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23.ピエロを倒しましょう

ブクマ有難うございます!

 風を送り煙を散らすと、ドーム状の光が現れる。ミンハさんとレーリアの前にフローラが立ちゴットディフェンスを発動させているようだ。


「ミィ〜!!」


 シロがフローラの頭の上で羽を動かし、ビームをピエロに向けて放つ。急な攻撃にピエロが避けきれず腕から血が流れた。


「ふふ、アハハハっ! 愉快だ愉快! 蛇がビームだなんて、その蛇欲しいなあ。僕はジュリーン、楽しい事が大好きさ! 誰にしようかなっ、か、み、さ、ま、の、い、う、と、お、り。そこの猫耳と金髪だね、いっくよー!」


 ピエロがふうっと息を吐くと、口からシャボン玉のような球体が現れ宙に舞い出す。パチンっ! 指を弾いた瞬間、フローラとサバンナへシャボン玉が集まり2人とシロが球体の中に閉じ込められた。


 フローラとサバンナが内側から球体を叩きながら口を動かしているが何も聞こえない。


「おいピエロ! お前何したんだ!」


「ハハ! 2人は僕のコレクションになるんだ! 幸せだよね? 皆に見られながら朽ち果てるんだ、愉快だよねえ。心が震えるだろう? ショーも一緒、皆ショーに魅せられて心を震わせるんだ!」


「お前---- ショーなんかじゃねえ、命かけて戦ってるんだ、愉快な訳ないだろ。ふざけるなよっ」


「夕間だっけ? 君も人を喜ばせてる存在でしょ? その時点でショーの1部じゃないか! 君が死んだら皆悲しむのかい? ここでショーを繰り広げてた動物と一緒だよ、誰も悲しんだりしない。僕は幸せだなあ、君を素敵に演出出来るんだからさ!」


 ------ こいつ頭がおかし過ぎる。俺もショーの1部? 馬鹿にするな!


「お前なんかに何が分かるんだ!」


 怒りで体が震える、歯を噛みしめ過ぎて口に鉄の味が広がっていく。愉快顔のピエロを睨みつけていると、温かい何かが俺の拳を包んだ。


「夕間殿、煽ってるだけです。夕間殿が死んだら私達は悲しいですよ。落ち着いて下さい」


 レーリアの手が優しく俺の拳を包んだまま、目を真っ直ぐ見つめてくる。赤い瞳は濁らず透き通っていて、嘘なんかついていない。俺は拳の力を緩めて息を吐く。


「ごめん、レーリア有り難う。あいつを倒して2人を救おう」


「ええ、夕間殿。指示をお願いしますね」


「何ー? 2人で話しちゃってさ! 僕の事忘れてない?」


「うるさい」


 ミンハさんがピエロに向けて思いっきりハンマーになった杖を振り下ろした。


「うわっ、いきなりは反則だよー! 君も閉じ込めてあげようか?!」


「ミンハさん! スポットガードを発動させろ、今からそっちにいく! レーリア、ミンハさんの所へ行くぞ!」


「ついていきます!」


 ミンハさんはスポットガードを展開させながら、ピエロの魔法をかわしていく。俺はステージへ駆け下り、ピエロに向けてジャンプした!


「お前、少しは大人しくしろよ!」


 ウィングライジングを拳に纏わせながらピエロの頬へ向けて思いっきり振り下ろす。爆発音と共にピエロの体は凄い勢いで壁に飛んでいった。


「ミンハさん大丈夫か?」


「あいつ嫌い」


「そうね、私も嫌いだわ」


「レーリア、あのシャボン玉みたいの割れないかな。剣で燃やしてみてくれるか?」


「お任せ下さい!」


「ミンハさんと俺は時間を稼ぐぞ。あいつに魔法攻撃を2人でやるんだ、いいな?」


「分かった」


 壁に突撃したピエロが立ち上がった瞬間、俺とミンハさんはピエロに向けて魔法攻撃を放った。


「ライトニングボルト」


 俺は稲妻を、ミンハさんはアースフレイムだ。同時攻撃をする場合、魔法同士の相性を考慮しなくてはならない。ミンハさんもちゃんと考えてくれたようだ。


 ピエロは直撃したのか、爆破が収まると地面にお尻をつけた。着ている服はボロボロで被っている帽子なんか穴だらけでもはやある意味が全くない。


 ピエロが急に顔を上に上げたので、体勢を整えて様子を見ていると、何故か大声で泣き始めた。


「うわぁーん!! やっぱり僕じゃ駄目なんだあ! 戦うなんて嫌だよー! うわぁーん!」


 泣きじゃくる様子に驚いてしまい言葉が出ない。


 ---- いきなり泣き出すだなんて何なんだ?!


「うわぁーん! スピット助けてぇー!」


 ピエロが叫ぶとピエロの背中からインコが現れた。デカいインコは口先でピエロを慰め始め、ピエロもインコに抱きついている。


「何あれ」


「さ、さあ---- 見た感じ鳥だけど----」


「スピット、あいつらが僕をいじめるんだよ! こんなか弱い女の子をいじめるなんて酷いと思わない? スピットなら分かってくれるよね? 見てよこの服、女の子の服をあいつらがボロボロにしたんだ!」


 ------ ハア?! 女の子?


 信じられねえ、どこから見ても男の子だろ。面倒くせえ。


「スピットやっちゃって! あいつらを倒してよ!」


「コロスっ! あいつらコロス!」


 インコの目の色が急に変わりだし、俺達に向かって飛んできた!


「やばっ、ミンハさん回避しろ!」


 向かってくるインコを避けて魔法を発動させる。


「トルネード!」


 竜巻が起きインコへ向かっていったが、大きな羽をバタつかせ竜巻を消し始めた。


「くそっ、ミンハさんソウルフレムだ!」


「任せて」


 インコの周りに炎が現れだす。俺は炎を消される前にインコの上に飛んで、思いっきり拳を叩きつけた。1度では体勢が崩れないので連続技をお見舞いする。手刀や二段突き、上段、下段突きに蹴りをテンポよく力を込めながら繰り返していく。


 グエェっとインコが声を上げたのを聞いて、魔法を発動させ拳に纏わせた。


「ライトニングボム!」


 威力そのままにインコの体へ拳を振り下ろす!


 ドォオオーン!! フレイムボムと合わさり爆発が激しい。逃れる為、インコの体を蹴って上に上がると、煙からインコが飛んできた。


 インコの頭突きによって俺の体が吹き飛ぶ。天井にあるテントに体があたり、そのまま勢いよく地面へ落下した。


 洒落にならねえ、痛えじゃねえかよ。地面に体がめり込んでいるようだ。


 スキルを発動させたおかげで衝撃は少なくて済んだが、全身が痺れたようにピリピリする。痛みが強く、動かそうとしても直ぐには無理そうだ。


 やべえな、早く動かないと----


「ユーマ!」


 ミンハさんが俺を守るようにインコへ立ち向かっていく。杖に炎を纏いインコへ叩きつけるがインコが体を回転させてミンハさんを吹き飛ばした。


 ---- 動け、動け、動けよ!


 痺れたまま立ち上がり、足へ風を送る。インコがミンハさんへ飛んでいくのが分かり、足に出来る限り力を入れてその場から魔法を発動させた。


「ウィングライジング」


 インコが魔法を受けて怯んだので、自身に電流を流し走りだす。


 くそっ、やられてたまるか!


 拳を強く握りインコへ勢いよく突っ込む。腰を強く捻ってから身体中の電流を拳に送り正拳突きをくらわす。


「シ、シ、シャラクセイッ!」


 インコがまた体を回転させ俺へと向かってくる。インコの体をスレスレで避けてから魔法攻撃を放った。


「ライトニングボム! ダブル!」


 ドドドオオーン!! 爆発した後、インコの体が地面へ横たわりピクピクと動いているの見て更に魔法を発動させる。


「ダークスワロウ」


 闇が広がりインコの体を飲み込んでいく。途中インコの奇声が聞こえてきたが、俺は声を放置しピエロへ視線を戻した。


「スピットを返せよ! うわーん、スピットォが取られたー!」


「お前、自分で戦えよ。魔法使えんだろ?」


「煩い、煩い! 僕に意見するな! あの2人がどうなっても良いんだね? シャボン玉の中の空気を抜いてあげるよ。直ぐに死んじゃうんだからぁ!」


「あら、残念ですわ。私達はここにいますわよ」


「にゃ、にゃーん。許せないにゃん!」


 右を見るとレーリアが2人を連れて俺の横へ並んだ。左を見ればミンハさんもこちらに向かって走ってくる。


「何で出てきてるんだよ! 勝手に出てくるな!」


「球体は良く燃えましたよ」


「燃やすー? ふん、また閉じ込めてあげる! 皆一緒にまとめて死んじゃえ!」


「その手には乗りませんわ。 ライトアロウ!」


 フローラが光の矢をいくつも小さく出してシャボン玉を壊していく。フローラの矢が放たれたと同時にサバンナが空中を走り出した。


「切りつけてやるにゃん! ダブルトルネード!」


 竜巻を双剣に纏わせ、ピエロへ勢いよく振り下ろしながら突っ込んでいく。すると後ろから追いかけていったレーリアが、サバンナに続いてピエロへ剣を突き刺した。


 ピエロは2人からの攻撃をかわす為、細かく動き回っていたが避け切れていないようだ。2人の攻撃が終わるのを待っていたミンハさんが、ピエロから2人が離れたタイミングでロックボムを放った。


 攻撃がピエロへと落ちていき当たったと思った瞬間、インコが突如として現れピエロの体を包み込む。


 ドォオオーン!!  


 インコは力なく頭を地面につけ、体は傷だらけで羽が飛び散っている。所々羽や足が千切れていて痛々しい姿だ。ピエロは傷だらけのインコを抱きしめながら涙を流して何度も何度も呼びかける。


「あ、スピット! 死んじゃやだあ、死なないでぇー。スピットがいないと僕戦えないよー。僕を置いていかないでえ」



「なっ、凄い泣いてるにゃん」


「まだ子供なのでしょうか?」


「とりあえず待ちましょ」


「フンっ」


 皆と一緒になってピエロの泣く姿を見ていたが何だか胸が痛くなってきた。


 ピエロは敵だ。だけど---- 皆が死んだらと思うと自分の胸が更に痛くなる。庇われて自分だけが助かったら俺も動けなくなるかもしれない。


 戦いは危険だ。常に命がかかっている。だけど守られたなら立ち上がれよ。インコの思いを察してやれ、戦いを途中で放棄してんじゃねえ!


 俺はゆっくりとピエロへ近づいていく。俺が近づいてもピエロは涙を流したままインコから離れない。ピエロの横に立ち唇を強く噛んだ。


「お前、戦わないのか?」


「もうやだよ、戦えない。スピットが殺されて辛いんだ、お前達のせいだ!」


 何だよ、胸糞わりい。


「----- ふざけるなよ。スピットを殺したのはお前だ! お前が戦わせたから死んだんだよ! 大事なら守れよ! 自分だけ守られようとしてるんじゃねえ! 戦えない? 戦う意思を途中で放棄するな!」


 拳に魔法を纏わせて威力を増幅させる。怒りもあるがこれ以上こんな奴と戦いたくないからだ。


「煩い! 何で僕が殺したんだよ、お前らのせいだろ! 守られて何が悪いんだ!」


 ------ こいつは分からないんだ。もう終わりにしよう、話しても無駄だ。


「お前、悲しい奴だな。何もわかってねえ」


「はあ?! 僕が何? 悲しい奴? お前のが悲しい奴だろ。僕は自由だけど、お前は人に縛られてる!」


「お前に何を言われても、何とも思わねえんだよ!」


 泣きっ面のピエロ目掛けて、増幅した威力そのままに拳を振り下ろす。拳が顔面に当たったのが分かると魔法を幾つも発動させ更に振り下ろした!


「これで終わりだ!」


 ドドドォーン!!


 激しい爆発が起き、爆風でテント全体が音を立てて揺れる。テントの天井に穴が開き、まん丸とした月が姿を表すと赤い光が集まり十字架の形になっていく。


 テントの天井を突き抜けて光る赤い十字架はゴスロリの時と一緒だ。光の中へ消えていくピエロはインコを掴んだまま。


 俺はピエロの手から目が離せずその場から動けなかった。



読んで頂き有難う御座います!


裏設定

ジュリーンは8歳ぐらいの女の子です。魔王に生み出され最初は四天王や魔王と一緒にいましたが、魔王の拠点へ行かされました。まだ8歳のジュリーンはまだ幼い為、1人は寂しくてインコを作り出しました。

ジュリーンは自分と一緒にいてくれるインコが大好きです。寝る時はいつも一緒、インコのおかげで寂しくなくなりました。




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