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TS男装令嬢は王太子の傍付きを拝命する。  作者: 髙龍


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第六十一話

マスクウェル達が戦力の立て直しに奔走している中、軍勢が近寄ってきていた。


掲げている旗は王国の旗であり所属を主張するように貴族旗もはためいている


「援軍の到着ですな」


「助かったのは確かだが、早すぎないか?」


貴族が配下を招集し軍を組織するには時間がかかる。


これほど早く駆けつけられた理由がわからなかった。


「理由はなんとなくわかりますが・・・。直接訪ねるのが良いでしょう」


「そうだな。まずは受け入れ態勢を整えるとしよう」


マスクウェルは配下達に軍勢の受け入れ準備をさせる。


そう時間もかからず、貴族達の軍勢がマスクウェルの元に到着した。


「王太子殿下。時間がかかり申し訳ありません」


到着した貴族達はそう言って謝罪する。


「いや。早いぐらいだろう。これだけ早く来てくれるとは思っていなかった」


駆けつけた貴族は驚いたように聞いてくる。


「ローゼンブルク侯爵から何も聞いておられないのですか?」


「ホーク卿が何故出てくるのだ?」


「我らはローゼンブルク侯爵からの指示で王太子殿下が王都を出立する前から準備を進めていたのです」


「なるほど・・・。あの古狸の差し金か・・・」


ホークはこうなると予想して王城にやってくる前に全ての準備を整えていたのだろう。


「王太子殿下。後は引き受けますので王都にお戻りください」


マスクウェル達は先の戦闘でボロボロだ。


それでも残ることで出来ることもあるだろう。


「いや。隣国の手がわからぬ。もうしばらく様子見だ」


「王太子殿下。お言葉ですが戦力は整いました。仮に隣国が動いたとしてもなんとかなるでしょう」


「マルス卿・・・」


マスクウェルはマルスの進言を考える。


国内の反乱分子はある程度処理できたが完璧ではない。


国王であるアッカバーンも動いているはずだがそれでも王太子である自分にしかできないこともあるのは確かだ。


「わかった。ここは任せる」


「お任せを」


「ガスパー。アグニ卿。我らは王都に戻るぞ」


「かしこまりました」


マスクウェルは騎士団を率いて王都へと戻ることにした。


「かなり数が減ったな・・・」


「そうですな。立て直しにどれだけ時間がかかることやら」


ガスパーは顔には出さないが多くの部下を亡くして心を痛めていることだろう。


それでも必要な犠牲だった。


彼等のおかげで王国は救われたのだ。


その犠牲を無駄にしない為にも自分自身の役目をしっかりと果さなければならない。


マスクウェルは決意を新たに王都への帰路についた。

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