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第十二話 「歯医者メンバーと急接近――バレる寸前のカオス展開」


 ――数日後。


(今日は……嫌な予感がする)


 吉田誠、歯医者の前。



【ミッション】

『職場メンバーとの接触を乗り切れ』

難易度:★★★★★★


(増えてる!!!!)



 ウィーン。



「いらっしゃいませ〜!」



 今日はやけに元気な声。



 受付に立っていたのは――



「吉田さんですよね?」


 ニコニコしながら近づいてくる女性。



「はい」



「覚えてますよ〜!」



(この人は……)



「稲垣杏里沙です!」



「こんにちは」



「この前めっちゃ緊張してましたよね?」



(覚えられてる!?)



「い、いや普通です」



「絶対嘘だ〜」



 ぐいぐい来る。



(距離近いなこの人!?)



 その時。



「杏里沙」



 低く落ち着いた声。



 振り向くと――



「業務に集中しなさい」



 水瀬梓。



「はーい……」


 しょんぼり引く杏里沙。



(この人マジで強いな……)



「失礼しました」


 水瀬が軽く頭を下げる。



「いえいえ」



(大人だ……完全に大人だ……)



 さらに。



「お、おはようございます……!」



 白瀬雪音がぺこり。



「おはようございます」



(癒し枠きた……)



 その時。



「吉田さん、どうぞ」



 聞き慣れた声。



 小野寺真琴。



(来た……)



 診察室へ。



「今日は賑やかですね」


 誠が小声で言う。



「うん」



「なんか距離近くないですか、みんな」



「……気のせいじゃないかも」



(え)



「最近ちょっと……」



 そこで言葉を切る。



(まさか)


(疑われてる!?)



 椅子が倒れる。



 診察開始。



 だが――



(気配が多い)



 横に杏里沙。

 奥に水瀬。

 少し離れて雪音。



(監視されてる!?)



「口開けてくださいね〜」


 真琴はいつも通り。



(いや、いつも通りすぎて逆に怖い)



 キュイイイイイイ



 その時。



「小野寺さんってさ」


 小声で杏里沙。



「はい?」



「吉田さんに優しくないですか?」



(やめろ!!!!)



 ピタッ。


 一瞬、手が止まる。



「普通だよ」


 即答する真琴。



(ナイス!!)



「え〜?なんか違う気がするんだけどな〜」



(鋭い!!この人鋭い!!)



「杏里沙」


 水瀬の一言。



「業務中」



「はーい……」



(助かった……)



 だが。



 次の瞬間。



「でも」


 ぽつりと雪音。



「……なんか、仲良さそうです」



(お前もか!!!!)



 誠、内心絶叫。



 だが動けない。



「そう?」


 真琴は冷静。



「うん……なんとなく……」



(“なんとなく”が一番怖い!!)



 その時。



 ふっ。



(!?)



 真琴の指が、また触れる。



(やめろ!!今はやめろ!!)



 だが今日は違う。



 軽く、指先で“トントン”とリズムを取る。



(……?)



(これ……)



(モールス信号!?)



 脳内で翻訳。



【落ち着いて】



(無理!!!!)



 誠、心の中でツッコミ。



 だが、その瞬間。



「……っ」



 目が合う。



 真琴がほんの少しだけ笑う。



(この人……楽しんでる!?)



 数分後。



「はい、終わりです」



 椅子が起きる。



 ほっとする誠。



(生きて帰れた……)



 だが。



「吉田さん」



 杏里沙が近づく。



「はい?」



「今度さ、ご飯とか行きません?」



(え)



(えええええええええ!?)



 固まる誠。



 その空気を――



「患者さんの誘いは禁止です」



 水瀬がピシッと切る。



「えー!」



(助かった……!!)



 だが。



 横で。



 真琴が、ほんの少しだけ無言でこちらを見る。



(あ)



(これ……)



(怒ってる?)



 目が笑ってない。



(やばいフラグ立った!!)



 受付で会計。



 真琴は完全に無表情。



(終わった……)



 外に出る。



 スマホが震える。



『あとで話そうか、旦那さん』



(終わったああああああああああああ!!)



 その頃、歯医者内。



「ねえ」


 杏里沙がぽつり。



「やっぱあの二人、なんかあるよね」



「……」



 水瀬は何も言わない。



 ただ一言。



「証拠は?」



「ないけど……勘?」



「勘で動くな」



「はーい……」



 その横で。



「……でも」


 雪音が小さく呟く。



「なんか、いい感じです……」



「それは分かる」


 杏里沙が即同意。



(完全に時間の問題では!?)



 こうして。


 歯医者という“危険地帯”での関係は――


 ついに“バレ寸前”の領域へと突入した。   



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

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