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3.支援の内情

3.支援の内情


「あ……ありがとうございます……ここの養護院代表に代わって、御礼申し上げます。」

 ハーゲル暫定王は俺の甲冑の小手を両手で包みこみ、何度も何度も拝むように頭を下げた。


「誰?この金ぴかの人……。」

「兵士だ!軍隊が攻めて来たぞ!みんな逃げろ!」

「いやぁーっ!」


 いつの間にか周りを子供たちに取り囲まれていた様子だ。俺のステンレス製の光をよく反射する甲冑が珍しいのか、あちこちを突いたり手の甲で軽く叩いたりし始めた。そのうちに誰かが叫び、皆一斉に逃げまどい始める……パニックだ……さっきも取り囲まれてひと騒動となったが、また別グループなのか?


「待て待て待て……この方はエルムグリムからいらっしゃった、勇者様だ!

 攻めて来たんじゃあない!助けに来てくださったんだ!逃げなくていいぞ!」

 すぐにハーゲル暫定王が大声で皆を制すると、一斉に立ち止まって振り返った。


『助けに……?誰を?』


「我々……タッタルン国民みんなをだ……国王様が戦争犯罪で捕まってしまっただろ?国王様がいなくなったタッタルンを、正しい方向に導いてくださるんだ……。」

 おいおいおい……なんかとんでもないことを言い始めたぞ……


「ふうん……勇者って……強いの?」


 集まってきた子供たちの中でも一番背の高い……それでも高校生くらいか?青い髪に大きな青い瞳……あどけない表情は……まだまだ幼さを印象付ける。


 それにしても……スラム街の養護施設なんて……皆ぼろぼろの服を着て素足に履きつぶしたサンダル履きで……何て感じじゃあない。こぎれいなシャツにズボン……女の子はシャツにスカートかワンピの子もいる……先程の子らよりもちょっと年齢層が上のようだから余計に感じるのかな?どの子もそこそこいいとこの坊ちゃん嬢ちゃんって感じの身なりだ。


「そりゃあもう……大軍で攻め込んだ魔王軍を、たった一人で追い返した御方だぞ。強いに決まっているさ。」

 待て待て待て……いくら何でも……そんなことあるわけないだろ?百万の大軍だぞ!


「へえ……すっごく強いんだね……でも……そんな強い人が……何をしに来たの?タッタルンは……平和なんでしょ?この大陸の中で、いっちばん平和だって……あんちゃんだって言っていたじゃないか……。」


「そうなんだ……タッタルンが一番平和……だったんだけど……その平和は……他の国を陥れたり、騙して仲違いさせたりして築いていた……いわゆる偽りの平和だったってことが分かったんだ。


 さっきも言ったけど……この度の国際法廷で……国王様が背任行為など含めた戦争犯罪で捕らえられただろ?エルムグリムとも魔王国とも平和協定を結び、その上で互いの国に不信感を持つように仕向け不安にさせ、そこに付け込みそれぞれの国とタッタルンだけが儲かるような有利な交易を続けていたんだ。


 平和が長く続いて国力が回復して来たら、魔王国をたきつけ攻め込ませたりしていたようだ。両国を争わせて国力を削ぎ、タッタルンだけが儲かるよう仕向けていたんだね……それも全て勇者様に暴かれてしまった。


 そこで……お願いしたんだ……エルムグリムを勝利に導き、更には敗戦した魔王国までも救援して今や豊かな国へと変貌させたように、タッタルンもお導き下さいと……4年越しに……ようやく願いが叶って、勇者様がタッタルンを指導しにお越しくださったんだ。


 これでもう……大丈夫だ。タッタルンは真に豊かな国へと様変わりできる……一部の……王族や貴族だけが潤う、不公平な社会じゃあなくなるんだ。素晴らしいことだろ?」


 言いにくいだろうに……ハーゲル王子は自身の親である前国王がしでかした悪事をきちんと説明して、その上でタッタルンが生まれ変わろうとしていることを、正直に説明した。


「へえ……あんちゃんが何を言ってたか、ほとんどわかんないけど……何が出来るの?」


「何がって……何でもできるぞ。勇者様は天才だからな……あそこの黒い箱あるだろ?馬はどこにも隠れてやしないし、犬とか猫の大群で引いているわけでもない。だけど……ここ迄走って来ただろ?


 あんな凄いものを発明された御方なんだ。」


『へえーっ……』『凄いね!』『天才なんだ!』『神様だ!』

 ハーゲル暫定王は、艶消し黒に塗られた装甲バスを指さしながら、俺をとんでもなく高みへと持ち上げまくる。それに呼応して、子供たちの俺を見る目が変わってきたような……


 まずいぞ……ここまで言われて無策……なんてなったなら……子供たちはがっかりするだろうし、更には俺のことを本当に高く評価してくれている、ハーゲル暫定王の気持ちを踏みにじることに……ううむ……。


「いえいえいえ……おっ俺なんか……まともに役に立たない……ただのぼんくらですよ。それでも必死に考えて、少しでもこの国のお役に立てるよう努力するつもりでは居りますが……余りハードルを上げないでください。お願いいたします。」


 取り敢えずやる気だけはあることを示し、過剰な持ちあげは控えて頂こう。


「ハードル……とは何でしょうかな?揚げるということは……食べ物でしょうかね?」


「いえいえいえ……ハードルとはその……いわゆる障害物……邪魔物のことでして……つまりその……余り天才だの神だのと言われていると……全然役に立たない……とか、期待してたのに……とか、がっかりされたり、思いもよらず低く評価されたらどうしようかと考えてしまい、思いついても言い出しにくくなってしまうので、余り持ち上げないでいただけるとありがたいのですが……。」


 ううむそうか……こちらの世界ではハードル走のような競技がないから、翻訳出来なくてそのままの言葉で出てしまうのだな?比喩表現は控えたほうがいいかもしれんな……


「そんな……とんでもありませんよ。勇者様がおっしゃることは……言葉一つ一つに重みがあって、どれも素晴らしい正に神からのお告げなのです。


 父が以前から悔しがっておりましたが、魔王国がタッタルンよりエルムグリムの方を重宝し始めた最大の理由として、エルムグリムは見返りを求めず多大な食糧支援や技術支援を繰り返し行ってきました。


 対するタッタルンは、魔族を奴隷として扱っていたエルムグリムと揶揄しながら、タッタルン単独での食料支援をエサにエルムグリムとの決別を交換条件としたり、あるいは漁業権を再度借用するよう求めたりと、常に何らかの見返りを求めてきました。


 おかげでタッタルンが差し伸べようとしていた支援は全て打ち切られ、見返りを求めていなかったはずのエルムグリムに対して魔王国は漁業権を半分差し出すなど……元は最大敵国とみなしていたにも拘らず、180度評価が変わってしまったのです。


 見返りを求めない他国への支援など……言葉にすることは可能でも、実際に行うことは国家としては絶対に不可能なことなのです。なぜならば……それらは全て国民から集めた税金を使って行われるからです。


 如何に潤った国でも最下層では日々の暮らしに目一杯で、必死に働いてその日をようやく暮している人々が存在致します。その人々の目から見て……自分たちの税金が他国の人々の支援として使われていたらどのように感じますか?しかもなんら見返りを求めずに……何の条件もつけずに……。


 裕福な人々からだって不満が上がります……他国に無駄に使う金があるのなら、高い税金を下げろ!とね。


 莫大な国家予算があって極々一部……1パーセントにも満たない額を支援する程度ならいいのでしょうが、確か戦勝1年後からこれ迄の食糧支援や技術支援には、魔王国が支払った賠償金のおおよそ四分の一程度が使われたはずですよね?それをお認めになったエルムグリム国王様もご英断と考えますが、やはりそれは勇者様のお言葉であったから……それに尽きるのです。」


 ハーゲル暫定王の言葉は、俺の胸の内をぐさりと貫いた……俺は支援額の詳細とか、それが当時のエルムグリムに与える影響とか一切聞かされていなかったからな……戦勝でエルムグリムが潤ったのは、魔王国からの賠償金のおかげと聞いてはいたのだが、その四分の一は支援で返していたという事か……。


 言われてみれば確かに……碌な耕作地も持たない敗戦後の魔王国で……1年も経っていれば食料は困窮していて、しかも何十万もの小鬼たちがいると分かっていたのだから……その支援金額は膨大……なものになるとは、ちょっと考えたなら容易に想像できたはずだ……だが……全く考えていなかった。


 賠償金と言うのはあくまでもエルムグリムが受けた被害額に対する保障……荒れ果てた国土を復興させるための費用だったはずだからな。俺が提案した鉄筋コンクリート住宅で高層化が可能となり、一戸当たりの建築費は削減できたが、それだって莫大な削減と言った効果ではなかったはずだ。


 それよりも魔王国への支援に多額を投じるということに、戦後の復興を一日でも早く願っていたはずのエルムグリムの民がどのような印象を受けるのか……反感を買うのか……と言ったことなど一切頭の片隅にも浮かばなかった。


 タッタルンが魔王国への支援を渋るのは……案外肝っ玉が小さい……豊かな国だと自分から言って来たくせにその実ケチだな……程度に感じていたのだが、国家の長として慎重にならざるを得なかったという訳か……だが……エルムグリムでは戦勝の立役者である俺の意見だからこそ、あっさりと取り上げられた……。


 それがどのような結果を生み出すのか……なんにも考えずにただその場の思い付きにしか過ぎない俺の意見が、国家を揺るがすかもしれない規模のものだったというわけだ……なんという……


「い……いやあ……俺はただ……金持ち喧嘩せずともいいますし…………日々の食べ物にも事欠いて常に汲々としていたなら……だったら他国を襲ってでも……と考えるだろうから……逆に言うと、食料を支援してあげたなら、魔王国は襲ってこなくなるのではないだろうかと……そう考えて提案しました。


 丁度その時にタッタルンから、魔王国軍を撃退した武器を教えてほしい旨の要望が来たので、それでしたら一緒に食糧支援しましょうとなったわけです。


 おかげで初年度の食糧支援は半分で済みましたし、2年目からはタッタルンは支援打ち切りを宣言してきましたが、その時にはすでに合同の漁業も開始して、開発中の棚田からも収穫が見込める程度には発展していたので、食糧支援の増額はなかったと聞いております。」


 それでも俺が提案した海での漁業による増収と、何より魔王国が譲ってくれた漁業権のおかげで、大陸棚での漁獲収入が格段に伸び、魔王国への支援など帳消しになったとも聞いている。


 支援のおかげで魔王国も大いに潤ったし、お互いWinWinの関係となったわけだ。だけど俺にはそこまでの将来像と言うか……先行きの見通しが見えていた訳では決してない。ただ単に、困っているのだから放っておかずに助けましょうと……ただ提案しただけだ。


「おかげで魔王国は今や林業分野と酪農による畜産分野では、大陸随一と評価されるまでになり、食糧支援や技術支援も予定通りに3年で終了できました。


 その中で俺がしたことと言えば……今申し上げた通りに食糧支援や技術支援をしてあげましょうと提案しただけで、その効果やかかる費用など一切考えずにすべて丸投げ……事務長さんや兵士長さんにレルムさんらが知恵を絞って、少ない予算で最大効果を上げる方法を模索し、王様が承認されててなしえたことです。


 棚田だって……前の世界では山を切り開いて作るこんな農法ありましたよ……って提案しただけで、後は農家出身の魔法兵や僧兵さんらがみんなで試行錯誤して現実化しただけで……俺自身は農業に関しては一切の知識がありませんからね。


 逆に言うと……どれだけ大変だとか……どれだけのお金がかかるとか……実際に自分でやったことがない、学校で習った事柄や前の世界で見知った事柄を……こんなのありました……程度に提案しているだけですからね。後は丸投げで、実際に苦労しているのは事務長さんたち……周りの人たちなんです。


 だから使ったお金に関する責任は王様や事務長さんにあるのだと主張しているのでは決してなくて、俺なんて……実質何の役にも立っていない……と言っているのです。」


 百万の魔王軍を撃退できたのも……戦勝後に魔王国へ支援を行い関係改善図れたのも……俺の提案が発端であることに違いはないのだが……あくまでも俺はただ提案しただけで、それを現実にしたのは事務長さんだし、案を認めて予算を出したのは王様なのだ。俺は何の役にも立ってはいない。


「いえいえいえ……ですから……そうではないのです……例えば……魔王軍との戦いで、大きな戦果を挙げた落とし穴だって……そりゃあ狩猟の罠として使うものですから……タッタルンの猟師たちだって作り方は知っております。ですがそれを戦争に使うなんて……我々この世界の住民は誰も思いつきませんよ。


 そのほか……剣に槍に薙刀……等の武器を持たせようとするよりも、一つでも多くの呪文を覚えるよう、兵士たちに指示する程度でしょうからね……発想自体がこの世界にはなく斬新なのです。


 ですから提案だけ……ではなくて……勇者様の提案自体が……この世界にとっては貴重で有難いものなのです。」


 ハーゲル暫定王はそう言いながら、深く頭を下げた。はあ……ハードルがまた上がってしまった……はあ……背景や影響を深く考えない……只能天気な俺が出す意見だからこそ斬新で貴重という事なのか?


 だったらまあ……これからもそう深くは考えずに、自分でいいと思ったことは迷わずに口にするべきだな。


 とりあえず……ここ迄はそれなりの成果が上がっているのだから……俺の適当な意見もそれなりと……いい風に考えておこう……だが……今後は少しは自分の胸の内で検討してから口に出してみようかな。


「はあ……買い被りもいいところとしか言えないのですけど……俺の思い付きがお役に立つという事であれば……今ここの環境を見たうえでの感想を述べさせていただくと……来る前に、装甲バスの運転手の魔導士にこの場所の住所を言ったところ、タッタルンでも有数のスラム街で危険なところだと言われました。


 それでも装甲バスだから……乗っている限りは安全だろうと言われてきてみたのですけど……ですが来てみると危険な点は全くない。それだけではなく、スラム街のほぼ中心であろうこの場所は案外きれいに整備され、建物もそこそこ立派である上に、孤児である子供たちも随分と身ぎれい……。


 それは暫定王様たちが、以前から支援されていたからなのですよね?」


「はあ……それは……そうですが……それが何か?」

 俺がここにきて受けた印象を打ち明けると、ハーゲル暫定王は不思議そうに首を傾げた。


「ほぼ崩れかけたバラックのような住居の群れを通った先……貧民窟の奥の奥が……こんなに整備された豊かな場所なのですよ……不思議ではありませんか?」


「それは……私が育てられた養護院に感謝の念を忘れずに……私は受け入れられるべき各貴族らにたらいまわしされて、放り出される寸前で、ここに助けられたのですからね……正に命の恩人。


 その感謝の気持ちで……私が王家に引き取られてからはずっと支援を続けております。ですが支援と言っても所詮は我が母様と私……つまり個人によるものですから……スラム街全住民へ行き渡るほどにはいかず……申し訳ないのですが養護院限定で……となっているのです。


 本当に申し訳ありません……スラム街全体を潤すだけの財力が……いえ……父である王様を説得して動かしてでも、スラム街全体に行き渡るだけの支援をやっておくべき考えに至らず……」


 ハーゲル暫定王は支援が養護院だけに限定されているのを俺が責めているとでも勘違いしたのか、申し訳なさそうに後頭部を掻きながら、顔を赤らめて頭を下げた。


「いえいえいえいえ……けけ決して……ハーゲル暫定王さまの行為を責めているわけではありません。むしろ立派な……案外人は……高みに昇ってしまうと、それまでお世話になった関係などすっかり忘れて、ちやほやされていい気になって……だと思うのですけど……ハーゲル暫定王さまは決して恩義を忘れていない。


 責めているのではなくむしろ褒めたたえているのです。その上で……不思議と申し上げているのです……危険な場所と称されるスラム街のど真ん中で……そこそこ裕福な生活をしている養護院の子供たちが……どうして標的にされていないのでしょうか?


 普通なら金に困って養護院を襲って強奪する……とか、子供たちを誘拐して身代金を要求する……だとか……あっても不思議ではありませんよね?なのになぜでしょうか?」

 俺がここへきてずっと感じていた違和感を、ハーゲル暫定王に向けて投げかけてみる。


「ああ……そう言えば……私がここにいた時は……この施設も本当にぼろぼろのあばら家で……それこそ周囲の住民らと助け合って……ようやく生活していたような……雨が降れば屋根の雨漏りの修理に等……駆けつけて頂いたものです。


 私が王家に引き取られる時は……周囲の人たちみんなが祝福してくれましたし、母様が養護院の支援を始めた時にも周囲の人々は、ようやく支援が来たんだと……一緒に喜んでいました。だから……おかしいと思ったことは一度も……だけど確かに……これだけ明確な貧富の差が生じてきているのに……」


 ようやく俺の疑問に気付いてくれたのか……ハーゲル暫定王は腕を組み目を閉じ思案を始めた。


「ちょっと子供たちに聞いてみましょう……おーい!」

 そうして周囲に散って行った子供たちを、もう一度大声で呼び集め始めた。



「皆……答えてくれ……この地区は食い詰めた貧しい人々が最後に流れ着く場所であり、危険なスラム街と言われている。その中心にある養護院は援助によって潤ってはいるが……周りの住民らから、安心して暮らせるために支援金の一部をよこせとか……言われてはいないのかい?


 あるいは……君らが着ている綺麗な服を寄こせとか……高校はスラム街の外の一般の高校に通っているはずだよね?学校に持っていく弁当を通学路途中で横取りされるとか……そんな被害に遭った子はいないかな?」

 ハーゲル暫定王はしゃがみ込んで子供らと目線を合わせ、優しい口調で尋ねた。


「そんな……周りの叔父さんたちも叔母さんたちもみんな親切で優しい人たちばかりだよ。何か盗られることなんて……一度だって起きたことはないよ。


 院長さんが大変だろうからって……支援金の一部を使って炊き出しを行っているけど……それがいけないことなの?だってだって……日雇いの仕事なんて毎日はなくって……食べるのに困っているんだよ……炊き出しはせいぜい二日に一度だけで……ようやく工面してくれている支援金をやたらとは使えないって……


 決して脅されて……とか……そんなんじゃあなくて、養護院だけが支援を受けられて……あたしたちだけが幸せならいいとは言えないんだって……だから絶対無駄遣いなんてしないで、あたしたちだってバイトもするし節約して節約して……余裕が出来たお金で炊き出ししているんだよ。


 それがそんなに悪いことなの?無駄遣いするなら支援金はもう……貰えない?だったら……あたしたちの洋服代とか学校へ通うお金はいらないから……炊き出しで……周りの人を助ける程度だけは……僅かなお金でいいからそれだけは支援して欲しいけど……だめ?」


 ハーゲル暫定王の前に集まってきた子供たちのうち、先頭中央の女の子が答えてくれたのだが、途中から涙目になって、必死にこらえながら訴えるように願い始めた……まずい……趣旨が違ってきている……。


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