第2054話 足りません!
「やっぱり・・・」
咲希が、頭を抱えた。
ドレスを速攻で着替え、コルセットの要らないドレスに着替えた我々が、控えの間にて、更に食べている姿を見たからだ。
思わず頭を天に向けたのは、仕方ないと思って欲しい。
「足りなかったんですね?」
優香ちゃんの確認に、名も知らぬ巨大な魚を食べ終えたナキが、ハッキリと答えた。
「勿論にゃ!
コルセットの分はここで食べるにゃ!」
キティルハルム名産・海ピラニアに酷似している。
海ピラニアは、自らの縄張りに入った者が人間であろうと襲って食うが・・・
キティルハルムの民は例外。
まっすぐ逃げ出すのだ。
瞬間接着剤の跡が残る、コルセットの残骸が無残だ。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
私と、ナキが一瞬無言になる・・・
エリー姫は既にわかっていたからだろう・・・
私たちをこの部屋に誘導し、追加を用意するように、指示を出していたらしい。
「ふぅ、お腹一杯にゃ!」
「ご馳走さまでした。」
ナキは、大きくなったお腹をポンポン叩く。
私は、布で口を拭いていた。
「まったく・・・
たまには、アルナス卿を見習いなさい・・・」
「あの速さは・・・
「神」にゃ・・・」
「違う!」
確かに彼女は、「神速」の食事をする。
しかし、マナーを崩さないのだ。
「明日は朝食後に、馬車で神殿へ行きます。」
エリー姫の説明。
「ようやくにゃ・・・」
ナキは言っているが・・・
大丈夫なんだろうか・・・




