23「ある日の休日の御話」
23「ある日の休日の御話」
中間考査をそれなりな成績で終え、事なきを得て・・・
実力テストの答案用紙の回答欄もしっかり埋めた
後は「兵どもが夢の跡」・・・テストの結果
当分の間、花咲く学生生活が送れるか
荒野と化した様な面白味の無い学生生活を送る事になるかは
「休み明けのお楽しみ」と、言う事で
・・・今日は平和な日曜日・・・
昨日、明人の母親が『常連客集めて女子会する』と宣言し
土曜日、ウジニョーロの祝日の休み
出掛ける予定にしていた、明人と透矢を「明人の母が拉致」し
『特別に参加させてあげるから』と、ただ働きさせ
明人と透矢を迎えに来た、晴季さんまで巻き込んで
「女子会」と言う名目の宴会が繰り広げられたのは記憶に新しい
勿論、晴季さんが2人を迎えに来た理由は・・・
「史樹と悠流の所在確認に行く」為だが
密かにこの予定、想定外な事態と
今回の様な物理的な邪魔が、何度も繰返し入り
2カ月以上実行されていない
その上、例のネットゲーム内の「エスタシオンとグリース」に
あれから連絡は、取れていなかったりもする・・・
おまけに、モルスもつかまらない
そんなこんなで、いつの間にか・・・
ネットコンテンツ終了日まで後、20日を切っていた。
明人は・・・透矢主催の連日休みなく続く、テスト勉強会と
自由に身動き取れないストレス・・・
土曜の朝から晩まで続いた、宴会の御世話疲れから
ベットから起き出せず、惰眠を貪る。
浅い眠りの中、部屋の中に人の気配がする
「どうせ、透矢が来て巣作りでもしているのだろう」と、思い
放置していると・・・会話が聞こえてきた
明人は起き上がり部屋の中を確認する
そこには確かに透矢はいたが・・・想定外な人物もいた。
『やあ!おはよう、今日も良い天気だねぇ』
愛らしい着ぐるみパジャマに身を包んだおっさんが・・・
透矢と一緒に座卓を囲んでいる
言わずと知れた事かも知れないが・・・
そのおっさんが長身なのは、置いて置いたとしても
元々、一般的な着ぐるみパジャマの規格サイズから考えて
成人男性に対し「袖丈&裾丈」が、足りていない事だけは
ここに記しておこう
そして、座卓の上には・・・
トマトソースのニョッキと、クリーム仕立てのラビオリ
弁当用にアルミカップに作り置きしていたラザニア
アランチーニ(ライスコロッケ)等
明人が自分の弁当用に作り置きしていた物で造られた臭い料理が
美味しそうにアレンジされて並んでいた。
『なぁ~親父、それ・・・
俺が作り置きしてた弁当用のだったりしないよな?』
座卓の上を指さし
明人は、「着ぐるみパジャマ」を着た「自分の父親」に質問する
『「親父」言うな!「パーパ」と呼びんさい!
小さい頃は、顔合わす度に
その都度「パーパ大好き」って、俺をストーカーしてた癖して
生意気だぞ!』
「30代半ばの親父」が、子供の様に「我が子」に言葉を掛ける
それを見ていた透矢は、温かい目で2人を見守っていた。
『ガキの頃のネタを今更、持ち出すなよ!
何時までも、子供が自分の思い通りになると思ってんじゃねえぞ』
『まだ、ガキだろ?親の脛齧って生きてんだから』
口喧嘩の口火が切られ、父子が立ち上り
御飯が危険に晒されるのを目の当たりにして
やっと、透矢は2人の間に入る事にする
但し、起き上がって身を呈して止めるのは
自分にリスクが掛かって来るのでそんな事はしない
透矢は、自宅から持ち込んだ座イスに座ったまま
明人の服の袖に手を伸ばし、掴み・・・
『明人・・・ここで暴れたら、料理にゴミが入るぞ?
ノンナ(おばあちゃん)の座卓にも危険が及ぶから止めとけ』
明人は「自分の祖母」の話が出ると弱い
明人の父親も・・・
同じくらい明人の祖母で自分の母親の話が出ると弱かったりする
舌打ちしながらも、大人しくなってしまう親子を見て
透矢は1人ほっこりした。
『明人・・・お前、料理作るの上手くなったよな』
明人が作り置きしていたパスタ・・・
ラビオリを食べながら明人の父親は言った
『高校卒業したら調理師の免許を取れよ、店で雇ってやる
後・・・将来は、俺の店を継がせてやってもいいぞ』
父親の押し付けに・・・明人の顔が引き攣り、苦笑いを浮かべる
『勝手に決めんなよ?
どうせ継ぐなら俺は、ノンノのカフェのがいい』
明人の返答を聴いて、明人の父親は透矢に顔を向ける
『じゃ、透矢を誘おう!
俺が作る美味しいイタメシ付きだ、明人の嫁として家に来い!』
明人の父親は冗談で言ったつもりだったのだろうが
何となく微妙な沈黙が流れてしまい
透矢は少し考え『明人が嫁なら良いですよ』と
冗談で返す事にした。
「明人を動かすのに俺を使うって発想は間違いじゃないけど
下手糞だよなぁ・・・もう少し、上手く話し持ってけば良いのに」
なんて事を、透矢が思っていた事は・・・多分
明人も、明人の父親も気付いてやしないだろう。
明人は疲れた表情で、自分に父親を眺める
『そういや、パーパが俺の部屋に来るなんて珍しいよな?
母さんいないの?もしかして母さんと喧嘩でもしたのか?』
『ん~にゃ、「2次会」は「女子トーク」で楽しむからって
さっき、追い返されて帰って来た所だ』
「2次会の開始時刻」に、明人と透矢が遠い目をする
『まだ、やってたんだ・・・宴会』
明人と透矢の言葉に、明人の父親が無言で頷く
徹夜明けで、まだまだ元気そうな明人の父親も然る事ながら
宴会を続けられる「明人の母親&女子会メンバー」の底力は凄い
『お前等の知り合いと、陽子(ようこ)が特に盛り上がっててな
今晩か、明日の朝・・・きっと、片付けるの大変だぞ、手伝えよ』
「お前等の知り合い」とは「晴季さん」の事であろう・・・
「陽子」は明人の母である・・・
明人は透矢を見詰める
『手伝ってくれるよな?』
透矢は「仕方がないなぁ~」と
言わんばかりに溜息をついて、優しく微笑んで了承した。
その後、透矢が・・・
「手伝う事を了承した事を本気で後悔する事になった」
なぁ~んて事が、あったりなかったりしたりするのは
気にしない方向で御願いします。
ニョッキとラビオリ、ラザニア等は
冷凍すると・・・「こし」が出て美味いですよね!




