第12話「勉強できない夜」
健康診断から数日後。
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水曜日の夜だった。
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珍しく河合町ソールズから連絡が来ていない。
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ナオトは仕事を終え、自宅へ帰った。
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午後七時。
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机の上には資格試験の参考書。
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カレンダーには試験日。
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残り三か月。
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決して十分な時間ではない。
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しかし間に合わないわけでもない。
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やるか。
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やらないか。
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それだけだった。
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ナオトは椅子に座る。
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参考書を開く。
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第一章。
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第二章。
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第三章。
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少しずつ進める。
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十分後。
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スマホを触る。
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二十分後。
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動画を見る。
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三十分後。
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また参考書を見る。
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ページが進まない。
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昔はもっと集中できた気がする。
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しかし今は違う。
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仕事が終わる。
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疲れている。
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酒を飲みたくなる。
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スマホを見る。
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その繰り返しだった。
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ナオトはため息をつく。
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「なんでできへんのやろ」
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誰に聞くわけでもない。
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独り言だった。
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その時、
スマホが震える。
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河合町ソールズ。
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ケンジ
> 暇や
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ナオトは画面を見つめる。
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続いて、
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タカシ
> コンビニ集合
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シンジ
> 行く
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ユウスケ
> 行く
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アキラ
> 行く
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いつもの流れ。
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いつもの誘い。
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いつもの夜。
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ナオトはスマホを伏せる。
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参考書を見る。
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再びスマホを見る。
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頭の中で二つの声が争う。
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勉強しろ。
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いや、
少しくらいならいい。
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勉強しろ。
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また今度でもいい。
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勉強しろ。
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金曜じゃないんだから。
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少しくらい。
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少しくらい。
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少しくらい。
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その言葉が強い。
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とても強い。
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午後八時。
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ナオトはコンビニの駐車場にいた。
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結局来てしまった。
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自分でも驚かない。
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いつものことだからだ。
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ケンジが笑う。
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「来ると思った」
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タカシも笑う。
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「勉強終わったんか?」
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ナオトは苦笑する。
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「まぁな」
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嘘だった。
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何も終わっていない。
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始まってすらいない。
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缶ビールが開く。
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夜風が吹く。
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男たちは駐車場の縁石に座る。
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高校生の頃と変わらない。
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違うのは年齢だけだ。
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ケンジが言う。
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「俺ら何歳やっけ」
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「三十五」
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シンジが答える。
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「嘘やろ」
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ケンジが笑う。
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「気持ちは二十歳やわ」
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全員が笑う。
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しかしナオトは思う。
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体は違う。
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社会も違う。
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周囲も違う。
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二十歳のままなのは、
成長できなかった部分だけだ。
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ユウスケがスマホを見ている。
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婚活アプリだった。
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タカシが覗く。
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「まだやってんのか」
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ユウスケが苦笑する。
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「全然あかん」
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「会えへんの?」
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「会えても続かん」
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沈黙。
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全員独身。
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全員彼女なし。
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誰も口にはしない。
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しかし共通の悩みだった。
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学生時代は違った。
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そのうち結婚すると思っていた。
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そのうち家庭を持つと思っていた。
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そのうち大人になると思っていた。
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だが気付けば三十五歳。
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「そのうち」は来なかった。
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アキラが缶ビールを見つめながら言う。
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「俺さ」
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珍しく真面目な声だった。
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全員が見る。
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「この前、高校の同級生と会ったんや」
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「誰?」
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「田中」
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ケンジが思い出す。
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「ああ、東京行ったやつか」
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アキラは頷く。
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「子供三人おった」
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静かになる。
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「家も建ててた」
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さらに静かになる。
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「なんかさ」
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アキラは少し笑う。
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「俺だけ十五年止まってる気がした」
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誰も笑わなかった。
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ナオトは胸が痛くなる。
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それはアキラだけではない。
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全員だ。
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全員どこかで感じている。
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だが認めたくない。
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認めた瞬間、
失った時間と向き合わなければならないからだ。
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ケンジが空気を変えるように立ち上がる。
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「まぁ飲もうや」
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またその言葉。
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また酒。
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また笑い。
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また現実逃避。
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ナオトは缶ビールを見つめる。
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本当は今、
家で参考書を開いていたはずだった。
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一時間でも勉強できたはずだった。
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だが自分はここにいる。
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そして来週も。
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再来週も。
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同じことを繰り返す気がした。
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夜は更けていく。
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笑い声が響く。
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しかしナオトの中では、
別の何かが静かに積み上がり始めていた。
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後悔だった。
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まだ小さい。
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だが確実に存在している。
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そしてその後悔は、
この先の人生で少しずつ大きくなっていく。
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第13話「取り残された男たち」へ続く。




