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下着モデル潜入捜査官レイラの事件簿  作者: 茜見零
事件簿No.11 裏戸のスキッド
136/195

第136話 ミルの仲間



 ゲームセンターの狭い通路で。


 前の大男、後ろのデニムの若い男にはさまれて、レイラは戸惑う。


 デニムの男、レイラの横にすっと立って、大男に何事か耳打ちする。


 途端に大男は真っ青になった。何かをつぶやく。


 スキッド、という言葉が、レイラの耳に聞こえた。前にも聞いた名前だ。


 目を泳がせた大男、レイラの腕から手を離すと、慌てて迷路の中に消えていった。


 いったい何が起きたのか。レイラには、わからない。


 「さ、こっちへ」


 デニムの男、レイラを案内する。


 ついていくべきか。一瞬迷ったが、


 「大丈夫だって。わかってるから」


 デニムの男は白い歯を見せ、レイラの手を握る。


 「さ」


 結局、レイラは男に引っ張っていかれる。



 ◇



 奥のカードルームの一つに、通された。


 大きな(テーブル)がいくつもある。いたのは、1組の男女。みんな、若い。男が2人、女が2人。3人がカードをしている。男1人は、腕組みして(テーブル)に足を投げ出して、トロンとした目でゲームを見物している。長身の男だ。頭が1つ抜けている。不格好な形の大きな頭。


 入ってきたレイラとデニムの男に、みな、一斉に振り向く。


 カードをしていた3人の男女、まるで申し合わせたかのように、驚きの表情を浮かべた。


 「ミル……」


 女の1人から、言葉が洩れた。3人の顔が、凍りつく。


 (テーブル)に足を投げ出していた長身の男は、訝しそうに、


 「ん? どうした? なんなんだ? こいつはいったい誰なんだ? クーゴ、どこで女を拾ってきたんだ?」


 と、入ってきたレイラと、カードを手にしたまま凍りつく3人を、トロンとした目で見比べる。



 ◇



 「ジロモ、まだ見てなかったのか」


 クーゴと呼ばれたデニムの男が、(テーブル)に足を投げ出した男に、声をかける。


 「何を?」


 と、ジロモ。


 「今日、回ってきたやつだよ」


 と、背の低い方の女が、言った。


 「回ってきたやつ? 何だっけ?」


 「ミルの新しい画像(かお)


 「え?」


 ジロモ、眉を寄せた。


 背の高い方の女が、携帯端末(パッド)を取り出し、ジロモに見せる。


 「ああっ!」


 驚愕の表情で、ジロモは携帯端末(パッド)と入り口のレイラを見比べる。そして、(テーブル)から足を下ろし、立ち上がった。


 「ミル!」


 ジロモが叫ぶ。目を見開いているが、まだトロンとしている。


 「本当にミルなんだな? 顔を変えたんだよな? 新しい顔の画像、回ってきてるって、今日、聞いた。戻ってきたのか。驚いたぜ!」


 「ミル、おかえり」


 と、背の高い女。


 「可愛くなったね。その顔、素敵じゃない」


 と、背の低い女。


 レイラの隣のデニムの男、クーゴは、ニヤリとしている。


 残りの1人の男は。まだぽかんとして、レイラを見つめていた。



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