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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.11 裏戸のスキッド
176/195

第176話 思い出の場所へ



 なんだか、まずいことになった。


 やはりギャングに関わるべきじゃなかった。当たり前のことだけど。


 レイラは、そう思ったものの。


 クーゴにナイフを突きつけられ、歩かされる。背中に冷たいものを感じる。


 「どこへ連れて行くの?」


 「こっちだ」


 事務所の横の壁、すっと開く。通路が現れる。


 クーゴはニヤリとする。


 「スキッド兄貴自慢の裏戸(バックドア)だ。ミル、知ってるよな。秘密の通路。便利なもんだぜ。うちの縄張り(テリトリー)には、これがいっぱい作ってあるからな。兄貴は俺のことは信用してくれて、教えてくれたんだ。まったく大した兄貴だぜ」


 なるほど、これが裏戸(バックドア)のスキッドの縄張り(テリトリー)か。レイラは黙って通路に。


 すぐ後ろにナイフを突きつけたクーゴが、ついてくる。


 少し行くと。


 ガレージに出た。誰もいない。


 「乗るんだ」


 クーゴはエアカーを指す。


 「ねえ、本当に私はミルじゃなくてーー」


 言ってみるがクーゴは、


 「まだ言ってるのか。わかったよ。話は後でじっくり聞くから」


 取り付く島もない。


 レイラは、ひとまずエアカーに乗り込むが、


 「ああっ!」


 強い衝撃を感じた。電撃ショックだ。クーゴはナイフだけでなく、電撃銃も持っていたんだ。やられた。


 意識が遠くなった。



 ◇



 だんだんと意識がはっきりしてきた。


 私、何やってるんだろう。


 アスターシャの案内でクラブへ行って。


 ギャングの事務所に案内されて。


 クーゴにナイフで脅されて、エアカーに連れ込まれて。


 電撃ショックを食らって意識を失った。


 目を開ける。


 「気がついたかい?」


 目の前にいるのは、クーゴ。


 レイラは床に座らされている。手足はきっちりと縛られていた。身動きできない。


 「ちょっと、どういうつもり? 私をどうするの?」


 レイラは、きっと睨むが、クーゴは、


 「ミル姐さん、そんな顔するなよ。俺は、あんたのことが、昔から大好きなんだぜ」


 「私はミルじゃないって」


 「もういいよ。そういうのは。さ、ここは、あんたの思い出の場所だぜ」


 レイラ、周囲を見回す。


 広い。


 エアカーがある。ガレージか? いや、各種の大型電子機器に、ロボット、それに工作機械が所狭しと並んでいる。


 「おかえり、ミル。俺の〝工場〟だ。俺がここの(チーフ)だ。覚えてるだろ? 姐さんとスキッド兄貴の、最初の夜の場所だ。忘れられるわけねえよな」


 クーゴ、くっくっと笑う。異様な眼をしていた。



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