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私的徒然草  作者: 半信半疑
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070 ノリ に ついて

 糊である。海藻で作る海苔ではない。言葉の音が似ていることは、その性質が似ているからだという説がある。海苔の場合は、ヌルヌルするという意味の「ヌラ」がなまったもの、水に濡らすとピタッと張り付き糊のようだから「ノリ」、という二つの説がある。つまりは、糊があったからそれに端を発する語なのかもしれない。「糊」という字は、米と胡で出来ている。音符の胡は、ぼんやりとしている様子を表す擬態語で、米粒がぼんやりしていて見えないので「のり・かゆ」の意味を表すらしい。「曖昧模糊」という字を見れば、分かりやすいかもしれない。


 私がまだ幼稚園児だった頃、周りの誰もがでんぷん質の糊を使っていた。あの白い糊である。指で塗りつけることのできる、あの糊である。幼稚園であの糊が使用されていたのには訳があって、曰く口にしても人体に害が無いかららしい。幼いゆえに口に入れてしまう子どもらを心配した、大人たちの心遣いだった。実際、誰かがでんぷん糊を口に含んだかどうかは定かではないが、先生たちも少しは安心して職務に励んでいたのかもしれない。


 小学生に上がる頃には、でんぷん糊は卒業し、新たにアラビックノリを使い始めた。べっこう飴のような液体と赤いキャップが印象的なノリだ。でんぷん糊とは違って、手を汚さなくていいというところが素敵。まぁしかし、塗る液体の量が多くなると、紙に滲んでしまうのがつらかった。塗った後がべっちゃべっちゃになったのを見て、大変悲しくなった思い出が何回かある。


 他には、乾燥した後に接着面を見ると、紙が歪んでいたのが気になった。乾くうちに収縮したのかもしれないが、私はあれが気になって仕方がなかった。たまに液体が容器から漏れ出ていて、筆箱の中がカオスになっていたこともある。そんな時は、面倒だ。水で洗わなければならない。それでもきちんととれたのか不安になったりもしたんだけれど。


 小学生時代は、アラビックノリの台頭が目についたが、その裏で密かに使われていたのがスティックノリである。底のつまみをちょいちょいと回すと、先端からにょきにょきノリが顔を出す仕組みの奴だ。あいつは良い。凄く良い。今でもお世話になっている。何より、べたつかないのが高得点だ。液体ではなく固体に近いのでべちゃべちゃになることも無い。


 しかも、スティックノリは塗りつける強さを調節しなくとも均一に塗ることができる。小学生にはむしろこちらの方が合っているのではないか? 細かな調節を行うには、手先が器用でないといけないし、大雑把にしかできない小学生にはスティックノリの方が合っていると思うのだが。いや、わざと調節が必要な物を使うことで、器用になるようにしている可能性があるな。でもストレスたまると思うんだけど…。


 でんぷん糊にしろアラビックノリにしろ、どこかはべたついてしまう。でんぷん糊はその使用法が最適であると思うし、アラビックノリは容器に入れてべたつく可能性を減らしていたので、それぞれ良いと思うのだが、成長するにつれて汚れを嫌うようになった私には、スティックノリが一番性に合っているような気がする。まぁ、個人的な好みにしか過ぎないので、聞き流してほしい。


 米粒をノリ代わりに、というのを私はしたことが無いが、どんな感じなのだろう。想像するに手元が汚れるのは間違いない。粘つかせる必要があるからね。けど、粘着性は低そうだ(勝手な感想だが)。他に何も無かったら、代用として使うかもしれない。進んで使おうとは、まぁ、思わない。それは、貧しい感じがするとか、そういう理由ではない。米粒はあくまで食べ物だろうという考えがあるからだ。ノリはノリで、文房具の類のように思う。区別の線を引かないのならば、その境は際限なく広がっていくことだろう。変な考えだが、私には重要なことであった。


 以上が、糊に対する今現在の、私の思いである。


参考文献・サイト

・『新漢語林』初版第七刷 2010年4月1日 鎌田正/米山寅太郎 大修館書店

・のりのりキッズ >海苔の名前の由来

http://www.nori-japan.com/kids/tosyokan/omoshiro/5.html



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