ep14
短いですが、連日の投稿です。
たまたまです。
夕食の準備が進み、その間にティアの状態についての確認が行われた。
ここに来る前はあまり食べていなかったのか、かなり瘦せている。
そして、ぱっと見で傷はないものの腕や足首が少し黒ずんでいた。
聞き取りを行おうにも、俺から聞かないとなかなか答えてくれなかったため最初はもどかしかったが段々と答えてくれるようになった。
生まれつき目が見えないこと、双子の姉と村で暮らしていたこと、森で遊んでいたら魔獣に襲われ危なかったところを強い人達に助けてもらったがその後連れていかれたこと。
そして、気がついたら知らない森にいたこと。
連れていかれたところがどんなところだったかはあまり話したがらない。
おそらく、手足の黒ずみが関係しているのだろうと思うが今は聞かないようにした。
そんなこんなで、夕食の準備が整った。
今日の夕食はパンにスープ、野菜と肉の炒め物にデザートと普通の食事だった。
「さ、今日はいろいろあったけれどまずはアレンが無事だったこと。そして今日もおいしいご飯を食べれることに感謝をして食べよう。いただきます。」
「「「「いただきます。」」」」
アレクシスが声をかけ、みんなが続く。
この世界でも「いただきます」という文化はあるのだ。
豊穣の女神に祈りをささげる教会の文化が、いつしかこの形になったのだという。
「・・・」
ティアを見ると、困惑している様子だった。
皆が食べ始めても、何も手を付けずにただ待っている。
その様子を見て、ミシリアは声をかけた。
「ティアちゃん、おなかすいてない?食べれるものからゆっくり食べていいのよ。何かあれば何でも言ってね。」
そういうと、ティアのそばにいたセバスがパンを切り分け始めた。
食器の音が鳴るたびに、ビクりと反応する。
一口大のパンを渡され、ティアは手探りでそれを受け取る。
受け取った後も困惑していたが、「ゆっくりでよろしいので、ぜひお食べください」とセバスの一言で
恐る恐る匂いをかいだティアは、驚いた表情で固まったがその後ゆっくりと口に運んだ。
一言、「おいしい・・・」とつぶやいて瞑った目から涙を流した。
泣くほどおいしいのだろうか。
村が貧しかったのか、それとも久しぶりの食事だからだろうか。
一口食べた後のティアはゆっくりとだが食べ始めた。
何か食べるたびに、おいしい、おいしいと涙を流しながら。
そんな姿を見て、思わず手が止まっていた皆も徐々に食べ始めるのだった。
皆が食べ終わった後も、ずっと食べ続けるティア。
今まであまり食べていなかったのか、すぐにお腹いっぱいになったようだがそれでも食べようと必死だった。
その様子を見て、思わず声をかける。
「ティア、無理して食べる必要はないよ。明日も明後日も、ご飯は食べれるから。」
「で、でも、残したら・・・」
そうか、残しちゃいけないと思ったんだな。残さず食べようなんて、なんていい子なんだろうか。
「大丈夫、食べきれないものを無理して食べたらお腹を壊しちゃう。ゆっくりでいいんだよ。」
それでも食べようとするティアの手を、優しく握る。
ミューシャも、食べきれないなら私が食べてあげる、と言ってティアの食べかけの皿から自分のところへ取り分けている。
「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・」
そういって、またティアは泣き出してしまうのだった。
ティアちゃん、たんとお食べ。
ちなみにティアの見た目は黒髪に近いグレーです。
肌は褐色ですね。
褐色娘はいいぞ。
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