表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

突然の誕生日パーティー(中)

更新が遅くなりまして、本当に申し訳ありません。もう六月も終わりではありますが、続きです。

ピンポーン


インターホンを押すとお決まりの音がする。


ここはもうオタ先輩の家の前。


本当に駅の近くで、歩いて5分ぐらいかな。


たった5分といえども4つもの袋を持っている俺にとってはすごく大変だった。


美形集団の後ろを、4つもの袋を持ってもそもそと歩いている俺を誰もが不思議に思ったんだろうなぁ。


自分で言ってて虚しいし…。


自己嫌悪…なんてね。

ガチャリ


玄関のドアが開く。


そこにいたのは…


目を微妙に覆っている前髪をオールバックにして、Yシャツと黒いズボンという出で立ちの…オタ先輩!!


いつもは前髪とメガネでよくわかんなかったけど、すごくキレイな目をしている。


オレンジのような濃い黄色みたいな色。


翡翠を目にはめ込んだみたい。


改めてオタ先輩を見ると、ちょっと幼さは残っているものの、いつもより全然いい。


カッコイイというか、大人と少年の間って感じかな。


実際背は低いし。


俺と数cmしか違わないけど…


「遅かったな。まぁ入れよ」


「「「「「「おじゃまします」」」」」」


「…おじゃまします」

遅れたのは俺です…


みんな俺のせいです。


申し訳ございませんです。はい。


俺一人、なんか気まずいオーラを放ってオタ先輩の自宅にあがる。


どさどさっ


持っていた荷物を降ろすとなんだか体が軽くなった気がする。


明日は筋肉痛かな。


にしてもオタ先輩の家はいいなぁ。


玄関には小さな花が飾ってあって、すごくいい家だなぁって思う。


俺ん家と違って。


俺ん家なんて…いや、言うの止めとこ。


「「じゃあ始めますか♪」」


双子(めんどくさいからこれからこう呼ぼう)は俺の置いた荷物をひょいっと持つと、まるで自分の家のようにズカズカと奥の部屋に行く。


…怪力?


俺より小さくて、力なさそうなくせしてひょいってあんたたち。


俺というポジションがちょっと切ないことになるじゃないか。


自己嫌悪…(再び


「ちょっと!ここはオタの家なんですから」


ナギ先輩はあわてて双子の後を追う。


なんだかお母さんかお姉ちゃんみたい。


どっか抜けてそうだけどね。


「じゃあ僕らは台所借りるね」


つー先輩もひょいっと荷物を持ち上げる。


つー先輩ならまだ分かるんだけどなぁ。


「どーぞ。


何か使いたいものあったらテキトーに探して使って」


「サンキュ」


「ユウはオタとゲームでもしてな」


つー先輩は俺をオタ先輩に押しつける。


俺は小さい子供かよ…

たっつん先輩とつー先輩は台所に去って行く。

俺は初めて来たからよくわかんないけど、きっと先輩達は何度も来てるんだろうし。


向かった先は台所であってるハズ。


「じゃあ二階でゲームでもしてるか。


ゲーム得意?」


オタ先輩は俺の前をゆっくり歩き出す。


「得意でも苦手でもないです。


でもあんまりゲームってやらないから…」


「そっか」


静かに階段を昇る。


この人歩くとき足音全くたててない。


一体何者だ?


曲者!


いやいやそれは違うな。


じゃあ生物!


ってわけでもないし…

はっ!俺は何ノリツッコミみたいな事やってんだよ。


いよいよ頭がおかしくなってきたか?


むしろ悲しい奴になってきた気がする。


気がするじゃなくて本当にそうなのかもしれないけど。


ギシッギシッ


階段を一段上がるごとに音が鳴る。


何で俺だと鳴るんだよ!

何?俺がなにかした?

もしくは重い?


確かにオタ先輩より身長はちょっと高いから体重もあるだろうけど。


そんなに重くはないハズ…


それか俺が乱暴に歩いてるから?


ドスッドスッ


俺は怪獣だ〜!


ってそれも違うから!!


「ここ」


階段を上ってすぐのドアの前でオタ先輩は止まる。


ガチャリとドアを開けると俺の方を見て、目で先に入れと訴える。


「失礼しま〜す」


部屋に入ると意外と(?)片付いててびっくりした。


男子の部屋って汚いってイメージあるから何か変な感じ。


俺の友達(俺も含む)ってすごいことになってるし…


それに比べてこの部屋は…勉強机、小さなテレビ、ゲーム(棚にちゃんとしまってある)あとはベッドぐらいしかない。


ほぼ何もないに等しいんじゃないか?


ゲームだけは本当にびっくりするくらいあるけど。


あ、俺さっき棚にゲームがいっぱいあるって言ったけど、それはただの棚じゃない。


じゃあいくらなの?100均?なんて聞くなよ。そういうのじゃないんだから。


なんつーか本棚なんだよな。


作り付けの天井ぐらいまでの立派な本棚。


にもかかわらず、一冊も本は入っておらず入っているのはゲームオンリー。


どうよこの状況。


失礼を承知で言わせてもらうがオタ先輩ってゲームオタク?


「びっくりした?」


オタ先輩も部屋に入る。


まぁ先輩の部屋だから普通のことなんだけど。

「はい。


なんかすご…」


正直に感想を述べる。

「お前正直だな」


そう言いながら先輩はちょっと笑った…気がした。


いつもなんとなく髪で隠れてたし、メガネもあったからこの人の表情が変化するとこなんて見たことなかった。


「だってこんなことで嘘つく必要とかないじゃないですか」


「フッ。


変なヤツ」


今度こそ、(人を馬鹿にしてる感はあるものの)先輩は笑った。


「どこがですか」


「全部。


英語にするとAllだな」


「なっ!」


心外な。


変わってると言われたことはあるけど変なヤツと言われたのは初めてだ。


「さて、それは置いといて何やる?


とはいえ俺が持ってるのは全部同じ会社のやつだが」


「え?」


こんなに大量にあるのに?


なんかおかしくない?

「これ貰いものだから」


貰いもの?


こんなに大量に?


どれだけ気前のいい人だよその人。


「誰からの?」


「この会社からの」


「えー!!」


何言ってんだこの人。

いや、もしかしたら会社の御偉いさんと知り合いなのかもしれないぞ。


うん。きっとそうだ。

「ゲームってバグがあったりするんだけど、それは実際にやらないとわからないんだ」


「へー」


確かに。


パソコンでカチャカチャやって見つかるくらいならバグなんてないだろうし。


「で、俺は実際にゲームをやってバグがあるかどうかを調べるバイトをやってんの」


なんかすごいなぁ。


バグを調べる以上は隠しとかも全部やらなきゃいけないだろうし。


かなり失礼だけど、そこはオタクでカバーしてるのかな?


「で、これはそれのお礼。


なんか俺って他のバイトよりも仕事早いみたいでさ」


うん。


なんかわかる気がする。


だってオタ先輩だし。

「でもなんで先輩が?

バイトに応募みたいなのをしたんですか?」


そんな大変な仕事を普通の高校生がやっていいのだろうか。


「……それは俺が会社にバイトをしたいと連絡を入れたという事とは違う…よな」


あれ?俺なんか変な事言ったっけ?


「多分そんな感じです」


うん。多分。


適当な言葉が見つからないからよくわからないけど。


「はぁー。


まぁいいや。


バイトは親父から頼まれたんだよ」


「お父さんから?」


お父さんってその会社に勤めてるのかな?


「親父がゲームクリエイターだから、それでな」


…ゲームクリエイター?


ゲームを作る人?


確かパソコンとかが出来ないとダメなんだよね。


あと、機械とかが扱える人。だっけ?


オタ先輩のお父さんって実はすごい人だったんだ…


棚にあるゲームって有名なやつもあるし。


なんか俺ってすごい人の子供と知り合いだったんだ…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ