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Vに別れを告げる

どうしようない真実に抗おうとする幻想の最期の煌めき

「慧音先生、どうなってるんですかこれは、なんで仲間たちが襲ってくるんですか」

一人の村人が聞いてきた。慧音はその問いに答えられなかった。慧音が行き着いた仮説はあまりにも酷いものであったからだ。誰かが村人に成りすまして襲ってきている。それはあまりにも酷い仮説。だが辻褄はあう。奴は必ず何処かでこれを見るはず、その一瞬の隙を抑えられれば。慧音は思う。

「慧音先生が考え込むなど…今回の異変は一筋縄ではいかんようですな」

村人が言った。慧音は外に出て行った。霖之助もいつの間にか居なくなっていた。



「慧音先生、やはり来てくれましたか」

阿求は少し笑って言う。慧音の表情はいたって真面目だ。風が吹く、木の葉が舞う。

「少し昔話をしましょうか」

「阿求、与太話ならいい。簡潔に言え」

「先生の読みは殆ど的中しています、確かに村人たちの中に首魁は居ます」

阿求はそう言い、くるりと背を向ける。そして歩き出す。歩調はとてもゆっくりとしていた。流れる河よりも遅い。

「殆どってどういうことだ?それに、お前はこの異変の元凶を知っているのか?」

「だから、昔話をしましょうか、と誘ったんですよ。慧音先生」

阿求は立ち止まる。


「簡単に言いましょう。異変の元凶は神です」

「あと、もう一つ。殆どと言ったのはそれが不正解だからです。確かに敵は見ています。ですがッ!ここですっ!」

阿求の口調が急におかしくなり、左手が家を指差す。

慧音は急いで距離をとる。嵌められた、慧音は自分を責めた。忘れていた、あいつは人を操る。力を持つ阿求も例外ではない。家から男が出てくる。阿求は頭を掻き毟りながら何処かへ走って行った。

「慧音先生、久しぶり」

「貴様…!」

慧音は距離を置いて力を溜める、男はニヤリと笑う。



霖之助はある店の前に居た。それは霧雨道具店である。最近は会っていないが、ここには以前の師がいる。

だが、反応が帰ってこない、何時もなら悪態をつきながら出てくるのだが。しばらくするとドアの前に紙が置かれていることに気づいた。霖之助はそれを見る、

”自分でやれ”

5文字だけ書かれていた、擲り書きのようであり、恐らく何か起こることが分かっていたのだろう。霖之助は来た道を走って戻っていった。



「闘いながら話すのは得意だぜ」

男はそう叫んで何か飛ばしてくる。慧音はそれを躱す。慧音は距離を置いて弾幕で攻撃することにした、肉弾戦は不可能であろう。相手の飛ばした糸を避け続ける。男も慧音の弾幕を走り回りながら避ける。その度に糸を飛ばしてくる。速いが回避できないほどではない。

「どうした上白沢!その程度か?」

「産霊 ファーストピラミッド」

慧音が宣言する。すると先ほどよりも密度が濃くなった弾幕が男に襲いかかる。男は眉をひそめる、だが依然余裕の表情である。

「ヒャッハァァァァァァ!マシなもん撃てるじゃねぇか!」

男は笑う、そして糸を放つ、だが糸が長くなっていた。男は糸を何本か放つ。慧音は躱す、そして糸から離れる。

「赤糸束 エグザイル」

男がそう言うと、糸が急激に収束していく。そして糸が慧音を捕まえようと畝る。慧音は飛んで避ける。糸は迫ってくる。男は先程とは打って変わって静かである。

「青糸 クルガッド」

男がそう言う、すると糸が目にも留まらぬ速度で慧音に迫る。慧音は糸に当たる。慧音の体の感覚が消えていく。

「遅い…」


「お前がな」

霖之助が男の首を斬り落とした。男の顔は驚きを写していた。だが何故か笑みに戻っていった。

「ははははははははははははははははははははははは

目的は果たした!あ?目的?すぐ分かる!俺たちの正体もな…」

男は言い残して動かなくなった。



妹紅は異変に気付いた、裏から火の手が上がっている。急いで人里に入る。



「そうだ、言い忘れていた」

急に男が立ち上がる、慧音と霖之助は振り返る。莫迦な、首がとれて話せるなど。妹紅も駆けつけてきた。

「俺の能力はmarionnette、人を操ることができる。

そしてもう一つ、ここに来た理由だが…簡単だ。移民政策だよ」

妹紅は構わず火を纏って男に飛びかかった。

「話は聞きたまえよ、藤原妹紅」

男は妹紅が迫る中言った。



「輝夜?」

魔理沙は小さく言った、だが返事はない。迷いの竹林に飛んできたが、中から叫び声が聞こえる。魔理沙は永遠亭のドアを開けた。輝夜の悲鳴が中から聞こえる。

「いだい!いだい!いだいいだいいだい!永琳!助けて!」

「姫様!しっかり!しっかりです!貴様!さっさと離れろ!」

魔理沙はゆっくりと襖を開けた、横から永琳が吹き飛んでくる。魔理沙は一瞬気付かずに入る。

「魔理沙…逃げ…」

そこには地獄が映っていた。美しい部屋は血みどろに染まっている。血だけでなく黒々とした何かが打ち捨てられている。その真ん中に輝夜が横たわっている。腹部は真赤である。腸のようなものがだらりと出ている。だがもう一つ疑問点があった。

「小悪魔?なにしてんだ?」

魔理沙は一番異質なものに声を投げかけた。紅魔館の小悪魔が輝夜を屠っている。小悪魔は咀嚼を止めて魔理沙を見る。魔理沙に鳥肌が立つ、こいつはまずい。本能的な恐怖を感じた。魔理沙は八卦炉でマスタースパークをぶっ放した。この瞬間の唯一の防衛手段。

「霧雨魔理沙、弱い」

小悪魔は口に腸のようなものを咥えたまま言った、その瞬間魔理沙が吹き飛ばされる。マスタースパークは手で弾かれた。魔理沙は小悪魔だったものを見る。小悪魔の姿が変わっていく、髪型が輝夜を模した美しく神々しいさらりとした髪型に変わる、目の下に痣ができる。そして口の中から舌が生える。背中の羽が巨大になる。魔理沙はゆっくりと立ち上がる。小悪魔は輝夜を横に蹴り飛ばした。輝夜は小さい呻き声を出して動かなくなった。小悪魔が4枚となった羽を広げた。絶望が魔理沙を襲った。


「話を続けよう、私の能力はPuppet Master。人を操ることができる、無機物もだ。だがそれだけではない」

男が妹紅の一撃を躱す、妹紅は何故か急に動かなくなる。

「私は4時間後までの物質を操ることができる」

男がそう言った瞬間、身体が動かなくなる。先ほどの能力で操ったのだろう。そして結界も崩落した。

「残念だったな人里の諸君、君たちにはもう私を倒せない、最後に私の名を、クリンガン」

クリンガンは言い残して去っていった。

遅れてしまって申し訳ございません

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