069 しょうが に ついて
独特の匂いがする生姜を、一番最初に口に含んだ日というのは、全く記憶にない。大体のものに対する初めての日は記憶に残っていないので、それと同じことかもしれない。おそらく、知らない内に食べてしまっているのだと思う。生姜そのものを味わうというよりは、何かの備え付けというような形で、生姜を食べている気がする。実際我が家では、茹でたほうれん草にかけるタレに、すりおろされた生姜をまぜている。醤油とすりおろし胡麻と共に混ぜるのだ。胡麻の香ばしい匂いも良いが、生姜の匂いも全体を引き締めている感じがして良い。しかも万能のタレなのである。様々なものにかけても良い。主に野菜に合う気がする。
他にはそうめんのつゆに生姜を入れる。わさびを入れるという人もいるだろうが、私は生姜派なので、生姜を入れる。すりおろす手間をかけず、チューブに入っている生姜をひねり出すだけでいいというのは、簡単で良い。手も汚れないし、おろし金も必要ない(技術の進歩万歳!)。これを考えた人に拍手喝采を送りたい気分である。
さて、そのチューブからぽちゃんとつゆに落とした生姜の一団を、箸で優しくかき回していると、ふわっと全体に広がり、そこだけ雪景色だ。奇妙な雪景色だが、こちらの景色には食欲をそそられる。一瞬で落ち着く降雪である。積もるか積もらないかの瀬戸際で、私はそうめんをつゆにつける。そして、すする。そうめんに絡みついた生姜たちが口の中で心地良い刺激となっていくのが分かる。匂いが鼻から抜けていく頃には、すでに次の麺をつゆにつけているだろう。それは、器に盛られたそうめんが完全に消え去るまで続くのだ。
生姜に関する昔の出来事で一番印象に残っているのは、マラソン大会後の生姜湯だ。あれは冬の日に行われたマラソン大会だったと思う。走り終えたランナー全員に渡されたのだったか、そこは定かではないが、私の手には生姜湯の入ったコップがあった。出されたものは飲まねばならぬ。私は口に含んだ。それまで一度も生姜湯を飲んだことが無かったから、わずかな期待と共に飲んでいたわけだが、一口含んだだけで、私は吐き出したい気持ちでいっぱいになった。生姜湯を好きだという人には申し訳ないが、当時の私には合わなかったのだ。だとしても、出されたものを残してはいけぬという精神で何とか飲み干した。できれば今後、あまり口にしたくはないなと思ったことが、強く印象に残っている。
少し話を変えると、生姜というのは、いろんな効能があるらしい。先の生姜湯も、走り終えた後に冬の寒さで体を冷やしてしまわぬようにという配慮から配られたものだろう。体を温める以外にも生姜の効能はあって、それは以下のような感じになる。
・血管拡張
・腸の運動促進
・胆汁分泌の促進
・抗酸化作用
・鎮痛作用
などなど…
成分としては、「ジンゲロール」「ショウガオール」「ガラノラクトン」などがあるという。前二つが辛み成分で、後ろの一つが香り成分。ちなみに生姜を加熱することで、「ジンゲロール」が「ショウガオール」に変わるらしい(関係ないことだが、一瞬、ポケ◯ンの進化を思い出してしまった。特殊進化型だな)。調理の仕方を工夫する必要があるということだね。
マラソン大会時よりは、まだ生姜を摂取することができるようになった気がするが、それでも生姜湯は敬遠したいところではある。生姜シロップというものがあるらしいが、そちらはまだ口にしたことが無い。ぜひ食べてみたい。まぁ、期待を込めすぎると奴の二の舞になってしまうから、注意しておこう。生姜は体に良いらしいから、普段から少しずつ摂るようにしたいな。医食同源の考えは大事だ。そう言って、ジンジャーエールをがぶ飲みする未来が少しだけ垣間見えたのは、内緒のことである。
参考サイト
・しょうが大好き! しょうがの鬼
http://2soyokaze.com/kouka.htm
・免疫力を高める食べ物、生姜の効能効果
http://kenkou-tabemono.info/index.php?%E7%94%9F%E5%A7%9C%E3%81%AE%E5%8A%B9%E8%83%BD




