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25(R15)「過去の出来事の中で」

一応、それなりに配慮した文章校正にしたつもりですが

「怪我」のシーンがあったり、「御遺体」があったりするので


*『「苦手な方」は、「読まない方向」』で・・・

「2013・12・17」以降は、読まずに「次の話」へ御進みください。


25「過去の出来事できごとの中で」


『母は、元々綺麗きれい好きで不衛生ふえいせいな事が嫌いでした

なのに、「口臭こうしゅうが」とか「綺麗にしてない」とかって・・・

母の事を汚い物の様にまわったのは何故なぜですか?』

そう言って、る史樹を・・・

うるさいわね!存在自体イラつくのよ!ウザイわ!』

動画の中の悠流の母親は、階段側へ突き飛ばす


植木鉢の中から撮られた映像には

悠流の母が、階段から史樹を突き落とす姿が・・・

誰が見ても、そうとしかみえない現実が映し出されていた。


過去の出来事であるにもかかわらず、会場から悲鳴が上がる


空中に投げ出される体、頭の方から画面にせまり来る史樹の姿

最後には、後頭部しか映っていなかった

にぶ打撲音だぼくおん」と同時にひび

「植木鉢が地面をる音」・「何かがつぶれる音」

身の回り全てがスローモーションになっている様に感じた


続く「何かが落ち破壊はかいされる音」

目に映る世界全ての時間がゆっくりと流れる

スローになっていないはずの映像までもが、ゆっくりみえ


史樹の姿がバウンドし・・・更に「鈍い音」が聞こえて来る

ゆっくり、ゆっくりと再生される様に画面がかたむ


そして、これは悠流の母親が走り去る足音・・・

扉を開け閉める音


時の流れが正常せいじょうに戻り

長い静寂せいじゃくの後、会場は再びざわつき始めた。


しばらくし・・・映像の中で、史樹が携帯に手を伸ばす

割れた植木鉢ででも切ったのか、指先にしたた鮮血せんけつ

首筋からも血を流し、服の襟周えりまわりを汚す史樹は

少し笑っている様だった・・・その後、モニターは暗転し

振り出しに戻る「悠流のメール静止画像」


あらためて読むと、それは告発こくはつ文みたいにみえた。


ここまで車で連れて来てくれたさっちゃんが警官を連れ現れ

取り押さえられる2人の母親「史樹と悠流の母親」

会場は騒然そうぜんとし・・・

葬儀そうぎは、いつの間にか現れた、悠流の父親らしき男の誘導ゆうどう

早急そうきゅうくくられ、悠流のひつぎは送り出された。


・・・翌日、夕刻前のウジニョーロにて・・・


バイトの休憩中きゅうけいちゅう見計みはからってさっちゃんが現れる

密かに「さっちゃん」と、言うのは「警官」と言う意味で

名前は「警介きょうすけさん」と、言うらしい・・・

と、言うのは置いといて


「警察」と、言う「御役所」が「史樹の話がきたい」

と、言う事で・・・さっちゃんと同僚どうりょうの婦警さん同伴どうはんもと

節花さんを連れて現れた


明人と透矢を御迎えに来たのだ。


「史樹君は引籠ひきこもりと言う事なので・・・

少しでも仲が良い相手がいた方が出てきやすいだろう」

と、言う御役所の配慮はいりょで・・・

たまたま、夕飯を食べに来た晴季さんも一緒に

明人と透矢は、史樹の家へり出される


・・・「史樹がいる」と言う「史樹の部屋」の前・・・

声を掛けてもやっぱり、返事は無かった

駐車場側にある窓から中をのぞくと・・・

前回同様、扉は内側から掛け金を掛けられ南京錠も掛けてある

中には確実に誰かがいるのはたしかだ


緊急をようさない為・・・ただし、必要にせまられて・・・

アルミサッシを外して窓から中に入る事になった。


窓から中に入ると・・・もう、嫌な予感しかしなかった

人の気配けはいがまったくしない

部屋のヒンヤリと湿しめった空気に、鳥肌が立った


さっちゃんが晴季さんと同僚どうりょうさんに外で待つように声を掛け

電気を付けて、明人と透矢を連れて奥に進む


部屋の奥にはベットで横たわる人影が見えた

精巧せいこうなフィギュアの様な腕や顔、首元の肌の質感に

マネキンが置いてあるのかと一瞬いっしゅん錯覚さっかくし・・・

それが、服装ふくそうからあの映像の中のままの史樹である事に気付く

3人はだまって、史樹の近くまで行った。


手ににぎられた茶色い破片はへん・・・

真っ白い壁の一角いっかくを、白いベットを、白い床を・・・

赤茶色に染めた色と、昨日見た映像から

何故なぜにこうなったのか、事態は何となく把握はあくできる

彩色さいしょくはぶれる事無く、その場にとどまって乾ききっていた。


アトピーと喘息ぜんそく対策で、無駄な物が無く

除菌抗菌スプレーで、異常に綺麗にされた部屋の中

湿度しつどは高めで・・・

半地下と言う立地の為に低い温度で一定に保たれた室温

染みが乾くのに凄く時間が掛かった事であろう・・・


『ホラー小説に時々ある定番のアレだな・・・』

透矢のつぶやきに明人が答える

『そうだな・・・透矢が良く読んでる作家さんも

何度かこのネタ使ってたよな・・・あるんだな、こう言う事って』

冷静すぎる2人にさっちゃんは、ある意味呆然ぼうぜんとする


『はいそこ!そろそろ撤収てっしゅうな?

んでもって、あちこち触んなよ?面倒めんどうだから』

3人は部屋を出てさっちゃんの応援が来るのを待ち・・・

晴季さんと、明人&透矢は・・・家路いえじく事になった。


『明人!透矢!一応、事情聴取じじょうちょうしゅせなあかんから

明日の放課後は開けとけよ!』と、さっちゃん

後、2人の肩をつかみ引き寄せ

『帰りは、ウジニョーロでの鍋パーティーだ、強制参加だぞ

晴季さんも誘っといてくれ』なんて耳打ちされて・・・

2人は乾いた笑いをらす


さっちゃんこと警介さんは、きっと・・・

晴季さんがお気に入りなのだろう、利用される感がいなめない。


家に帰り、何時いつも集まるいつもの時間

PCでスカイプをつなぎ、ネットゲームにログインする

晴季さんの星の伝言板にはモルスからのメッセージが残されていた


待ち合わせ場所は「エスタシオンの管理する星」


今月は12月、大きな1本の「もみの木」が鎮座ちんざしていた

前に見た宝箱が、その近くにそのまま存在し・・・

その上にモルスが座って待っている


『インヴェルノとビアンコも一緒いっしょですか・・・困りましたね

私は晴季嬢とだけ、御話がしたかったのですが』

モルスの嫌そうな表情が

本気でそう思っている事を物語っていた。

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