入学試験
野球のボールが通う大学がある。
そんな大学の中でも、この大学は超一流だ。
その教育課程は素晴らしく、卒業したボールのほとんどが、プロ野球界に進んでいる。ボールを使用した選手たちから、好評を得ていた。
なので、多くのボールがあこがれる。この大学に入りたい。
しかし、入学試験がある。
試験に合格した「野球のボール」だけが、この大学に入ることができるのだ。
で、今日がその試験日。
青空の下、受験生たちが大学の校門に押し寄せてくる。
見渡す限り、白、白、白だ。若々しい受験生たち。
そんな中に、今年もいる。
伝説の受験生だ。この大学の入学試験に、五〇年連続で挑み続けている。
これまですべて不合格。
というのも、理由がある。
この受験生、「野球のボール」ではない。「大福」だ。白いおもちで、中身はあんこ。お口に入れると、あら美味しい♪
「やはり今年も来ましたか」
校舎から見つめる学長。その心境は複雑だ。
あの受験生の心意気は買う。
しかも、今年はひと味違うようだ。
学長は見抜く。
「あんこの中に、イチゴを加えてきましたか」
しかし、たとえ筆記試験が満点でも、野球選手のバットで「大福」を、ましてや「イチゴ大福」を、盛大にかっ飛ばすわけにはいかない。
この大学の評判に関わる。
次回、監督の体が入れ替わってしまい・・・。




