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21.閑話 ミンハとシロ

 新しい杖を大事に抱えながら洞窟を歩く。


 魔物が出たら順番に戦えってユーマから言われて、ジャンケンとやらに勝った私が1番になった。


 でも魔物なんか全然いないし、モンスターもいない。ウズウズが止まらずにいるとユーマの肩にいるシロへ目をつけた。洞窟で皆が野営準備してる中、白の首を捕まえて皆から離れる。


「シロ、戦お」


 シロの目が輝いたのが分かって、シロを遠くへ投げた。杖に炎を纏わせるよう念じると前の時より大きい炎が纏ったのが見えて嬉しくなる。ウキウキしたままシロへ視線を向ければ、パタパタと羽を動かした後早いスピードで私へと向かって来た。


 えいっ! シロに向けて杖を振り下ろすが、前よりも威力が強すぎてバランスが上手くとれない、ドン!っとシロから反撃されてしまい痛みが走る。


 一先ず攻撃しようと、魔法を発動させてロックボムをシロへ放った。ドォオーン! と大きな爆発が起きたのを見て興奮する。


 凄い、凄い、凄ーい! 杖でこんなに違うんだ。


「ミィ〜!!」


 毒を吐き出して来たので避けると、シロが突進してきて体が吹き飛ぶ。


 いたっ---- うー、反撃してやる。


 ロックボムを杖に纏わせハンマーの様に大きくなったが、前よりも重くて振り上げられない。


 おもっ、でも絶対振り上げてやるんだから!


 シロが私に向かって来てるのが分かって、すかさず身体強化を腕に集中させる。


 体全体で無理矢理杖を持ち上げて、思いっきりシロへ叩きつけた。


 バァアーン!! 音を立ててシロに直撃し地面へそのまま振り下ろす。爆破する音で耳が痛かったが体が痛くて動けずにいると、シロが地面で伸びていた。


「ミンハさん、何してんだ? お、おいシロ大丈夫か?」


 ユーマがやってきてシロへと駆け寄っていく。


 ---- 何で私だけさん付けなんだろ。最初は呼び捨てだったのに。


 シロを優しく抱き上げるのを見て、カチンときた。


 私の事は脇に抱えるのに! ズンズンと歩いて行ってユーマからシロを奪う。


 私だって体痛いもん。


「なっ、ミンハさんどうした?」


「嫌い」


 シロを抱えてユーマから離れる。


 何でシロには優しいのに。最近頭も撫でてくれない。


 じーちゃからユーマの話を聞いてずっと想像していた。会えないと思ってたのに、魔王が早く復活してユーマを召喚すると聞いた日はドキドキしたの覚えてる。


 ユーマを初めて見たとき、何だか悲しそうな目を見て私も悲しくなった。


「シロ、ユーマは今悲しくない?」


「ミィ?」


「何でもない」


 もっともっと強くなって、ユーマに追いつきたい。じーちゃも強いけど、ユーマはもっと強い。


「シロ、また戦う?」


 シロは頭をブンブンと横に振っている。

 むーっと口を尖らせてシロを見つめていると、ユーマの声が再び聞こえてきた。


「ミンハさん、1人じゃ危ないだろ。皆のとこに戻るぞ」


 ユーマは私からシロを取り上げて歩きだす。私はユーマの服の裾を掴んで引っ張った。


「どうした?」


「抱っこ、体痛い」


「----- ハア、仕方ねえ」


 ユーマがしゃがんでくれたので背中へ飛びつく。ユーマに抱っこされて嬉しくなってくる。


 ユーマが何かブツブツ呟いていたが、おでこをユーマの頭にくっつけた。


「ユーマ、だいすき」


 私の言葉は聞こえてる筈なのに、ユーマからの返事はない。だけどユーマの体が少しだけ熱くなったのは分かった。


「ミィ〜 ミィ〜!」


 シロが羽をパタパタさせて私の頭へ羽をぶつけてくる。シロを睨む様に見ると、シロが体全体を真っ赤にさせて何だか怒っているようだ。


 これって---- 嫉妬?


「シロ、雌?」


「はっ?! シロは雌なのか?!」


「ミィ〜〜!」


「そ、そか---- 雌」


「ミィ〜」


 シロは体を赤くしたままユーマの頬に頭をすり寄せて、勝ったというよう顔で私を見てくる。


 むー、負けないもん。


 ユーマの首に巻き付ける腕に力を入れてユーマの首に顔をくっつける。


「ぐっ、苦しい----」


 ユーマの声が聞こえてもシロと睨み合いをしていたら、急に体が浮いてユーマから離れてしまった。


「夕間殿が苦しんでるわよ、もうやめなさい」


「むー」


「ミンハは本当可愛いわね、お肉あるわよ。早く食べましょ」


 肉!! シロも肉と聞いてフローラの元へ飛んでいった。チラッとユーマを見ると、ゲホゲホと咳き込んでいる。


「ユーマ、いこ」


「あ、ああ-----」


 ユーマの手を握り歩き出す。


 久しぶりに手繋いだ---- 明日は繋げるかな?


 レーリアから美味しそうなお肉を貰い幸せな気持ちになる。もうすぐ魔王の拠点。少しでも大きくならなくちゃ。


「ユーマ、ミンハ強くなる」


「あ、ああ。頼りにしてるよ」


 ユーマに頭を撫でられて嬉しいけど恥ずかしくなる。シロが私を見てまた睨んできたから舌を出してやった。



 へへ、じーちゃは優しかったけどユーマの撫で方は少し乱暴だ。お肉も食べれたし頭も撫でて貰えた、今日はいい夢見れそう。


 お気に入りのクマのぬいぐるみを出して抱きしめる。


 明日も頑張ろ。ユーマにまた頭撫でてもらうんだ。


 寝袋に入って目を閉じるとフローラやレーリアの声が聞こえてきたが、気にもせず幸せな気持ちのまま眠りについた。

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