表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Forever Local」  作者: こうた
第四章「転落」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/82

第37話「最後の婚活」

二月下旬。



---


ユウスケは駅前のカフェにいた。



---



---


三十七歳。



---



---


独身。



---



---


交際経験は少ない。



---



---


結婚歴なし。



---



---


最近は婚活が生活の中心になっていた。



---



---


焦っていた。



---



---


同級生の多くは結婚している。



---



---


子供もいる。



---



---


住宅ローンの話をしている。



---



---


一方で自分は、


ワンルームアパートで一人暮らし。



---



---


休日は酒。



---



---


スマホ。



---



---


動画。



---



---


そして婚活アプリ。



---



---


それだけだった。



---



---


今日は紹介された女性と会う日だった。



---



---


三十四歳。



---



---


会社員。



---



---


初婚。



---



---


プロフィールを見る限り、


真面目そうな人だった。



---



---


待ち合わせ時間。



---



---


女性が現れる。



---



---


落ち着いた雰囲気。



---



---


笑顔も優しい。



---



---


ユウスケは緊張する。



---



---


挨拶。



---



---


自己紹介。



---



---


会話が始まる。



---



---


最初は順調だった。



---



---


仕事の話。



---



---


趣味の話。



---



---


休日の過ごし方。



---



---


しかし途中から苦しくなる。



---



---


話題がない。



---



---


人生に変化がないからだ。



---



---


趣味は何ですか。



---



---


そう聞かれても困る。



---



---


酒を飲むこと。



---



---


仲間と居酒屋へ行くこと。



---



---


それ以外がほとんどない。



---



---


資格もない。



---



---


特技もない。



---



---


旅行もしない。



---



---


勉強もしない。



---



---


話が広がらない。



---



---


女性は気を遣ってくれている。



---



---


だが空気は分かる。



---



---


難しい。



---



---


そう感じている。



---



---


帰り道。



---



---


ユウスケは一人で歩く。



---



---


数時間後。



---



---


婚活サービスから連絡が来る。



---



---


結果。



---



---


交際希望なし。



---



---


不成立。



---



---


短い文章。



---



---


だが胸に刺さる。



---



---


スマホを閉じる。



---



---


ため息。



---



---


何人目だろう。



---



---


十人。



---



---


二十人。



---



---


もう分からない。



---



---


そして初めて考える。



---



---


相手が悪いのではない。



---



---


自分なのではないか。



---



---


三十代の大半を、


何も変えずに過ごしてきた。



---



---


成長もしなかった。



---



---


挑戦もしなかった。



---



---


その結果が今なのではないか。



---



---


夜。



---



---


河合町の居酒屋。



---



---


ユウスケは一人で飲んでいた。



---



---


カウンター席。



---



---


昔なら隣に仲間がいた。



---



---


今はいない。



---



---


皆それぞれ問題を抱えている。



---



---


スマホを見る。



---



---


グループLINE。



---



---


静かだった。



---



---


そしてナオトが送った資格講習の写真が目に入る。



---



---


羨ましかった。



---



---


ナオトは変わっている。



---



---


少しずつ。



---



---


確実に。



---



---


自分は何だろう。



---



---


酒を飲み、


婚活で断られ、


また酒を飲む。



---



---


その繰り返し。



---



---


帰宅後。



---



---


酔ったまま鏡を見る。



---



---


疲れた顔。



---



---


腹も出ている。



---



---


髪も薄くなり始めている。



---



---


現実だった。



---



---


若くない。



---



---


もう若くない。



---



---


その事実を受け入れられなかった。



---



---


翌日。



---



---


ユウスケは婚活アプリを開く。



---



---


閉じる。



---



---


また開く。



---



---


そして閉じる。



---



---


気力がなくなっていた。



---



---


その頃、


マサルは足の感覚がさらに鈍くなっていた。



---



---


タカシは危険な仕事を続けていた。



---



---


ケンジは刑務所の中で春を待っていた。



---



---


そしてアキラとシンジも、


別の形で崩れ始めていた。



---



---


河合町ソールズ。



---



---


かつて「男気」を合言葉にしていた男たち。



---



---


だが今、


その言葉で救われる者は誰もいない。



---



---


次に訪れるのは、


シンジの酒癖が引き起こす大きな事件だった。



---



---


第38話「酔拳」へ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ