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3-20 Kの思考③

登場人物まとめ

A[整備班 自動車関係に詳しく体も声もでかいが気弱な所もある]

B[研究班、高齢の女教授で研究以外に興味が無く性格がキツい]

D[研究班、研究肌で声が小さく話す前に少し貯める癖がある]

E[整備班、体躯のわりに運動は苦手だが他は多芸で飄々とした性格の個人主義]

G[偵察班、体は大きいが器用貧乏で非日常を好む変人で親しい人間には語尾を伸ばす癖がある]

K[施設班、工学に詳しく冷静沈着で天才肌なまとめ役] 

O[施設班、少し気弱でオタクっぽいが機械やドローンに造詣が深い] 

P[遠征班、小柄だが朗らかで野外での活動の才能が高く一度見た風景を忘れることが無い] 

S[遠征班、糸目で音楽や文学に詳しいムッツリスケベ] 

T[遠征班、小柄だが自転車が趣味で体力が高い人の好い性格] 

H[遠征班、元学芸員の歴史オタでフィールドワークの経験から重機を動かせ体力もある]

I[偵察班、長身痩躯で極めて性格が善性な人物] 

Sとはあまり接点が無かったが、学生時代に教科書に紛れて間違えてR指定の同人誌を持ってきてしまったことからネタとなり、GやOが接触を図って共に行動するようになった。趣味が音楽、読書で完全な文系で分野が異なっていたが、所謂オタク談義を共にする仲ではあった。

 現在は出版社、もっともこの手の企業はインターネットの普及と『アリゾナ病』による需要の激減で開店休業状態になっていて事実上倒産していたようだが―――そこで編集者として働いており、文書の訂正や速読に慣れている。ただし、現在はその技能を生かすところも無く遠征班として活動している。



 Tは学生時代はバイオ関係の学部であったが、その兄が工学部の先輩であり早いうちから面識があった。人当りも良く、サイクリングから転じてトライアスロンまでこなす快活な男だったが、早々に彼女を作り学生結婚までしていたのは驚きだった。

 研究職の就職はできず、食品関連企業で冷凍食品の品質管理の担当であったが、遠隔地への異動に伴い離婚。今は小柄な体躯だが高い持久力を活かして遠征班として動く。



 Hは完全に文系の男だった。歴史マニアで文学部史学科というとことん趣味に生きる男で、方向性はまるで俺とは違うが見ていて気持ちが良かった。大学の研究室の発掘活動やフィールドワークにも積極的に参加しており、学生でありながらも大学にいないことも多く、懇意にしている教授の働きでなんとか進級していた。天然のパンチパーマで、寝ている時の顔はヤクザみたいであったが、普段は非常に柔和であった。

 地元の博物館の学芸員の枠に入り、史学について興味を深めるとともに伝統文化の保護活動も行っていた。フィールドワークで大型の車両を動かすことにも慣れており、体力もあるので遠征班として働いている。


 

 Iもまた文系の男だ。彼は非常に礼儀正しく、柔和で、怒ったり声を荒げたりするところを見たことが無い。極めて善良で、ボランティア活動を積極的に行い、困った人間にも積極的に手を差し伸べようとする。その上、独善的ではなく押しつけがましいところも無いという驚くべき人物だ。

 福祉関係の仕事をしつつも困っている人間を広く助けたいと司法書士を志して勉学に励んでいる。かなりの痩せぎすではあるが、それなりの体力もあり、強い使命感を持って危険な偵察班に志願している。



 Gは・・・追加で何か言うことも無いが、偵察班として立候補していた。小心なところもあるが、非日常的な何かへの狂的な精神が奴を突き動かしているようだ。学生時代の運動神経はあまり良くなかったが、大柄な体躯と趣味のジム通いで肉体的なポテンシャルはそう悪くない。善良かつ分別のあるIと組んでいるのは僥倖と言える。



 偵察班はGとI、その仕事は文字通りに目的地までのルートの確認や簡単な探索を行う事だ。斥候であり、先兵でもあり、危険だ。器用貧乏にドローン操作や機械、電気関係の浅く広い知識を持つGと、あまり動じなく分別のある高い精神性のIのペアはうまく噛み合っている。場合によっては遠征班と一緒に動くことも多い。


 遠征班はH、T、S、P。主な仕事は偵察が終わった区画における物資の探索にある。また、必要によっては感染者の排除も行うが、基本的には感染のリスクを考えると好ましくなく、感染者除けの悪臭に耐えながら必要な資材の確保に動いている。最早生産されることのない資材は長期的な目で見れば貴重であり、出来得る限り使えそうなものは掻き集めておく必要がある。危険が伴い体力も要求される仕事だ。状況により偵察班に合流して活動することもある。


 整備班はA、車両の整備が主な仕事だ。静音の電動車両が主で、遠征班と偵察班で使用されている。また、有事の際の大型運送車兼戦闘車両も概ね完成しているが整備はまだ完全ではないようだ。専門家であるAと幅広い技能を持つEが担っているが、Eは遊軍に近く、施設班や研究班として動くことも多い。


 施設班は俺ことKとOが担う。拠点の整備やネットワーク構成、ドローンを用いた周辺の哨戒、衛星通信を通した情報収集、各班の指示及び調整を行っている。ドローン操作の上手いOが基本的に哨戒と各般の支援を、指示は俺が行っている。


 研究班はBとD、『アリゾナ病』の原因を調べる、最も重要な班だ。Bは勝手に研究をしており、時折人手が欲しいと言い出して多少の知識があるE、G、T辺りが拉致される。Dも研究者気質で似通ったところがあり3人は要請を受けて手伝うことも多い。最早ルーチンとなった臭い袋の原料となる細菌の培養は主にGが行っている。




 それぞれの人員の家族で感染していなかった者については、俺が購入した無人島へ疎開する手筈を早々に整え、拒んだ数人以外はそこでひっそりと生活している。他の生存者に傍受されて島に押し寄せられても困るので通信は必要最低限に抑えている。あちらにも疫学や工学に多少詳しい者がいるので問題ないとは思うが、世の中賢い人間ばかりではないので不安が残る。とはいえこれ以上できることも無い・・・どこにいても感染のリスクはゼロにならないのは仕方が無い。


 先は見えないが、今は目前にある。さて、今日を始めるとしよう。




 


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