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野球はスリーアウトから  アイスティーシーズン  作者:


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13/20

今日は何が何でも、ホームランボールをキャッチしたい!

 プロ野球やきゅうの『オールスターゲーム』が本日ほんじつ、この野球場やきゅうじょう開催かいさいされる。


 今日きょうのためにおれは、「秘密ひみつ特訓とっくん」をしてきた。


 特訓とっくんだけじゃない。情報収集リサーチもがんばった。


 調しらべたのは、「この野球場やきゅうじょうでは、どのあたりにホームランのボールがんできやすいのか」。


 オールスターをねらったのも、このはいつもよりも、打線だせん強力きょうりょくになるからだ。


 しかも、試合しあいまえには『ホームラン競争きょうそう』もある。短時間たんじかんにホームランボールがまくる「ボーナスタイム」だ。


 かたにグローブをはめて、さあ、準備じゅんびととのった。


 外野がいやスタンドでホームランボールをおれ


今日きょうはホームランボールを、なになんでもキャッチしたい!)


 とはいえ、さすがオールスターだ。おなじようにホームランボールをねらっている「競争相手ライバル」はおおい。


 ホームラン競争きょうそうはじまったけれど、おれはホームランボールをキャッチできずにいた。


 そのままホームラン競争きょうそう終了しゅうりょうする。


 くやしがるおれしい場面ばめんかいはあった。


 が、これから試合しあい開始かいしだ。まだチャンスはある。


今日きょうはホームランボールを、なになんでもキャッチしたい!)


 試合しあいすすんでいく。


 さいわいなことに、乱打戦らんだせんだ。


 けれども、おれはホームランボールをキャッチできずにいた。


 ホームランは何本なんぼんているのだが、んでいく方向ほうこうちがう。


 おれあせった。今日きょうはこのままわるかも。ホームランボールをキャッチできなければ、「特訓とっくんしてきたこと」が無駄むだになる。


 つぎ瞬間しゅんかんだった。


 快音かいおんひとつ。


 そして、打球だきゅうがこっちにかってくる!


 おれはドキドキしながら、そのホームランボールをグローブにおさめた。


(よし! キャッチしたぞ!)


 そのあとの行動こうどうは、まえもってめている。


いまこそ、特訓とっくん成果せいかせるとき!)


 おれれたつきで、しろぬのをグローブにかぶせた。


 こころなかみっかぞえてから、そのぬのばやる。


 すると、グローブのなかからしろいハトがんでいった。


(どうだ! すごい手品てじなだろ!)


 おれ予想よそうでは、万雷ばんらい拍手はくしゅこるはずだった。


 なのに、拍手はくしゅはまばらだ。


 おれはショックをける。


 この手品てじなさんげつ特訓とっくんしてきたのに、反応はんのうはこれだけ?


 しかし、どうすることもできない。


 すごすごとがろうとしたときだった。


 現在げんざい守備しゅびをしているチーム、その監督かんとくがベンチのまえてきた。


 りょうを「長方形ちょうほうけい輪郭かたち」にうごかしている。あれはビデオ判定はんてい要求ようきゅう


 すると今度こんどは、相手あいてチームの監督かんとくも、ベンチのまえてきた。


 で、おなじように、りょうを「長方形ちょうほうけい輪郭かたち」にうごかしている。こっちもビデオ判定はんてい要求ようきゅう


 まさかの展開てんかいだ。りょうチームの監督かんとくが、ビデオ判定はんてい要求ようきゅうしている。


 普通ふつうはありないことに、おきゃくさんたちがざわついた。


 この異常いじょう事態じたいに、審判団しんぱんだんいっしょあつまる。協議きょうぎはじめた。


 その結果けっか審判しんぱん一人ひとりりょうを「長方形ちょうほうけい輪郭かたち」にうごかす。ビデオ判定はんていだ。


 さっそく野球場やきゅうじょう大画面だいがめんに、直前ちょくぜんのホームランの映像えいぞうながれた。


 快音かいおんがして、打球だきゅう外野がいやスタンドにむ。あれはちがいなくホームランだ。


 しかし、そこで映像えいぞうまらない。


 なんと、おれがハトをすところが、大画面だいがめんうつされている!


 さらに別角度べつかくどからの映像えいぞうだ。


 快音かいおんがして、打球だきゅう外野がいやスタンドにみ、おれがキャッチする。


 そして、しろぬのをかけて、ハトを手品てじなだ。


 この直後ちょくご客席きゃくせきからおおきな拍手はくしゅこった。


 そうそう。おれ期待きたいしたのは、こういう反応はんのうだ。


 拍手はくしゅしてくれているおきゃくさんたちに、しろぬのってこたえるおれ


 そのあと、りょうチームの監督かんとくに、そして、審判団しんぱんだんかって、深々(ふかぶか)とお辞儀じぎをした。


次回は「入学試験」のお話です。

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