった、ちゃんと挑発するつもりだったのに……つい、ファントムトークで呆れさせてしまった……」


 などとつぶやきつつ、頭を抱えて反省する。

 『コレに関しては、自分の遊びではなく、生徒のために必要なことなのだから、ちゃんとしないと……』

 と、自分の中で、キッチリと反省をしてから、

 フチアに視線を向けて、


「わたくしめの提案を受けて頂き感謝します、フチア様。いい感じに手加減していただけますと、幸いです。さすがに、この子達では、ガリオ様直属親衛隊には勝てませんので」


「……もちろん、手加減するとも。子供相手に本気を出すわけがない」


「それでは、ルールを制定させていただきます。3組の面々に大ケガをさせた時点で、そちらの敗北……よろしいですね?」


「過保護だな。貴様は、生徒に厳しくできないタイプの教師なのか?」


「火傷、切り傷、擦り傷、打撲、打ち身、捻挫、骨折までならお好きなように。しかし、心臓をぶちぬくとか、アタマ砕くとか、眼球をひねり潰すとか、そういうのは勘弁していただきたい」


「当たり前の話だ」


「それでは、さっそくはじめましょうか。……我が3組の力を……とくとご覧ください」



 ★



 『3組』VS『ガリオ親衛隊』の闘いは、

 当たり前だが、ガリオ親衛隊優位で進んでいく。


 人数的には3組の方が有利だが、

 5人全員が存在値50を超えているガリオ親衛隊の強さはやはり破格。


「あの魔人の男だけ気をつけろ! アレは、もともと、オンドリューのところの精鋭だった魔人だ! ……それ以外はただの子供だから、適当にあしらえ!」


 フチアは、ジバを指さしながら、そう叫ぶ。

 フチアの命令に従い、親衛隊の面々は、ジバを相手にする時だけ、普通に本気を出している様子。


 ちなみに、ジバは、事前にセンから『存在値50程度になる指輪』を与えられている。

 ビシャは『存在値40程度になる指輪』を装着している状態。

 この二人の本当の力が、親衛隊の面々にバレるのはよろしくないので、

 アイテムで強制的に力を抑え込んでいる。


「そこの魔人の男! 貴様、俺と同格の力を持っているな! やるじゃないか! 褒めてやる!」


 そう叫ぶライバルトに、ジバは、


「センエース先生の指導のたまものです……」


 と殊勝にそう応えると、

 ライバルトは、ハンッと鼻で笑い、


「オンドリュー様の精鋭だったなら、もともと、今ぐらいの力はあったはずだろう」


 それに関しては間違いではなかった。

 実際、オンドリューのところにいたころから、ジバは存在値50以上の達人として働いていた。


 ライバルトは、続けて、


「魔人の貴様が、あの犬を擁護するのは……まあ、ギリギリ、百歩譲って分からないでもないが……ほかの生徒たちも、あの犬に敬意を表している様子……これはいったいどういうことだ? 普通、魔人が教師になるとなれば、一般の生徒は、反発するものだと思うのだが……」


「実際、最初は反発されていましたよ。けれど、センエース先生は、先生としての資質が高いので、だんだん、みんな、慕うようになっていったのです」


「ふっ、ありえない話だな」


「なにがありえないのでしょうか、ライバルト様」


「それほど資質が高いようには見えない。あれはただのバカだ。アタマのおかしい変態だ」


「ん……ま、まあ……否定しきれないところも……なきにしもあらずではあるのですが……」


 学校生活や、センエース戦闘団での訓練など、それなりに長い間、センエースと一緒にいたので、センエースの変態性に関して、ジバは、正しく理解してしまっている。

 だから、ライバルトの発言を、盲目に否定することはできなかった。



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― 新着の感想 ―
ファントムトークで呆れさせてしまった…… というセリフに、センの絶妙な(?) 教師としてのプロ意識を感じて笑ってしまいました。
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