第2060話 神殿にて
ずらりと並ぶ、神官たち。
「ようこそお出で下さいました、我らが主より、既に神託が出ております。
どうぞ中へお進み下さいませ。」
我々は、丁寧に出迎えられ、神殿の奥へ奥へと案内されていく。
通路は質素だが、それがまた、神殿の威信を表しているようである。
リシテアール圏の神殿は、質実剛健。
リケ神殿のようなエンターテインメントな施設もあるが、そういった神殿でも礼拝堂は質素だ。
科学文明が発展した後の、宗教様式だからなんだろう。
「此方が礼拝堂です。
月が登りましたら、神より神聖陣が来るそうです。
どうぞ、それまではおくつろぎ下さいませ。」
粛々と、神官長は説明してくれた。
更には、控えの間にて、もてなしを受けたのだが・・・。
我々は、すっかり忘れていたのである。
ナキが静か過ぎる事を!
「・・・いない」
あの落ち着きのないアホは!
私と、顔が引きつる咲希。
これだけの付き合いがあると、さすがに「ナキ・ミケランジェロ」という人間を学ぶというものだ!
他の皆も顔色悪いし。
予想通りの声が、木霊した。
「にゃぁぁぁ~~~~~~~~!!?」
あのアホ!
今度は、何やった!?
「ナキッ!
今度は何をやらかした!?」
み、ミリアム様? やらかした前提の話なのね??!
そう、咲希の目が言っている・・・
「・・・ビビったにゃ・・・
壁に彫刻しようとしたら、壁に顔が出てきたにゃ・・・」
っていうか・・・
「ナキ?
人様のお宅の壁に、勝手に彫刻すんじゃないっ!!」
私の怒鳴り声と、ハリセンがヒットした瞬間だった・・・。
「あんたねえ・・・
リケちゃんの神殿でもやらんでしょうがッ!」




