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19.はじめまして どろぬまれぺがさす







「おはよう、ミント」

「おは、よう? あ、手紙、ありがとう……お返事書くね………………え?」


 軍人名物早着替え後、部屋を飛び出した私を待っていたのはアンだった。

 どこからともなく取り出されたのは、防水防塵耐衝撃仕様封筒の見慣れた手紙だ。まだ温かい。

 懐で温められた手紙をまじまじと見つめる。いつも思うけれど、どこからどう見ても軍事機密仕様だ。内容はアンが見た雲と花と読んだ本と新しく知ったこと。そしてお父さんが吹き込んだどうでもいい情報と、お父さんが隊の皆様に多大なるご迷惑をおかけしていることだが、見た目は軍事機密。


「……アン、いつからここにいるの?」

「二課の警護はまだ解除されていないから」


 確かに解除される理由がどこにもない。それは理解できるのだが、心が付いていかない。


「……あの、もしかしてだけど…………一晩中ここにいた、とか?」

「うん」

「なっ――かに入ってくれたらよかったのに!」


 警護対象同じ場所での寝食は、禁止事項どころか推奨されている。不可抗力とはいえ、新婚ほやほやで夫を廊下に叩きだし、自分は寝台ですやすやしてしまった。鬼嫁と呼んでほしい。


「君は一人で眠ることに慣れているから、人の気配がすれば起きると言っていた」

「誰が!?」

「君が」


 確かに、手紙に書いたことはある。軍に入るまではずっと一人で眠っていた。軍に入り改善の傾向があるとはいえ、自室となれば自分以外の気配に敏感に反応してしまう。そう書いた。

 けれど一度だけだ。すぐ別の話題に移ったので、アンが覚えているとは思わなかった。


「昨日の君は、眠るべきだった。僕は君の睡眠を妨げる理由になりたくない」


 アンは、始めの頃はともかく、途中からずっと私を案じてくれていた。そして今、その言葉通り、嘘偽りない行動をくれる。それが、嬉しい。何よりも。うっかり泣きそうなほどに。


「あ、りがとう……ありがとう、アン。嬉しい」

「うん」


 優しさへ素直に応じない理由はない。私が笑えば、アンもふわりと笑ってくれた。手紙でも、こうして笑ってくれていたらいいな。私がもらった嬉しさを、アンも私から感じてくれていたら、嬉しい。


「それに、今までの距離を考えれば、一緒に過ごしている範疇だと思う」

「そう、だね」


 心が通じ合っていようと、物理的な距離が寂しい夜は多々ある。誰もいない部屋で、帰るはずのないお父さんをそれでも待ってしまった過去の私は、そうと知っているのだ。


「僕は、任務じゃなくても君の安全と平穏を最も優先する。それと君は今日、午後からの出勤」

「あ、午前休なのね!?」


 昨日の今日で大胆な遅刻で飛び起きたけれど、その心配はなかったようだ。どちらにせよ、アンを一人廊下で立たせ続けた事実は変わらないが。


「だから、君はゆっくり食事を取るべきだ」

「……それ、朝食だったんだ」


 アンは、片手に持っていた大きな籠を掲げて見せた。ずっと片手にぶら下げていて、何を持っているのかと思ってはいたけれど、どこまでアンの私用に介入していいのか分からなかったのだ。

 大切な人はずっといたのに、近距離での関わり方が分からない。

 手紙なら簡単に聞けたのに。ずっと会いたかった人と親しい在り方が分からないだなんて。家族失格な自分が情けなくて仕様がない。


「君の好きな、南瓜のスープと、葡萄パンを選択した」


 それなのに、アンは事も無げにそう言うのだ。


『アンは、あさになにを食べますか』

『出たものをたべます』

『それはそうですね。出たものの中で、なにがすきですか』

『たいきじ間は、おなかがすかないもの、せんとう前は、うごきやすいものがすきです』

『そうなのですね。私は、かぼちゃのスープと、ぶどうのパンが、あまくてすきです。いつも、一ばんぶどうが入っているパンをえらびます』

『あまいのは、自ぶんもすきです』

『いっしょですね。アンとおそろいで、うれしいです』


 そんな他愛もない会話をするだけで、何か月もかかっていたあの頃。

 アンはそんな他愛もないあの日のことを覚えていてくれた。すっと取り出せる場所に、その記憶をしまってくれていたのだ。


「……違った?」


 少し眉を落としたアンに、そんなことはないと、嬉しいと伝えたいのに。なんだか、胸がいっぱいで。言葉が喉でつっかえて、心から外へと出ていかない。

 嬉しいと痛いで、胸の中がいっぱいになる。こんなときただ嬉しさだけを感じられたらよかったのに、どの思い出の中でも、幼い私の寂しさが粘着質にへばりついていた。


「……うん、大好き」


 けれど、嬉しいのだ。本当に、本当に嬉しくて。


「……ミント?」

「嬉しい。ありがとう、アン」

「よかった」


 ほっと、周囲の空気まで柔らかくなる安堵を見せたアンが、眩しい。眩しくて、温かい。

 大切にしよう。私は、この人を大切にしよう。

 今までだってそうしてきたつもりだった。けれどこれから先は、それよりもっとずっと、うんとうんと大切に愛そう。

 私が思いつくちっぽけなものだけでなく、他の人を参考にした、優しくて穏やかで、色鮮やかな思いで構成された方法で、大事にしたい。

 そういう愛し方を、私はこの人にしたいのだ。


「アンは、もう食べた?」

「まだ」

「だったら、一緒に食べよう」

「……いいの?」

「勿論。だって、まだ内緒だけど」


 ほとんどが出勤して、夜勤組はまだ眠っているこの時間。官舎はとても静かだ。それでも、声を潜める。私の言葉は、アンにだけ届けばいいのだから。


「私達、家族じゃない」

「――うん」


 嬉しそうに頷いた可愛い人を部屋に招き入れながら、ひょいっと籠の中を覗く。アンが言っていた内容の他にも、優に三人分はあろうかという料理が詰まっている。

 最初から一緒に食べる気だったのかと、微笑ましく思えたらよかった。だが私の胸中には、嫌な予感しかしないのだ。


「……アンさん。これは、何人分?」

「ミントの分」

「私と……誰の分?」

「ミントの分」

「私と私の分!?」


 大切な人との朝は、何かと感情と臓器の消化不良が騒ぐものらしい。




『ミントは扉が壊れそうな鼾をかかないんですね。凄いです』

『もしかしなくてもお父さんと比べていますね。

お父さんの鼾は鼻と口を塞げば止まります。』


「………………それが出来るの、ミントだけだよ」

「何が?」









 軍の官舎から二課は、最も離れた場所にあった。

 軍部は長い歴史上増改築を繰り返してきた結果、ごちゃごちゃとした建築構造となっている。様々な隊が、その狭間に収められている状態だ。

 だが二課は独自の建物を有している。異例の対応であり、二課が培ってきた信頼の証だ。

 それは、魔術史の頁を幾枚も進めたと言われる功績の結果であり、爆発異臭毒噴出魔具暴走魔力噴射魔術乱射光源最高出力大爆音普通爆発などの実績を経た結果だ。

 おかげで広々と自由を謳歌している。離れ小島へ島流しにあったともいう。

 離れ小島がなかったため、それなりの予算を費やしてでも島流しにしたかった軍本部の本気を見よ。


 結果、他隊の諍いや確執に巻き込まれることなく、二課の性質にとてもあった環境に落ち着いた。おかげでやる気も効率も上がり、原因となった騒動の頻度も十倍は上がった。

 それまで二課なりに遠慮していたのだと知った軍本部は、泣いた。

 

 上層部の血と涙の末生み出された距離を、今日はのんびり歩いて向かう。いつもと違うのは、隣をアンが歩いていることだ。見慣れた日常にアンがいると、何だか不思議な気持ちになる。

 ここ数日、今までと比較すれば数年分の感情が動いた。その疲労は確実に溜まっているけれど、何だかずっと浮足立っていて、疲労が追いつく前に走り去っている気分だ。

 何せ、アンがいるのだ。ついでにお父さんもいる。

 聞きたいこと、話したいこと。それらをすぐに伝えられる距離に家族がいる環境って、こんなに心が浮足立つのだと、昔の私に教えてあげたい……いや、駄目だ。昔の私が知ったら、次にお父さんとアンがいなくなったら立ち直れない。

 今の私でさえ危ういのだ。昔の私なら絶対無理だ。


「アンが自分の色に無頓着だったの、いろんな色があって説明が難しかったから?」


 どうでもよかったからが理由の可能性が非常に高くても、本人の口から聞くまでは確定してはならぬ。

 それは人付き合いの中でとても大切なことだと思っている。


「どうでもいいから」

 

 たとえ九割以上この答えが返ってくる気がしていようとも。


「それと、面倒だった」


 聞くたび、どんどん酷くなっていこうとも。


「アンにとってはどうでもよくても、他の人にはどうでもよくないことは多々ある気がする……」


 しかし個体差がある以上、どうしたって得手不得手が存在する。アンが苦手な部分は私が補っていこう。まずは、失礼をしでかした相手への菓子折り店候補選出から始めようと思う。



 二課への道程には、軍部の中でも人通りが多い場所を通る。ここは様々な施設からの通路が重なり、どこへ行くにも通過地点になることが多いので、大勢の人間が邂逅する場所の一つだ。

 巨大な柱が何本も天井へ向け伸びている吹き抜け構造となり、壁の一部はガラス張りで外の様子が見て取れる。天気確認でしか使用されてこなかったのは、戦火が王都まで届かなかったからだ。


「ミント!」


 雑踏と変わらぬ騒がしさの中、よく通る声が私を呼んだ。

 視線を向ければ、ロニとディアが人の間を器用にすり抜けて走ってくるところだった。


「おはよー……おそよー?」


 通行の妨げにならぬよう壁際まで移動し合流した二人は、私の顔をまじまじと見つめる。


「おはよう、ミント。二課が襲撃を受け、負傷者が出たと」

「そう! 見て! 首と手!」

「うわぁー。痛そ。ミント可哀想―」


 掌を開き、ぐいっと顎を上げれば、自分の皮膚が突っぱねた感覚がある。そういえば、手当ては誰がしてくれたのだろう。アンだったらどうしよう。どうもしないし、どうしようもないけれど。


「ミント、無事でよかったねぇ」


 大きく広げた腕で、ディアは私を抱きかかえた。ディアとは少し身長差があるので、私はディアの胸に頭を寄せる。その頭へ、ディアは顔をうずめた。夜勤前にお風呂に入っていてよかった。


「王宮魔術師がきな臭いのとぉ、軍部の人員総洗い入ったんだってぇ。何探してるんだろうねぇ」

「そう、だね」


 王宮魔術師に通じた軍人は、見つかっても見つからなくても、何だかやるせない。


「教えてくれてありがとう。ちなみにどこ情報?」

「うふふー……昨日夜をご一緒した殿方―」

「ほどほどにねー」


 ディアは、いろいろ奔放なのだ。ロニは無言でその腕を振り上げ、見事な軌道で振りぬいた。


「いったぁー!」


 ディアの背中から、ロニの掌が張りついた元気いっぱいの音が響き渡る。


「ロニ、痛いんだけどぉ!」

「そういう遊びは控えろと、いつも言っているだろう」

「いつもあたしから誘ってるんじゃないよー」


 ディアはのんびり笑うも、ロニはいつも通りきちっと一つに束ねた髪をふわりと揺らし、眉間に皺を寄せた。


「受けたら一緒だろう。そんなに暇なら、私と遊べ」

「やったぁー、ロニと遊ぶほうが楽しいに決まってるじゃーん。うれしー」

「え、私も混ぜてほしいんだけど」


 突如決まった羨ましい約束に、慌てて首を突っ込む。


「当然だ」

「ミントは強制参加―」

「あ、拒否権がないだけだった」


 驚きと納得で頷いた後、三人同時にわっと笑う。

 ロニもディアも大人っぽくなったのに、こうして笑えば一息に幼く見える。なんだか学生の頃に戻ったみたいだ。人と冗談を言い合う関係を、冗談で壊れないと思える安心を。

 私に教えてくれたのはこの二人だった。

 ひとしきり笑った後、ロニは不意にアンへと視線を向けた。


「ところで、どうしてアンペロプシスがいるんだ」

「え? 今?」

「気にはなっていたが、お前のほうが大切だった」

「うーん。惚れそう」

「お前なら大歓迎だ。どんどん惚れてくれ」

「嬉しい。けど遠慮しとくね!」


 何せ私は人妻だ。ロニに惚れてしまえば、巷で大人気、十六角関係の男女が織りなす血みどろ恋愛小説、『泥沼れペガサス』のようになってしまう可能性が無きにしも非ず。

 その手の小説はロニが好きなので、以前貸してくれて全巻読んだことがある。全部読んだのだが、登場人物が多すぎて未だに主人公の名前を憶えられていない。

 ちなみにディアは「こういうのは非日常を楽しむもんだからねー。現実と似たようなものだと現実でいいやーってなっちゃうかなー。現実に反映できるものは、料理本があれば充分~」だそうだ。

 泥沼れペガサスは、意外と身近に存在するのかもしれない。ならば尚更気を付けよう。

 何せ私は人妻だ。なんでか知らないけど私は人妻だ。どうして私は人妻なんだろう……。


「アンペロプシス!」


 私が私の属性に疑問を抱き始めた頃、よく通る声第二段が響き渡った。

 ロニの声は張りがあってぶれのない、腹の底から出される安定した声だ。今回の声は甲高く、通常の音域からひっくり返った声音が雑踏の音を貫通してきた。


「おや、エーヴァだ。エーヴァ、おはよー」


 通行する数人にぶつけた肩を謝罪しながら、息を切らせたエーヴァが私達の前に現れた。


「お、はよう、ディア……」


 エーヴァは視線を彷徨わせ、アンと私を交互に見た後、困ったようにロニとディアへ向けた視線を、再びアンへと固定する。そして、固く強張った頬を無理やり動かすような笑みを作り上げた。


「おはようアンペロプシス。もう任務に出されてるって聞いたよ。疲れてるのに大変だね」


 声が高く、口調も早い。それは好ましい相手への緊張と高揚だけが理由ではなさそうだ。


「問題ない」


 おはようを返していないので問題だが、エーヴァはアンにそっと体を寄せた。


「あのね、アンペロプシス。アンペロプシスは知らないかもしれないけど、軍部では結婚していない男女は、その、ね、官舎で一緒に泊まっちゃいけないの」


 結婚している男女であり、心象的には一緒にいたねという話はした。だが、夫を締め出し自分だけ寝台で眠りこけたという事実が、軍の規則に反しているかは謎が残る。反しているのは倫理だ。

 それはそれとしてどう説明すべきか。

 ある程度の誤解は覚悟の上で、朝食を共にしようと部屋に招き入れた。そもそも私は、相手がアンなのであればどんな苦労も厭わない。アンへの盾になれというのなら喜んでなったのに、こうなってしまってはお父さんの策がまどろっこしく感じてしまう。

 アンに好意を抱いているらしいエーヴァに対し、できる限り嘘や誤魔化しの混ざらない説明をした上で、誤解を解くための説明を組み立てなければならない。任せてほしい。苦手分野だ。

 そんな私の気持ちを汲んでか、アンが先陣を切ってくれた。


「問題ない」


 問題しかない。何で先陣切ったんだ、この人。


「大丈夫、私の両親は軍部の風紀を取り締まる任に就いているんだけど、アンペロプシスはこっちでの規則を知らなかったんだって言っておくね。そっちの人は、罰則回避は難しいんだけど……」


 エーヴァの手が、そっとアンの腕に触れる。


「力不足で、ごめんね……」


 み、皆の者―! 喧嘩だ―! 出会え出会えー! 

 突如開催された、泥沼れペガサス大お得市。これはお買い得! 家計のやりくりには節約が大事。良妻を目指すのならば買っておかねば。

 まずは何を言えばいいのだろう。この泥棒猫、だろうか。この段階では早計な気がする。エーヴァからすれば、むしろ私が泥棒猫の立ち位置だ。


「えーと……久しぶりだね。覚えてるかな。私、ミント。ミント・アベルジア」

「ああ、久しぶりで気づかなかった。仲良いロニ達はいたのに、ミントだけ戦場にいなかったから」

「私は二課配属だったから」


 二課は基本的には裏方仕事なので、基本的に出征しない。純粋に足手まといだからだ。

 エーヴァは顔の片方だけを歪めた笑みを、私へ向けた。


「戦場に出なくていいし、さすがミント、要領がいいね。学生の頃からそうだった。男子から嫌がらせされたら、それを武器に学年一人気の男子味方につけて。私、すごいなぁって思ったよ」

「本当にいい人だったよね。元気にしてるかなぁ」


 ロニとディアに出会っていない頃で、人の優しさと物騒サンドイッチが心に刻み込まれている。

 彼は同じ班で、魔具作りが趣味同士で話が合ったものだ。そんな彼も、二課に配属されている。彼は南部の出だったので、そちらの軍部で二課らしく二課をしていることだろう。

 そうか。彼は学年で一番人気があったのか。確かに、明るく気のいい人だった。つまり南部の二課では、他課との交流に駆り出されていると見た。クラスでも中心にいるような人だったから、きっと大丈夫だ。大丈夫であれ。


「……そういえば、アンペロプシスの隊長はミントのお父さんだったね。なに? お父さんにねだってアンペロプシスを派遣させたの? 隊長命令じゃ逆らえないもんね」


 言われてみれば、確かにお父さんの指示だし、仲を取り持ってもらったと言えばそうだ……いったん落ち着こう。

 アンは、今のところ私との結婚を嫌がっている素振りはなく、良好な人間関係を築こうとしてくれているように見える。よってこれは権力による人権侵害結婚ではない。と、思う。


「違う」

「な、何が!?」


 鉄壁の沈黙を貫いていたアンが重い口を開いたかと思えば、謎の否定である。私の脳内を読んだとは思えないが、「人権侵害結婚ではない」にかかった否定だったら立ち直れない。


「俺はミントの護衛だ」


 どうやら人権侵害結婚についてではなさそうだが、それはそれとして絶妙にエーヴァのどの言葉も否定していない。

 つまり、私がお父さんにねだってアンを護衛にしてもらった職権乱用疑惑は、特に何の支障もなく絶賛疑惑の判定中である。


「二課が夜に襲撃を受けて、二課に対してルクトス隊がつくことになったんだよ」


 慌てて何の脚色も加えていない純然たる事実を説明した私を、エーヴァがじとりと睨む。


「へぇ……でも、護衛はアンペロプシスじゃなくてもいいんじゃない?」


 それはそう。


「駄目だ」


 そうでもない。


「ど、どうして?」

「駄目だからだ」

「……私には、教えてくれないんだね」


 切なげに微笑み、寂しそうに呟くエーヴァには、儚い美しさがあった。そんなエーヴァに伝えたい。

 別に私にも教えてくれたわけではないということを。







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泥沼れペガサス、気になる…。翼があっても飛べないよ…。
この、泥棒猫め!!
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