表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/28

18「幼馴染な2人の関係」

18「幼馴染な2人の関係」


後片付あとかたづけをえ、透矢がベランダ側から帰り

一人になってしまった部屋の中、明人があらためて思い出すのは


・・・自分を育ててくれた祖母そぼくなったころの事・・・


今も、昔も、祖母が亡くなる前も、亡くなったその後も・・・

祖母が生きていた頃と同様どうよう、翌日が休みになるたび

家に帰って来る事もなく、遊びに出掛でかけてしまう


・・・誰にも言った事の無い「両親への思い」・・・


明人は・・・何かと理由を付けて、頻繁ひんぱんに遊びに来てくれる

「透矢の存在」に救われていた。


透矢も「明人の存在」に救われていた・・・

事の始まりは、透矢がこの世に生まれた頃の御話


四十半よんじゅうなかばになるまでキャリアウーマンとして働いていた

「透矢の母親」が・・・

初産ういざんで子育てに入るには、精神的にむずかしい年齢だったらしく


授乳じゅにゅう間隔かんかくが短く、おむつ替えもあり・・・事あるごとに泣き

ミルクをき、夜泣きをする乳幼児にゅうようじを育てる事ができなかった。


それは、仕事を優先する「透矢の父親」に気付かれる事無く

ただ、体が弱いのだという誤解ごかいの上で・・・

透矢の母親の「育児ノイローゼ」の為に

透矢は、「ネグレクト」・・・育児放棄で、何度も殺されかけていた。


そう、明人の祖母が・・・

明人の育児の為に、となりの家に来て居なければ

明人の祖母が・・・御節介おせっかいで透矢をあずかり育てなければ

今の透矢は、この世に存在しなかったかもしれないのだ。


そして、透矢は継続して「明人」に救われ続けている

自分の「子供に対する支配欲しはいよく」や、「世間体せけんていによる対面たいめん」から

透矢を「自分達にしばり付けたがる」透矢の両親

「愛情をはきちがえた」両親から「物を与えられるだけ」の生活

一緒にいても、「息が詰まる」様な「家族関係」


明人が隣の家に住んで居なければ今も、昔も・・・

破壊衝動はかいしょうどうに身をまかせ、すべてをこわしていたかもしれない透矢


2人は御互おたがいの存在に救われ、持ちつ持たれつの関係にあった。


・・・PM21時・・・

晴季さんの着信を待ち3人でスカイプをつな

ログインしたネットゲームの世界


アリエナイ事であるはずなのに・・・

当たり前の様になってしまった、通常ではある筈の無い光景・現象

今日はエスタシオンだけでなく、悠流の声も聞こえてきている

『あ・・・こんにちは、おにぃさん達と夏おねぇさん!』


何時いつも待ち合わせをしている場所とは違う

・・・「エスタシオンが管理する星の上」・・・

エスタシオンの横には、何故なぜかエスタシオンと同じ様に動く

グリースの姿が存在している。


ログインと同時に警告表示のごとく画面に表示された

「モルスからの伝言」で、ここへやってきた3人は

意味が分からず画面をるように見る事となった


『モルスさんが、グリースを連れて来てくれたんですよ』

エスタシオンはうれしそうに笑っていた。


『「連れて来てくれたんですよ」って・・・

史樹君は「本末転倒ほんまつてんとう」って言葉を知ってるかなぁ?』

声から・・・晴季さんが怒っている事が伝わって来る

『史樹君が、この世界から脱出だっしゅつして帰って来なきゃ駄目だめなのに

君が、この世界にとらわれちゃう人を増やしてどうするの?!』


御尤ごもっともな意見に明人と透矢は画面の前で2度うなづいた。


『エスタシオンをいじめないで!』

グリースがエスタシオンを隠すように立ちはだかり

画面越しににらみ付ける様な仕草しぐさを見せる

『私は全てを知った上で、

エスタシオンと一緒にいたくて、ここにいるの!

何にも知らないくせに口出しするなんて、ゆるさない!』


晴季さんは溜息を吐いた

エスタシオンは乾いた笑いをらし、明人と透矢は沈黙する。


エスタシオンが「話をしたい」と願った

「ソノ結果」が、今の「コノ状態」なのだとしたら・・・

グリースは・・・

「乙女チックな恋愛」を「夢見る少女」にありがちな


「必要とされている」以上に「必要とされている」と思い込み

「必要とされている以上の行動」に出て

相手にとって「必要以上の状態」に「自らを追い込んで」困らせる


悪気がない分、困ったタイプの生き物なのかもしれない・・・


そう言えば、グリースのリアル「悠流」はどう考えても

・・・「猪突猛進ちょとつもうしんタイプ」・・・

必要以上の事を必要以上にする種類の人種にしか見えない

ソレが・・・間違いなさそうでつらい。


晴季さんが何か言うと・・・

グリースがみついてきそうなので、空気を読んだ透矢が

エスタシオンに問い掛ける

『エスタシオン、コレで良かったのか?』


エスタシオンは、少し困ったような表情をしながらも

『僕の最初の願いとは違うけど・・・

悠流が、グリースとして僕のそばにいる事でかなう願いもあるんです』

と・・・グリースを見詰める様にして微笑んだ。


『何それ、ラブコメ?愛があれば場所なんて関係ないって事?』

晴季さんがこぼした皮肉に、グリースが赤面する


『えっと・・・もしかして、これはハッピーエンド?』

だまって話を聴いていた明人が、「誰に」とはなく質問をした

勿論もちろん、答えるのは透矢しかいない

『いやいやいや・・・何にも解決してないから!

むしろ2人に増えて・・・悪化してる感、いなめないから!』


話は、遠回りして・・・

「本末転倒」の状態にある、今の現状へと戻ってきた。

近年、子育てできない親が増えて怖いですねw

ネグレクト・・・育児放棄

DV・・・虐待

どうしても無くならない「捨て子」等


因みに・・・

明人バージョンのネグレクトは、罪には問われませんが

透矢バージョンのネグレクトは、行政の介入があれば犯罪ですw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ