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ただの召喚士(本人自称)  作者: 進夢 ロキ
第2章 ナルーガ王国の異変
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二十一話 龍と竜の咆哮

更新が大幅に遅れてしまってすみません!

戦争(ゲーム)…?」


ナルーガは、現在先程まで、巨大な巨大な、山の様なドラゴンから、先ほどと比べれば可愛いくらいに小さな、人間サイズほどの身体だが、人間を殺害しているドラゴンと対峙している。


「ゲームだよ。これだけ腕利きの奴がいるんだ。攻略のしがいがあるよ」


ドラゴンが、腰に手をおき、そう言った。

その時、先程までナルーガの隣にいた、パイスなるものが、いつの間にかドラゴンの前まで移動し、激しい金属音が響いた。


「反応した…だと?」

「当たり前じゃん、オイラ、君の動きも、君がこれから何をしようとしてるかもわかるよ」

「ッ!?……き、貴様…」

「驚くのも無理は無いよ〜」


彼らは、つばぜり合いをしていて、剣や手がぶつかって押し合い、震えている。


「お前は…何者だ…?」

「オイラ?…オイラは、刺激を求める者」

「刺激?」

「そう、刺激。いつも刺激を求めて封印されては戦ってる。自分と互角、もしくはそれ以上の実力者求めて…ね」


その、人間サイズのドラゴンは、抑えていた力を少しばかり解放し、パイスの刃を押し切る。

押し切られ、体勢を崩したパイスは、ドラゴンの強烈な横蹴りをくらい、6メートルほど吹き飛ばされ、地面に背中を強打し、吐血。そのまま気絶する。


「まぁ、ミュラって呼んでよ!」

「ジジイっ!…野郎ォっ!」


その光景を見たトーガは、ガルクに憤怒の表情を浮かべながら向かって、大きく跳躍し、上から攻める。

が…


「お前、弱いしつまんなそう…シネ」


ミュラは剣を投げ、トーガを串刺しにし、それを、大きく跳躍して取り、地面に向かって真下に投げ捨てた。

トーガが刺さった剣は、一直線に地面に突き刺さり、肉塊に深く突き刺さる。

ミュラは着地し、振り返り、剣に向かってゆっくりと歩き、剣にジャマなものがついていたので、それを踏んで剣を抜き取り、剣についた血を舌でなめ、言う。


「僕を楽しませる事ができる人だけ来てよ。

…これじゃあクソゲーだよ」


その言葉を聞いていたナルーガは…


ーーこいつ、夕食(ディナー)でも楽しんでるかのようだ。


密かに戦慄した。だが、それ以上に怒りを覚えることになる。

刀を握る手に力をこめ、歯にギリギリと力を込めて噛みしめる。


「くっ!アァァァぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「ん」


ナルーガは、誰もが恐怖を覚えるような表情でミュラに向かって走っていき、対するミュラは、まだ、剣についた血を舐め続けている。刀を正面に振り下ろし、ガルクの背中に一撃を与えた、そう思われたが…

辺りに響くのは、金属音。


「ッ?!…爪!?」


ナルーガのその一撃は、ガルクが差し出した二本の爪で防がれた。

爪は、通常の爪より8倍は伸びている。いや、()ばしている(・・・・・)


「うん、力は強いね、でもそれだけだね。もっと鍛えればいい刺激になりそうだけど…今の段階じゃあまだまだだね」

「…ッ!」


ーーーふん!


と、少しの力を解放してナルーガを押し切ると、ミュラは血をまだ舐め続ける。


「あんま油断しない方がいいよ」

「ん?」


ナルーガは親指と中指をこすった。


爆発(エクスプロージョン)


パチンーーー


ミュラの爪が、申し訳程度だが十分な爆発をする。ミュラの爪が弾け飛び、その様子を、当の爪の持ち主はポカンとして見ていた。

やがて、彼は今起こった事をやっと理解して、ニヤリと笑う。


「前言撤回だネ」

「でしょう?」


刹那、ミュラは高速でナルーガの前に移動し、剣を振るう。

剣と剣の壮絶なぶつかり合いに、相応の金属音と火花が起こる。


ナルーガはその衝撃に耐えられず、吹っ飛ばされながらも斬撃をふるい、空間に傷を入れる。今回は範囲が広いので広範囲かつ威力のある爆発が狙えそうだ。


ミュラは追撃するため、猛スピードでナルーガまで一直線に前進するが、ナルーガが指を鳴らし、爆発に阻まれる。


ナルーガは地面に向かってローリングして着地し、爆発した事を確認するが、確認する暇など無く…


「くわっ!?」


目を瞑る程の衝撃が腕に刺さり、追ってきたミュラとつばぜり合いをする。


「へぇ〜、あれって、空間も斬れるんだね。僕、きみとその剣に興味が出てきたよ」

「くっ!…ぅう〜うぅうっ!」


ナルーガは片目を瞑りながらも全力をだすが、ミュラの力には到底及ばない。

しかし、ナルーガも黙って吹き飛ばされるわけにはいかないのだ。


「苦しいだろう?辛いだろう?そうそう、この表情を、この表情も僕の楽しみなんだ! これだから封印されてでも見る価値がある!」


ナルーガは全身全霊の力をふるが、押しきれる感じがまるでしない。

そこへ…


「おい!にいちゃん! ちょいとそこどきなぁっ?」


衝撃波が、しっかりと具現化された衝撃波がミュラに飛んでくる。

態勢を崩したミュラは、ナルーガに競り負けて退く。


「邪魔すんなよお前ぇ!今こいつと()ってんだよぉ!」

「刺激が欲しいんだろ?なら俺と戦え!」

「シネェェッ!」


タイガに戦闘を邪魔され、怒り狂ったミュラは鬼の様な表情で剣をふるい、対するタイガは、それを全て受け止め、時には促す。

タイガは怒り狂った狂戦士の対応を知っている。

だが、ミュラの攻撃は、他の狂戦士よりは一撃一撃がだいぶ重く、剣と剣がぶつかり会うたびに腕に電気ショックが走っているような感覚にみまわれる。…骨にきてるか…?


「死ね死ね死ね死ね死ね死ね、死ねよぉっ!」


ミュラは猛虎のように剣をふるい…いや、猛虎じゃない…

こいつは龍、小柄だが龍。

ーーーヴリトラ………


「うっ!?」


これまでにない重い衝撃が、刃から全身に迸り、吹き飛ばされる。

なんとか態勢を保つが、何か手を打たないと持ちこたえられそうにない。


ーー次きた時は…振らないと……


剣を振り、その軌道を具現化してから発射しないと、ミュラに効くようなダメージは与えられない。

そのためにも、きちんと剣を振らなければならない。

しかし、ミュラの動きは速すぎて、到底視認できるわけではない。

遠距離攻撃を当てようにしても、標的が自分なのだからすぐに追いつかれる。


ーー視認できないのなら…


持ち前の動体視力を使って…


一対一の、剣と剣との弾かれあいだっていうのに、目を閉じる。


ーー見える。


ミュラの一撃を受け止めながら、思考を加速する。


ーー次は、左から右へ…


ミュラの剣が何処へと軌道を描くかだけで、ミュラの動きを把握し、剣を、態勢を低くして避け、空いた腹に…


ーー斬撃をぶち込む!


タイガのその一振りは、ミュラを見事に斬り裂いた。ただ、傷は浅い、あまり斬れていない。


「なっ!?」

「そこッ!」


斬撃の軌道を具現化し、ミュラの腹に飛ばす。

その、斬撃波は、見事にミュラに直撃し…


「っ!?何ィッ!?」


ミュラの腹は真っ二つに斬れ、赤い噴水が噴出する。

ミュラは血を抜きながら、宙をまって、不快な音と共に地面に落ちた。


「まだ…!オイラはまだぁっ!」

「殺したりないって?ごめんねぇ〜、殺しちゃった」


絶望するミュラの半身を見て、タイガはゲスい顔で言う。


「す、すごい…」


ナルーガは感心する。

何故なら、あのドラゴンを…

あのドラゴンを、ミュラを倒したからだ。


「まぁ、こんなもんよ」


タイガはニッと笑い、ナルーガに言った。


しかし…


どうやらタイガは、完全に忘れてしまっていたらしい。

まだ、ミュラがただ暴れるだけの脳無し図体ドラゴンの時。

あらゆる攻撃を加えても、その体は再生(・・)していた。

その、肝心な肝心なポイントを、タイガは、いや、その場にいたミュラ以外の皆が忘れていた。

故に…


タイガの腹には、一本の剣が通った。

皮膚を突き破り、内臓を突き破り、また皮膚を突き破り…要するに、タイガはもう串刺しだ。


「ゴフッ……」


口から、何やら絡んだ血を吐き出し、ミュラはまだ剣を抜いていないので、膝を着くようにも着けない。


「話は最後まで聞きなよ?オイラはまだ死んでないって言おうとしたんだよ?」


「……ほざけ…」

「シネ」


ミュラは剣を抜き取り、倒れようとするタイガの心臓を背後から貫いた。

そのまま肉塊が剣に突き刺さりながら、剣先が地面に突き刺さり、ミュラは肉塊を踏んで剣を抜き取った。


ミュラはヤイバについた血を舐め、爪で刃を研いで劣化した斬れ味を取り戻すと、ゆっくりと首を傾け、ナルーガに気持ち悪い笑みを浮かべた。


「さて、続きをしよう?」


ナルーガは、その笑みとタイガを殺されたことに戦慄した。

僕も近い未来にああなるのか…と。


「ああああああああああああああっ!」


ナルーガは悲鳴をあげる。

もう戦う勇気など等に無くしていた。


「はぁ、強いわ強いんだけどさぁ…君、小心者だよねぇ。せっかくいいゲームができると思ったのになぁ。 ……はぁ、仕方ない、悪いけど、死んでネ」


ミュラはつまらなそうな表情を浮かべ、ナルーガの首に剣を突き当てて、そのまま…


「まてぇっ!」


突如、高めの大きい声が辺りに響いた。

女性の声。ミュラとナルーガは声のする方へ振り向く。


バリィッッ!


また突如として、ミュラの背後に落雷が起こる。

当然二人は動揺する。

すると、落雷がした方から、白い何かが現れる。

二人には、あまりよくは見えないのだが、そんな中で唯一視認できるのが…


「ツノ?」


ミュラがそれを視認した時には遅かった。

いきなり背後に馬の様な獣が現れ、ミュラを上空へとはるか高くに上げた。


上空に放り出されたミュラは、態勢を崩していたが、何回転かローリングし、着地する。


ミュラが見たものとは…


雪のように白く、獅子のようなたてがみに、一本の長い角。


一角獣(ユニコーン)!?」


紛れもなくその獣は、ユニコーンの姿形をしていた。

しかも、そのユニコーンに乗っている者もいる。

細身で、とても剣を振るうとは思えない華奢な手に、剣を持った女性…いや、女子。

ふわふわとした髪の毛に、天使のような可愛らしい顔立ちの…


「サクラ…さん…?」


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