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光華、踊りて却す

光の先には何が反射(うつ)る–––––––––

「それじゃあ見せてあげるよ。ルーリッヒウンデル」

ラクトマンはそう言い力を溜める、すると背中に翅が生える。それは蠅の様な羽根である、手には巨大な剣が握られている。手の側面からは棘が生えている。剣をよく見ると少しだけ光を放っていた。

「行きますよ」

レイはそう言い、ラクトマンに斬りかかる。ラクトマンは剣で攻撃を防ぎ、レイを斬る。レイはもう一本の剣で攻撃を防ぐ。二つの剣に火花が走る。レイは後ろに下がる、ラクトマンは追いかけてこない。レイはすぐに走り出す。ラクトマンは剣を縦にふる、だがスライディングで回避しラクトマンの側面にまわる、そして間髪入れずラクトマンに剣を振るう、剣はラクトマンの横腹を捉えるが、ラクトマンはもう一方の手に握られていたナイフで剣を防ぐ。次の瞬間ナイフの刃が伸びる、レイはなんとか避ける。だが、避けきれず顔に少しかすり傷が入る。レイは構わず動物の様な動きで背後に回りまた剣を振り下ろす。ラクトマンは剣を背後に回しそれを防ぐ。

「ハイリゲンガイストフォーム!Schwert des Lichts」

レイがそう宣言すると、レイの背中から光の翅が生える。光の翅は透き通っている。そして光の剣が手に握られる。全体的に眩しくなる。ラクトマンは刀を握る。



アリスは森の中を走っていた、レイは自分を斬った瞬間治癒魔法を使った。血は少し出たが、すぐに傷が塞がり、結果ダメージは0となった。蹴られた時も魔法を使っていた。レイが稼いだ時間を無駄にする訳には––––––––––––––––––––。アリスは走り去る。人形達も後に続く。



「お前は弱い、俺には勝てない」

ラクトマンはレイの剣を捌きながら言う。レイは肩から光を放つ、だがラクトマンに当たらない。ラクトマンは光を躱す、まるで光を打つ方向を知っているかのようにくるくる躱す。レイは距離をとり自分の周りに光を集めるそして一気に放った、あまりの眩しさにラクトマンは眼を閉じる。レイは一瞬で背後に回る、そして斬撃を放つ。ラクトマンは剣で防ぐ、だが、レイは一瞬で正面に回り腹部に斬撃を当てる、ラクトマンはよろめく。

だが、

「甘過ぎる、レイ」

ラクトマンはそう言い、思い切り横に剣を振るった。それは途轍もなく早く防御が出来なかった、一瞬斬られたことに気づかないほどだ。レイの身体に紅い横線が刻まれる、それに呼応し、レイを構成するモノが流れ出る。レイは腹を抑える。レイはラクトマンを見る、レイが斬ったところからは確かに血が流れていた。

「不意打ちは驚いたが、それ以外はまだまだ未熟。ああ、そうだ疑問に答えてやろうお前が斬ったのは輸血パックだ」

ラクトマンはそう言い、服の中に手をやる、そしてそこから何か取り出し、地面に放る。それは輸血パックだった。レイはラクトマンに向かって光を放つ、ラクトマンはそれを躱しながら一気に距離を詰める、だがレイは光を収束させラクトマンの前から消える。

「それにも弱点がある、移動先が目線で分かる。それは致命的だ」

ラクトマンは背後を振り向かずに、ハサミを投げる。

レイは躱す、その瞬間ハサミが爆発する。レイは反動で吹き飛ばされる、その瞬間ラクトマンが振り向き、レイの左腕を斬り飛ばした。左腕が宙を舞う、だがレイの左腕から光が出る。光はラクトマンに向かって飛ぶ。だがラクトマンは剣で全てを弾いた。レイはそれでもラクトマンに斬りかかる、ラクトマンはレイの斬撃を避ける。



「何してるの上海」

アリスは尋ねた、上海人形は動かない。糸を操るが動きが重い、何故か分からないが抵抗しているようであった。アリスは糸を引っ張る、上海は必死に抵抗する。アリスは糸の動きを止める。

「いい、上海。レイは私達を助けるために残ったのよ。レイは必ず帰ってくる、分かった?」

アリスは上海を諭す、だが上海は語り終えた隙を突いて反対方向に飛んで行ってしまう。

「上海!戻ってきなさい!」

アリスはそう言う、だが声が反響するだけで上海は帰ってこない。アリスは仕方無く上海が飛んで行った方向に向かうことにした。森はいつもより禍々しく見えた。



「お前は弱い、分かっているだろう」

ラクトマンはレイに語りかける、レイは肩で息をしている。顔にハサミが刺さっているのも原因ではあるが、動きすぎた。ラクトマンは殆ど動かない、それ故全く息切れをしていない。二人の実力差は歴然である。レイはハサミを抜き、地面に投げ捨てる。ハサミは鈍い光を放っていた。

「お前が逃がした、あの女…その気になれば5分で追いつき殺せる、時間稼ぎなど無意味だ」

ラクトマンは冷たくそう言い、レイに斬りかかってくる。レイは翅で剣を止める。ラクトマンはもう一方の剣でレイを突き刺そうとする、レイは左腕をラクトマンに向ける、左腕から光が出る。ラクトマンは剣で弾く。だが防ぎどころが悪く剣にヒビが入り、剣が使い物にならなくなる。ラクトマンは剣を捨てる、その瞬間レイの翅がラクトマンを襲う。ラクトマンはもう一方の剣で翅の一撃を防ぐ。そちらの剣にもヒビが入る。ラクトマンは剣を捨て、距離をとる。顔は少し悲しげであった。

「古い物を大事にしすぎですよ、師匠」

レイはそう言う、ラクトマンはその場で右手を握りしめた。その瞬間斬られたところが疼き始める。まるで沸騰でもしているかのように、そこから痛みが畝りながら這い出る。レイは蹲りそしてのたうちまわる、ふとどろりとしたものが出た事に気づく。レイはそれを見て顔に絶望を映す、ラクトマンは表情を変えない。そう、それは–––––––––––––––––––––––––

小腸であった。

毎日更新しちゃいました


てへっw

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