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TS男装令嬢は王太子の傍付きを拝命する。  作者: 髙龍


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第三十三話

「ふむ。基礎は出来ているな。これまで真面目に剣を振るってきたのはわかる」


「ありがとうございます」


「だが、やはり課題はあるな」


「課題ですか?」


「あぁ・・・。これは性別差を考えれば仕方ない部分でもある。だが、それでは困るのだ」


どうやらガスパーもアンリが女性であることを知っているようだ。


「女性騎士が全くいないわけでもない。だが、少ない理由はわかるか?」


「男性騎士と比べると筋力で劣っているからですか?」


「正解だ。騎士となる以上はどうしても男性騎士と渡り合えるだけの腕が必要だ。それを埋める何かが必要になるというわけだ」


「どうしても筋力では私が男性に勝つのは難しいでしょう。どうしたらいいですか?」


「素直なのは良い。だが、答えを簡単に求めるのは良くないな」


「すみません」


アンリは謝ってから自分で考えてみる。


筋力では太刀打ちできないなら他の何かを考えなければならない。


「手数や技術ですか?」


「それがアンリ嬢の答えか。悪くはない。だが、それだけで男性騎士に本当に勝てると思うか?」


アンリはマスクウェルとの戦いを思い出してみる。


現状では全く相手になっていなかった。


「王太子殿下と戦ってみて相手になりませんでした」


「それはそうだろう。王太子殿下は私の教えた中でもトップクラスに強い。私よりは弱いがな」


「それって護衛必要です?」


「アンリ嬢。強いといっても数で押されれば何が起こるかわからない。私ですらそうなのだ」


「なるほど・・・」


「アンリ嬢に求められるのは救援が来るまで王太子殿下を守ることだ。最悪の場合は自身が斬られてもな。その覚悟はあるか?」


「覚悟はあります」


「うむ。では、最初の訓練といこう」


「はい!」


「まずはどれだけの相手をしても息切れしない体力が必要だ。走り込みからはじめるとするか」


「わかりました」


アンリはガスパー監督のもと走り込みを行う。


元々鍛えてはいたがガスパーの指導は厳しかった。


少しでもペースが落ちれば指摘してくる。


アンリは必死に食らいつく。


「アンリ嬢が男ならば体罰だがそういうわけにもいかんしな」


女とみられているのは複雑なところだが、女であることを感謝すべきだろう。


夕方となりガスパーが声をかけてくる。


「本日の訓練はここまでだ。しばらくは体力錬成を行うのでしっかり食べてよく休むように」


「はい。ありがとうございました」


アンリはガスパーにお礼を言ってから自室に向かった。


マスクウェルのところに向かいたいところだが、汗をかいた状態で向かうわけにもいかないからだ。


アンリの部屋にも小さいながらお風呂がついているのは確認済みだ。


部屋に到着するとメイドさんがお風呂を沸かしていてくれた。

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