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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.11 裏戸のスキッド
184/195

第184話 本職の男



 暗い地下〝工場〟の中で機械(メカ)とロボットに囲まれて。


 がっちり拘束されたレイラとギルバン。


 相変わらず危機(ピンチ)である。


 「とにかく、ここをすぐに脱出しなきゃ」


 とレイラ。


 「クーゴの気が変わって、すぐに殺しに来るかもしれない」

 

 「あいつ焦ってたぞ」


 ギルバンは思案顔。


 「まだ殺しをする決心がついてないように見えた。それに配下も引き連れずにきた。訳ありだな」


 的確な推理を披露する。


 「あいつ、技術屋(メカニック)って言ったよな。戦闘員じゃない。それで、(パンチ)も弱かった。殺人(コロシ)ってのは度胸が必要だ。いざとなるとビビっちまう奴には、無理だ」


 レイラは、


 「追い込まれたら、一般人だって殺人くらいするじゃない。クーゴはギャングのゴタゴタで追い込まれてるのよ。度胸だ覚悟だ言ってる場合じゃない。絶対に私を殺すから。殺して死体を隠して、勝手に逃げたことにするんだって」


 「なるほど」


 と、ギルバン。工場の中を見回す。機械(メカ)やロボットが、こっちを睨んでいるような。


 「死体処理か。確かに、これだけ工作機械があれば、摺り潰すのも、切り刻むのも、溶かすのも、何でもできるな。死体の処理っていうのは、一般人にはかなり厄介なんだか、工場の王とか称してる奴にはお手の物だろ。これはやばいね」


 「でしょ? だから早く逃げなきゃ」


 「逃げる、か。レイラ、脱出方法、何か考えはあるのか?」


 うーん、とレイラは考えて、


 「2人で頑張って身をよじって、もがいていれば、拘束具(これ)が緩むんじゃないかな」


 「さすがは下着モデルのお嬢さんだ」


 ギルバン、呆れたように、


 「それじゃ、絶対無理だぜ。あのギャングが俺たちを切り刻みに戻ってくるほうが早い」


 本職(プロ)の刑事であるレイラは、またまた自尊心(プライド)を傷つけられたが、


 「じゃあ、どうするの? 何か考えがあるの?」


 「ああ」


 ギルバンは、平然と、言う。


 「俺は本職(プロ)の探偵だぜ。それに、あのギャング、技術屋(メカニック)で、経済犯罪担当なんだよな? 戦闘員じゃない。命のやり取りの場数を踏んでいない。いろいろ基本ができてないぜ。抜けてるところがいっぱいだ」


 「どういうこと?」


 まだ希望はあるのか? と目を輝かすレイラの耳元に、ギルバンは、口を寄せる。


 「よく聞いてくれ。俺の手首の腕時計には、レーザーナイフが、ついている。それで、拘束具(これ)は切れる。だが、あいつは、2重3重の(トラップ)を仕掛けてあると言っていた。単なる脅しじゃないだろう。ここの機械(メカ)どもが襲ってくる前に逃げるんだ」


 「うん……大丈夫かな?」


 「ああ、クーゴの奴も、平然と工場歩いてただろ。ちょっと身動きしたらすぐ切り刻まれるとか、そういう仕掛けではないわけだ」


 「なるほど。(トラップ)、防げるの?」


 「あいつが出て行ったルートを、そのまま行けばいい。それが安全な道だ」


 「わかった」


 「よし、レイラ」


 ギルバンの眼が光る。


 「一瞬で、拘束具(これ)を切る。そしたら、すぐ走る。お前も全力でついてくるんだ。いいか、ちょっとでも遅れたら、()られると思え。切り刻まれるか、摺り潰されるか、溶かされるか、焼かれるか、それはわからないが、とにかく俺たちは終わりだ」

 

 「ついて行くよ」


 レイラは頷く。


 「任せて。走るのは自信がある」


 「よし、いい子だ」


 宇宙警察のエリート刑事である自分に上から目線のギルバンに、レイラはキリキリするが、今はそんなこと言ってる場合ではない。


 なんであれ頼りになる男なのだ。


 とにかく、脱出最優先。



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