第2057話 超物質・・・
「陛下、後生にゃ~~~!!
あの柱に、せめて彫刻をぉぉぉ~~~~~~!
にゃぁぁぁ~~~~・・・」
「時間が無いでしょ! 人様の家で何を勝手に!」
やるなアホ!
わが手には、いつかのハリセン。
ゴッチーーーーーーーーーーン・・・
金属音・・・
ナキを「仕留め」、馬車ひきずっていく。
最後の最後で締まらなかったが、こうして盛大に見送りを受けて、馬車は出発した。
「ミリアム様、聞いていいかしら?
さっきのハリセン、何か音がおかしいような?」
ああ・・・
今朝、いじったなあ・・・
「少々、強化をするつもりでいじっていたのですが・・・
この世界の何かの物質に変わってしまったようで、硬いけども柔らかい、変な物質になりました。
ジュラルミンや、薄く伸ばしたオリハルコニウムのように・・・」
うん。
私にもわからん。
「錫の特性みたいな感じでしょうか?
見た目は紙なんです、柔軟性もありますし、丈夫になりました。
アルミ箔と、紙の中間のような・・・」
石化している、咲希。
そりゃ、無理もない。
「わぁ!
これなら、立派な武器になりそうですね?」
優香のボケ・・・
彼女は、天然らしい。
おそらく、ファクトリアがプロメスティア様がいたら、阿鼻叫喚となりそうだ。
馬車は6人乗り。私、ナキ、咲希、優香、和磨、フランツ王子が乗っている。
なんだか、フランツ王子が興味深げに見ているんだが。
「この世界の錬金術を、本で拝見したのです。
やってみたら成功しましたが、摩訶不思議な物質ですね。」
「み・・・
ミリアム様・・・!?
科学者でしょ!?」
「いいえ。
「総合導師」です。
「科学導師」・・・
科学者ですが・・・
「錬金術師」・・・
「魔導士」・・・
それを兼ね備えた「学者」のことですね。
そう。
「錬金術師」とは、本来「学者」なのですよ。」
唖然とする咲希の横で、ナキがなんか言っている・・・
「にゃぁぁぁ、素晴らしいにゃぁ・・・
むにゃむにゃ・・・
彫刻にゃ・・・
むにゃむにゃ・・・」
こいつ・・・
夢の中で何やっとるん?
「いよいよ、帰れるのは嬉しいですが、美味しい食べ物だけが心残りですねぇ・・・」
ええいッ!
ないことにする!
「そう言って貰えると、この国の王族として、鼻が高いです。
ミリアム様のお陰で、我が国は100年先取りしたと言われていますよ。」
「フランツ殿下。
その気になれば、この国は外敵からの攻撃で、その外敵を「滅ぼす」ことも可能になりますよ?」
「そ・・・
それって・・・」
「ふッ・・・
「敵は、相手を殴った拳で自ら滅ぶ」ように、仕向けられるのです。」
私は、目を細める。
「猫」さながらに。
石化するフランツ殿下。
「・・・素晴らしい艶にゃぁぁ・・・
むにゃむにゃ・・・」
ただ、ナキの寝言が場違いだった・・・




