表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただの召喚士(本人自称)  作者: 進夢 ロキ
第3章 ダンジョン攻略
42/52

三十八話 球体の秘密を求めて

更新が遅れて大変申し訳ありません。

最近遅れてばかりですみません。

「……っしゃぁー! 終わったぁー」


  と、目元にクマができた状態で、椅子をゆりかごのように傾け、頭に両手を回し、達成感を味わうように、その言葉を吐き出すリョウ。

  時刻は、まだ暗いが明け方で、彼は昨日の朝から起きっぱなしだ。

  狭い宿の一室の中、何故彼がこのような時間まで起きていたかというと、それは言うなれば、研究、開発だ。

  その証拠に、彼の机の真ん中には、長方形の赤い札があった。

  これは、呪術札。

  リョウが、今より強くなる為の札。


「ーーっと、……こいつはかなりデカイぞ、使うのが楽しみだなぁ」


  赤い札を両手で持ちながら、今日行うであろう戦闘に夢を膨らます。

 

「……ふぁぁぁあっ、眠っ、死ぬ……」


  と、気づいたら、徹夜をした後の、あの頭がすっからかんになったような感覚に襲われる。

  足元も、フラフラで今にも倒れそうだ。

  ひとまず札を机に置き、フラフラと、危な気に歩きながら、ベッドに勢いよく倒れ込み、そのまま眠ってしまった。


  それからリョウが目を覚ましたのは、地球で言う、午前と午後が入れ替わる時間帯だった。

  おもむろに状態を起こし、鏡を見る。

  黒髪がボサボサだった。

  クマは治ったが完全とはいかない、だが、よく見なければ見えない程度だ。

  街行く人達にはバレないだろう。

  洗面台に行き、桶に溜めておいた水で顔を洗う。

  桶に溜めておけば、いちいち汲みに行くことはないので便利だ。

  完全に意識を覚醒させ、リョウはローブを羽織って部屋を出る。

  フロントに時間をかけて外出をする確認を取り、食堂へ向かう。


「おっと、サクラ忘れた。あいついっつも起こしにくんのに、今日はどしたんだろう」


  道中、頭を掻きながら、そんなことを思い出す。

  サクラは、いつも朝早く、リョウを起こしにくるが、それは、前に父親に何度かやっていたことだ。

  ちなみに、彼女の父親が死んだ日には、たまたま父親が先に起きて外出をした。

  父親が死んでしまった今では、こうして毎朝、リョウを起こしに来ている。


「……うーん、ま、あいつのまず飯食うぐらいなら、起こさない方がいいな」


  苦笑しながら言う。


  余談だが、彼女に内緒で、彼女に料理を教えているリンダという女性に、「なんちゅうもん食わせんだ!」なんて文句を言いに行ったところ、「まずは自由に料理させることで、料理を作る楽しさを味わってもらうの」と、和やかに微笑んでいた。無論、「いやあれはマズすぎだわ! 昇天しかけたわ!」と、怒鳴った。

 

  と、てくてく歩いてるうちに食堂についた。

  ちなみに、リンダが経営している食堂だ。

  ここならギルドにほど近いので、便利だ。

 

「いらっしゃいませ……あら、スバルくん、いらっしゃい」

 

  リョウのリョウという名前は、軽く言いふらしたら惨事になるので、サクラ以外には言っていない。ナビどらごんにもだ。


「ども、うわ、お客いっぱい……」

「この時間帯はだいたい毎日満員よ。腕がなるわ〜」

「ふーん、まぁ、確かに、リンダさんの料理はどれもうまいからな」

「ありがとうスバルくん。席はここでいい?」

「つっても、そこしか空いてないだろ」

「まぁね」


  リンダがリョウを席まで案内し、席を引く、カウンター席だが、一人でテーブルは使わないので丁度いい。


「リンダさんって、食材の調達とかどうしてんの?」

「えっとねぇ、野菜は朝市で戦争したり、家で育ててるけど、肉や魚はギルドに頼んでるの」

「へぇ〜、あ、んじゃあ、肉欲しい時言ってよ、ちょっくら狩ってきてやるからさ、依頼料なしで」

「えっ? いいの?」

「だけど、その後、無料でハンバーグ振舞ってよ?」

「もちろんよ! その方がお得だしね!」


  実際、ギルドに1000エル、2000エル払って依頼するよりは、リョウが言った交渉の方が、1000エル程度安くつく。


「じゃあ、今日はミートボール定食で」

「はーい」

 

  返事をしながら、リンダは厨房に戻っていった。

  リョウは一息つき、懐からあの黒い球体を取り出す。

 

「……あれ」


  と、ここであることに気づいた。

  球体が以前より一回り小さくなっていた。

 

「……マズイな、早くギルドに出さないと」


  リョウは、時間が経過するうちに球体が黒くなっていった前例を思い出し、それを元に、このまま放置しておくと、いずれ消えてしまうと推測した。


  しばらく待っていると、料理がやっと運ばれてきた。

  色鮮やかなミートボールに、舌鼓を打ち、リンダの腕前に流石だと感嘆する。

  料金を払い、店を出る。

  次の行き先はギルド……といっても、すぐ近くだ。

  ここで、球体の鑑定の依頼ついでに、クエストも行うつもりだ。

  ドアを開ける。


「近くに新しく、『エムズ・ワールド』っていうダンジョンが現れたらしいな。今、調査に行ってるだとか?」

「はい、筆頭にインダルさんを置いたパーティで、現在攻略してます」


  入って目に飛び込んだのは、大剣を背負ったチャラい男が、カウンター台に寄りかかって、受付嬢と話している光景。


「あ、そういや、サクラはダンジョン行ったんだっけ」


  リョウは、研究に夢中になりすぎて、すっかり忘れていた。

  退院したばかりなのによくやるもんだと感心し、男と受付嬢の話を小耳に挟みつつ、珍アイテム鑑定嬢へと向かう。

 

「インダル!? まさか! あのインダルか?」

「はい、コードネームヒドラ、冒険者ランク183の凄腕、インダル・ボアホスさんですよ」

「うぇ〜、マジかぁ。オレあの男見たことあるけど、あの覇気には耐えられんわ」

「ですよね。私も初めて見た時、怖くてたまりませんでした」

「へぇ〜、ホロアちゃんが? え〜その時のホロアちゃん見たかったなぁ〜」

「クエスト、受けるんでしょう?」

「ハイ無視ね。分かりません。……ところでさぁ、エムズ・ワールドって名前ダサくない?」

「……うーん、私も、はっきり言ってダサいなぁ、と」

「だよねだよね、その名前つけた人誰よ」

「ガイっていう人ですが」

「じゃあそいつに言ってやれよ、あんたネーミングセンスねぇなってさぁ!」

「……考えときます」


「……まぁ、俺もダサいと思う」

 

  素直な感想を口にしながら、鑑定嬢の鑑定を待つ。

  見ると、なにやら鑑定に手こずっている様子だ。

 

「……くっ、アタシに分からないものがあるとは……」

「……やっぱわかんないんのか?」

「あぁ、ただの宝石かと思ったらそうじゃないみたいだ」と言いながら、ルーペを使って球体の細部まで見ようとする。

「こいつ、おかしい、中でなんかが動いてる。心臓みたいにな」


  鑑定嬢は、球体をリョウに返す。

  すると、舌を打って、目をそらしながら言った。


「アタシ程の鑑定嬢で分からないんなら、悔しいが、ルッガっていうおっさんに頼むしかねぇ。あのおっさん、ドワーフで、長生きしてんだ。だからなんか知ってっかもしんねぇ」

「ドワーフ? ンママ村か?」


  ドワーフの多くは火山の頂上付近に住んでいる。

  この大陸の火山は一つしかない。

  イワスノウィ・マウンテンという、雪の街イワスノウィの、ほぼ隣に位置する火山だ。

  そして、その火山の頂上付近には、ンママ村という、小さな村が存在する。

  だが、鑑定嬢は、首根っこを掻きながらリョウの言葉を否定する。


「いいや、違う。あのおっさん、変態だからさ、魔物が大好物なわけよ。だからなんと、あるダンジョンの最深部に住んでる」

「ダ、ダンジョン? 正気か?」

「アタシも聞いたときゃ、びっくらこいたよ。なんでも魔物を飼いならしてるだとか。だから、そんな危険なとこに住めてるってわけさ」

「へ、へぇ。変わってんなぁ」


  ちなみに、リョウが召喚しているユニコーンやサラマンダーは、精霊なので、魔物ではない。

  その上、契約というものをしている。

  召喚獣達を、飼いならしているわけではない。

  ので、リョウもさすがにその事には驚いた。


「で、そのダンジョンってのは?」

「『悪夢の巣窟』。結構な難易度のダンジョンだ。あんた、いけるか? ランクは?」

「99だ」

「それならなんとかなっかもだな。……さて、アタシの役目はこれで終わり、あとは受付嬢に頼みな」

「あぁ、ありがとな」

「いいってことよ」


  笑顔で手を振る鑑定嬢を後にして、次はクエスト受付嬢のもとへ向かった。

  受付嬢とチャラい男は、まだ話をしていた。

  リョウはこの男はナンパでもしているのかと、迷惑そうな目で見た。


「仲良くしてるとこすまないが、ちょっといいか?」

「あ、はい、スバルさん……ですね」


  言いながら、受付嬢は書類をパラパラとめくりながら言う。

  ギルドの受付嬢は凄まじいと、リョウは思う。

  なんせ、世界に幾多といる冒険者の名前と顔を、きちんと覚えているからだ。

  この世界に転生する前に、よくやった、MH(モンスターハンティン)のゲームでは、ギルドカードがあった。

  この世界には、そのギルドカードが無いのだ。

  つまり受付嬢が、冒険者の名前を全て覚えているのだろう。

  いったいどこでどんな訓練をすれば、こんな凄まじい記憶力を持てるのだろうと、リョウは何度も気にかけたことがあった。


「お、にいちゃんクエスト受けんの?」


  先程まで受付嬢とおしゃべりしていた、大剣使いのチャラい男が、初対面のリョウに馴れ馴れしく話しかける。


「あぁ、お前は?」

「オレはザルゴ! 今からランク100にするためにさ、なんのクエにすっか迷ってたとこさ」


  親指で自分を指差しながら、ニカッとガッツポーズするザルゴ。


「へぇ……俺はスバル」


  ザルゴが先に名乗ったからには、リョウも名乗らなければならない。もっとも偽名なのだが。

  受付嬢に首を回し、目的を伝える。


「これからダンジョンに行くんだけど、『悪夢の巣窟』ってどの辺?」

「悪夢の巣窟……ですか、それなら……」


「ちょっとちょっとちょっとちょっと!」


  受付嬢が、悪夢の巣窟の場所を伝えようとしたところ、それを声で遮って、ザルゴがリョウの肩に手を置く。

 

「な、いきなり何?」

「スバルっちダンジョン行くの? しかも悪夢の巣窟だって?」

「あ、あぁ。それが?」

「いいじゃん! 決めた! 俺もそこ行く! スバルっちと一緒に!」

「は、はぁ?」

友達に読みづらいと指摘されたので、改行を多めにしてみました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ