脱衣
プロ野球の春季キャンプで今日、「紅白戦」がある。
それを見るため、有料の動画配信サービスと契約した。
部屋の中でパソコン画面に向かう。
すでに準備は整えた。
気分を盛り上げるため、この球団のユニフォームを着用している。
家の外は寒いけれど、暖房のおかげで、室温は快適に保たれていた。
で、こたつの上には、キンキンに冷えた缶ビールだ。
もちろん、おつまみも用意している。
コンビニ大手三社それぞれの看板チキン、おでん缶、ゴボウのしゃきしゃきサラダ、それにピザポテトだ。
ぐびぐび、ぱくぱくしながら、パソコンで紅白戦を見る。
ぷはー、生きてて良かったー♪
冷蔵庫の中にはまだ、缶ビールを何本か冷やしている。
だから、ちょびちょびではなく、豪快に飲んで、ぷはー。良い子のみんな、お酒は二十歳になってからだぞー♪
紅白戦なので、どちらのチームも同じ球団だ。
赤チームが「ホーム用のユニフォーム」で、白チームが「アウェー用のユニフォーム」。
今日は「勝ちそうな方を応援する」と決めている。
なので、赤チームを応援だ。今着ているユニフォームも当然、ホーム用のやつ。
が、先制したのは白チームだった。
しかも、次の回には追加点だ。
そんな行け行け押せ押せの白チームを見ていて、
(これは白チームが勝つかも)
今日は「勝ちそうな方を応援する」と決めている。
だから、「ホーム用のユニフォーム」をあっさり脱いだ。
こんなこともあろうかと、その下にはすでに、「アウェー用のユニフォーム」を着ていた。
が、次の回に赤チームが反撃に出る。同点に追いつき、さらには逆転だ。
(これは赤チームが勝ちそう)
なので、「アウェー用のユニフォーム」を脱ぐ。
こんなこともあろうかと、その下にはすでに、「ホーム用のユニフォーム」を着ていた。寒さ対策で重ね着していたのが、功を奏する。
年間の球場観戦が二〇試合以上のファンなら、ユニフォームの複数所有は当たり前だ。一着しか持っていないと、洗濯するタイミングで困るし。
そして、冷蔵庫から新しい缶ビールを取ってくる。
すると、白チームが逆転していた。
そうか。そうくるか。
しかし、くくくくくくく、はーはっはっはっはっはっはっ。
心の中で笑いながら、「ホーム用のユニフォーム」を脱ぐ。その下には、「アウェー用のユニフォーム」だ。やってて良かった、寒さ対策!
が、さらに次の回で赤チームが逆転する。
甘いぞ。まだ重ね着している!
すぐさま「アウェー用のユニフォーム」を脱いだ。その下には、「ホーム用のユニフォーム」だ。
少し寒くなってきたので、暖房の設定温度を上げる。
(赤チーム、がんばれー!)
が、このあとも両チームによる逆転が止まらない。
脱ぎ捨てたユニフォームが、床の上に増えていく。
それに合わせて、暖房の設定温度も上がり続けた。
で、試合終盤になる。
もう、この下にユニフォームはない。これが最後のユニフォームだ。
けれども、またもや逆転だ。
最後のユニフォームを脱いで、「下着」になる。
(まさか、こんなことになるなんて)
と同時に思う。
(今年は打撃が強いぞ!)
若手選手もベテラン選手も活躍している。投手陣はそこまで悪くない感じなのに、打撃陣がすごい。
(これは他球団が驚くぞ!)
さて、今日は「勝ちそうな方を応援する」つもりだった。
しかし、逆転に次ぐ逆転によって、自分は現在、「下着」状態になっている。ユニフォームはもうない。
こうなったら・・・・・・。
「どっちもがんばれー!」
ここから先は、両方を応援することにした。
次回は「自由研究」のお話です。




