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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.11 裏戸のスキッド
140/195

第140話 ミルのファイル




 ミル。


 正式な本名をミル・フレイザーという。


 スキッドのギャング団のファイルに、ミルのデータもあった。


 孤児院出身。3年前、15歳で裏街(アンダーグラウンド)に出て、スキッドの女となり、それ以来、ずっとスキッドの側にいた。


 アスターシャの言っていた通りだ。


 ミルの画像もいろいろあった。アスターシャとそっくりの顔だ。紫の瞳。豊かな藍色の髪。昔、スキッドと一緒に撮られた画像。まだ幼く、自信なさげに見える。


 だが。スキッドが頭角を現し、手下を従え、自分のギャング団を構えるようになると、ミルも次第に自信に満ちた顔になってくる。派手な身なりをするようになってくる。


 アスターシャは、裏街(アンダーグラウンド)のミルのことを、「肩で風を切っていた」「したいように振る舞っていた」と言っていた。


 それはそうだろう。ギャングのボスの女なのだ。


 ミルの経歴。スキッドとの関係については書いてあるが、逮捕歴は、まだなかった。微罪での一時勾留が何回かあるだけである。ギャングのボスの女という立場だ。全く犯罪行為に手を染めてないということは、考えにくい。だが、大きな事件には、関わっていないようだ。スキッドが、ミルが犯罪に関わるのを、極力避けていたのだろうか。


 半年前の一斉摘発でも。


 ミルに逮捕状は、出ていない。


 だが。


 ミルは、裏街(アンダーグラウンド)から、消えた。他の星へ逃げて手術で顔を変えた。


 警察の追及を恐れたのか? いや、それだけではないだろう。自分を守ってくれるボスのスキッドが捕まったことで、身の安全の危険を感じたのではないだろうか。ギャング同士の抗争も、激しいのだ。


 ボスの女も、狙われる立場にある。顔まで変えたと言うのは、よほどの危険を感じたのだろう。


 しかし、一旦、姿をくらましたミルだが。結局、自分には逮捕状は出なかった。仲間のギャングたちもすぐ釈放され、スキッドも短期の収監処分になっただけだった。


 それでミルは、安心した、ということか。


 この星に、裏街(アンダーグラウンド)に、戻ってくるつもりになった。


 その様子見に。


 新しい顔の画像を、妹のアスターシャや、仲間たちに送ってきた。


 ただ新しい顔の画像を送ってきただけ、というのはどうも中途半端なやり方にみえるが。ミルも、まだ帰ってくることを、迷っているのかもしれない。しかし、完全にスキッドと、裏街(アンダーグラウンド)のギャング達と決別するつもりなら、せっかく変えた顔をみなに教えることは、ありえないだろう。


 ミルは、帰ってくる。いや、もう、この星都に、ひょっとしたら裏街(アンダーグラウンド)のどこかに、潜んでいるのかもしれない。


 ほぼ、間違いなく。ミルはスキッドの出所前に仲間たちのところに現れ、一緒にボスの出所を出迎え祝うのだろう。


 スキッドの出所、10日後だ。



 レイラとそっくりの顔のミル。すぐ身近にいるのかも。



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