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17「明人と透矢の2人の休日」

17「明人と透矢の2人の休日」


となりの家から、透矢を呼ぶ・・・透矢の母親の声が聞こえる

もう、昼ごはんの時間なのだろう・・・何処どこからともなく

牛系のあぶらっぽく、かぐわしい「美味うまそうなにおい」がただよって来る

明人はベットの上の布団ふとんからい出し、起きる事にする


『あ・・・昼飯買って来てあるぞ』

起き上がると、耳馴染みみなじんだ声が真横から聞こえきた。


明人の部屋には、いつの間にか透矢が居座いすわっている

ベットの横に置いてあったビーズクッションを陣取り

何故なぜか明人に「家には無いはず急須きゅうす」で御茶を入れ・・・

透矢は幼少の頃から自宅の方で使っている「猫柄のマグカップ」で

「湯気が見えるほど」に「熱い御茶」をすす


『牛丼か?』明人が声をかけると・・・

透矢は『お前も好きだろ?』と、満面の笑みで返事をした。


明人が愛用している「祖母の遺品いひん座卓ざたく」には

透矢と御揃おそろい状態に近い「犬柄のマグカップ」と

「御持ち帰り用の牛丼」が「透矢用と明人用」2人分、鎮座ちんざしている


明人がベットから降りて座卓に着くと

透矢が・・・まだ、熱い御茶を勧める

『ありがと・・・なあ、透矢・・・まさかとは思うが・・・

また今回も、プチ家出なのか?』

『いや・・・今回はピクニック気分かな?

今回、御茶は「玉露ぎょくろ」を持参したんだ・・・飲んでくれ

あ、そうそう牛丼買いに行くのに自転車借りたぞ』


誤魔化ごまかし方からして、どうやら・・・

今日の透矢は、ピクニック気分のプチ家出らしい


明人はもう、その事にはれず・・・御茶を飲む

『まっずっ!!透矢、玉露は低い温度でれてくれよ・・・

めちゃくちゃしぶくて、えぐ味が出てるぞこれ!』

熱そうに飲んでいたので覚悟かくごはしていたのだが・・・

思ってたよりも、更に「不味まずかった」ので明人は抗議こうぎの声を上げた。


『あぁ・・・だからすすめたんだよ

俺、買い物と・・・家とここを1往復半おうふくはんして疲れたから

アイスティーが飲みたいな』

自分の家以外での透矢は・・・我儘わがまま


明人は、部屋に放置していた雑誌を御盆おぼん代りに

急須と、飲みかけの御茶が入ったマグカップをキッチンへと運んだ。


キッチンに辿たっどり着くと・・・

電気ケトルで御湯をかし、急須とマグカップを洗い

透矢が、こっちに来ている事を透矢の両親に知らせる様に

透矢の家側のベランダへと、御盆にのせて急須を返却する。


キッチンへ戻ると・・・待ちきれなくなった透矢が食器棚しょきだなから

ガラスのコップとストローを出し、マグカップも部屋へ持って行く

毎度まいどの事ながら・・・

「アイスだけでなくホットも飲みたい」と、言いたいのだろう


明人は、大きな茶漉ちゃこしに分量以上の茶葉を入れ

濃いめの紅茶をコーヒーデカンタに淹れた・・・

ティーポットには容量に合わせた茶葉を入れて、部屋に運び込む


もう一度キッチンに戻ると・・・透矢は冷蔵庫を開けていた

常温保存じょうおんほぞんできるパック牛乳を片手に

小さなタッパーウェアの中に、2~3回分づつ小分こわけされた

「フルーツの蜂蜜はちみつシロップ漬け」を物色している


レモンのと、グレープフルーツのと、ベリー類の・・・

どれを持って行くかで真剣に悩んでいる様子ようすだった。


明人は氷を入れる為のアイスペールに、氷を入るだけ入れ

電気ケトルに水を入れて、先に部屋へ持って帰り


耐熱のガラスのコップに、持ってきた氷を入れて

先に作って持って来ていた、まだ熱い紅茶をそのコップに注ぐ

『あ、待て!俺のにはこれを入れてくれ』

部屋に帰ってきた透矢が、

「グレープフルーツの蜂蜜シロップ漬け」を差し出した。


少し冷めた牛丼を食べ終え、食後に・・・

電気ケトルで御湯を沸かし、淹れた・・・熱い紅茶を飲む

『なぁ~・・・明人、エスタシオンの願いはかなったのかな?』

透矢が、唐突とうとつに気になっていた事を話しだす


『「モルス」が、ラテン語の「モルス」で・・・

あの「モルスさん」が、本物の「モルス」なら

願いを叶えてくれるのかもしれないけど・・・』

言いよどむ明人の言葉に透矢が質問した

『けど?っつぅ~か・・・「モルス」ってどういう意味だ?』


『ロシア語の「モルス」じゃなければ・・・

ラテン語では「死神」って感じの意味だってノンノが言ってた』


『お前もしかして・・・

それくだけの為にじいちゃんに電話したりとかした?』

透矢の指摘してきに明人はうなずき、透矢は少しあき

『死神かぁ・・・願いを叶えてもらいたくない相手だな』

と、言い・・・一呼吸置いて

『で・・・ロシア語での意味は?』と、明人に透矢が尋ねる。


『家の冷蔵庫に入ってるベリー系の蜂蜜シロップ漬けを

濾過ろかして水割りしたり、炭酸割りにした物を

ロシア語で「モルス」って言うそうだよ・・・

後、クワ科の植物に「モルス属」ってのがあるらしい』


『クワ科の植物って・・・

糸を取る為に、まゆになるとでられる運命にあるかいこえさ?』

透矢の言い方に明人は渋い顔をする

『そうだけど・・・なま々しいな言い方だな

せめて、「絹糸きぬいとの原料の虫の餌」くらいで留めようよ』


2人の会話は不思議な程に「ラテン語」の「モルス」から

少しづつ離れていった。


2人は夕暮ゆうぐれ時までダラダラと飲み食いし


明日も休みの為・・・

風呂に入ってから「夜更よふかしの準備」をする事にした。

時々、思うのですが・・・

誰が、虫の出す糸で「糸や布」を作ろうと考えたんでしょうか?

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