14.いざエルムグリムへ
14.いざ、エルムグリムへ
「なんと……小鬼妊婦の開腹術に成功したのか?母子ともに元気?なんと……なんと有り難い。これは正に革命的な出来事だ……小鬼たちの出産による悲劇が解消され、新たな命を受け取る喜びだけに切り替わる……素晴らしい出来事……ハルシュー殿であったな……是非ともお礼を……。」
2階奥の謁見室にはすでに魔王が来ていて、ダッフンバルト2世が手術の成功を告げると大層喜ばれていた。
「ハルシュー殿は術後の経過を見たいとおっしゃられ、病室まで患者に付き添われました。患者はまだ催眠魔法が効いて眠っているので、目が覚めて容体確認したならここへお呼びしましょう。
それよりも……先日お話いたしましたタッタルンとの軍事協約の件ですが、たった今エルムグリムからエルムグリム側の同盟協定書をお持ちいただきました。ご確認願えますか?」
魔王はすぐにハルシューさんに礼を言いたいと言い出したが、ハルシューさんは病室なので、まずは兵士長が持ってきた同盟協定書の確認をお願いする。
「おおっ……タッタルンの件だな?いかな無法を働くにしても、敵対する両国とそれぞれ軍事協約と同盟協定を結ぶことなどありえんだろ……そんなことしたなら重大な国際協定違反だ。
いや……それ以前に人として……どうかと疑われてしまう行為なのだぞ。ましてやその上で、我が国にエルムグリム侵攻をそそのかしたなどとなったなら、それこそ戦争犯罪と言えるのではないのか?
到底信じられんな……。
タッタルンは敗戦後もしつこく何度も伝令バトを飛ばしてきおって……こちらはエルムグリムからの温かいご支援で十分に潤ってきているからいいというにもかかわらず、単独で永年の食糧支援を行いたいと言い出すし……勿論その為には漁業権の委託と敵国であるエルムグリムとの関係を遮断するよう言ってきたりと……。
当たり前だがすべて丁重にお断りしておる……エルムグリムはタッタルンと違い、援助の際にいちいち条件を付けてこないで完全無償で行ってくれているし、何よりも敗戦で何もかも失い窮乏していた我が国へ、いの一番に温かい手を差し伸べて頂いたのだからな……いくら長年に渡る付き合いがあったにしても、タッタルンを選択する意味など全くない。
友好国であった魔王国が敵国であるエルムグリムとつながることを、面白く思っていないからこその支援申し出であると、背景が見え見えだからな……。
まさかそのタッタルンが、エルムグリムと同盟協定を結んでいたなどと……あり得ないことだぞ。
かの国は、4百年前に分離独立した後は、母国であるエルムグリムを敵国と、公然と宣言していた国なのだからな……妖精国だって獣人国だってその点は承知しているはずだ。エルムグリムは大陸内の同胞であるはずの魔族や獣人族に妖精族らを奴隷として監禁し、売買している人道無視の悪鬼だとしてな……。」
魔王は開口一番、エルムグリムとタッタルンとの同盟協定を、完全否定した。なんと……タッタルンはエルムグリムを非道な国だと揶揄して敵国扱いしていたのだ……その裏でエルムグリムに親しく近づき、大陸間航行の大型船を共同建造し、他の大陸の国々との交易をだまし討ちみたいな形で手に入れたりしていたのだ。
そりゃあ……他の国はエルムグリムに否定的だから、タッタルンのやりたい放題だっただろうな……そうしてちょっとエルムグリムとの関係が悪くなりかけると、魔王国へエルムグリムへの侵攻をそそのかして……タッタルン側の陰謀の大まかな筋書きが読めて来たぞ……。
「これを、ご覧ください。」
兵士長が運んできた同盟協定書の巻物を、魔王はダッフンバルト2世経由で受け取ってからゆっくりと閉じ紐をほどいて開き始めた。
「ふうむ……確かにこの協定書では、敵国は魔王国となっておるの……妖精国や獣人国ではなく、魔王国一国に……そうして……確かにタッタルン王の印が押されておる……ふうむ……信じられんことだ。
おいっ……魔王国とタッタルンとの軍事協約書と共同宣言書をお見せしろ!」
「はっ」
エルムグリムとタッタルン間の同盟協定書を吟味していた魔王だったが、すぐにそばの兵に命じて魔王国側の協定文書が兵士長の下へ届けられた。
「わが王になり替わり、拝見いたします……。」
兵士長が厳かに巻物を解いて中身を確認する……
「魔王国とタッタルンとも軍事協約書を結んでいたが、エルムグリム侵攻に際して、さすがに同じ人間族である国へ表立って攻め込むわけにはいかぬと、一旦同盟の文書を破棄し新たに結びなおしたものだ。侵攻には協力できないが代わりに、資金や食糧輸送など背後からの支援を行う旨の内容だ。
同盟の代わりにエルムグリムはタッタルンと魔王国共通の敵国である旨の宣言書も取り交わした。
エルムグリム侵攻時、途中で食料の補給路を断たれてしまった際に援助を求めたのだが、全く呼びかけに応じようとしなかったのだがな……どうにもあの国は信用できんと内心では感じていた。
だが……まさかこのような2重取引を行っておったとは……一体何の目的で?」
兵士長が確認している二つの文書の内容を、魔王が詳細に説明してくれた。
「それは……エルムグリムと魔王国を戦わせて、双方の味方をする振りをして利益を得ようとの考えでしょうな。現にエルムグリムは魔王国進攻のたびにタッタルンと不利な友好条約を結ばされ、更に通商の面でもずいぶんと暴利を得られていたようです。特に魚介類に関してはひどかった……。」
魔王の疑問に事務長が簡潔に答えた。
「成程……我が国も漁業権をタッタルンに預けていたのだが、収穫を随分と誤魔化されていたようでしたな……我々では小鬼たちへ漁業指導も行えず頼るしかなかったのだが、長年に渡って随分とあくどい真似を……。
エルムグリムは漁業でも農業でも林業でも小鬼たちへの指導をしてくださり、小鬼たちが自ら従事できるようにして下さった……しかもそれらが軌道に乗るまでは食糧支援まで……どうしてそのような温情あふれる国を敵国とみなしておったのか……王として本当に見る目がなかったと深く反省している次第です。」
魔王が深く深ーく頭を下げた。でも今日は、死んで償いを……とか言い出さないから助かるな。小鬼の出産に際しての開腹術が成功したとの報告を受けたからかな……多くの小鬼女性兵を失ってしまい、小鬼という種族の存続の危機であったのが、僅かだが希望が見えてきたわけだからな……。
「大変申し訳ありませんが、この二つの文書をお貸し願えませんかな?正式にタッタルンへ出向き、エルムグリムとの同盟協定書とともにタッタルン王へ見せ、その責任を問う必要性が御座います。
何卒よろしくお願いいたします……。」
内容確認を終えた兵士長が、魔王に文書を貸してほしいと申し出た。確かにな……魔王国で軍事協約書を見ましたよ……と申し出たところで、とぼけられては話が進まない。現物を見せて言い逃れできないようにする必要性があるわな……だがしかし……正式な外交文書……簡単には貸してくれないだろうな……。
「それなら問題ありません……ギレージュが奴隷として飼われていた場所を特定するために、皆様方がお帰りの際に同行することが決まっております。私も御一緒させていただきますので、この二つの文書は私が持参いたします。そうであれば、外交文書を他国に預けることもなくなるので、問題ありませんよね?」
すぐにダッフンバルト2世自身が文書を持っていく旨を魔王に告げた。
「おお……行ってくれるか……そうか……ギレージュも一緒にか……奴が常に主張している、エルムグリムでの奴隷問題が、それで明らかになってくれると良いな……。」
魔王が二つの外交文書の持ち出しを承認してくれた……ギレージュとダッフンバルト2世のエルムグリムへの訪問と併せて……ようし、これでタッタルンの悪だくみを明らかにして、罪を償わせる足がかりが出来たぞ……あとはうまい事奴隷制度と絡めて、糸を手繰って行けるかどうかだな……。
旧議会議長の屋敷地下に巨大な檻があったと聞いた時から、奴隷売買はタッタルン王家がらみなんじゃないかと疑ってはいるのだが、どこにも証拠がないし、手が出せそうもなかった。ハルシューさんにタッタルンまで行ってもらったにも拘らず、尻尾を掴めないでいたからな。
だが……タッタルン王家に直接罰を受けさせることが出来たなら……どさくさに紛れて家宅捜索なんて王城を調べることだって可能なはずだ。広いお城であれば地下だって広大だろうし、よもや……と疑っているのだ……どうせ叩けば埃が出るような身の上だろうからな……そうして捕らわれている魔族らを開放することが出来たなら……。
こちら側が有利な点としては、流石に数年前まで完全敵国であった両国が、互いの外交機密まで打ち明け合う親密な関係にまで発展しているとは、タッタルンでは想定もしていないであろうという事だ。
終戦後魔王国へ食糧支援をすると申し出た時も、農林業の技術支援を申し出た時ですら、東部地域の小鬼たちへの指導は魔王国では行えないのでありがたいですね……みたいな返事で、関与しようとしなかった。
棚田を作って崖下を埋め立て簡易的な港を作り手漕ぎボートを小鬼たちに与えて漁業指導を開始し、遠洋漁業を共同で行おうと提案した時ですら、だったら魔王国の漁業権を預けるから収益は折半でいいという返事だけで、それ以上の反応はなかった。
小鬼たちの存亡が危ぶまれている状況下に、出産改善が出来るかも知れないので打ち合わせに来てほしいという連絡をして初めて、魔王国王子がエルムグリムへやって来たのだ。
恐らくタッタルンも魔王国とは同じような付き合いで、水晶球によるテレビ電話会議みたいなことは行っていただろうが、魔王国との行き来はできていなかっただろう。
まさか互いの国と結んだ協定書を見せ合うような関係にまで、こんな短期間で発展するとは考えもしていないはずだ、うまく虚をつくことが出来たなら……
それから1週間で、2度の開腹手術が行われた。2回目からはハルシューさんは立ち合いに徹し、研修生の代表が順にメスを握った。2度の手術とも母子ともに助かったが、ハルシューさんに言わせると、とても成功とは言えないような、お粗末な結果らしい。
毎回ハルシューさんによる詳細な解説と反省会が催されたが、最初のメスで皮膚と同時に腹膜迄……ひどいものは内臓にまで達するように深く切り裂いてしまったり……常時ハルシューさんが指示をしてリカバリーをしたようだが、そのままでは母体どころか赤ん坊迄危険に晒してしまうような場面があったようだ。
「送り届けた後、2週間ほど開腹術に立ち会ってから帰るつもりでおりましたが、彼女らだけでは成功率が上がりそうもありません。少なくとも半年くらいは一緒についてやり、少しでも上達するよう指導してやりたいのですが、如何でしょうか?」
そうしてハルシューさんは居残りで、開腹術のサポートを行いたいと言い出した。
「どうにも小鬼たちは戦闘民族という色合いが濃いせいか……常に最大の力を引き出すことは得意なようですが、力を加減するという事が不得手なようです。特に皮膚1枚だけ切り裂く……というような微妙な力加減が出来ません。中に子供が入っている子宮膜だけ切り裂くという事はどうにも、難しいようです。
研修の際は人間の妊婦で練習しても小鬼妊婦とでは皮膚の厚さも異なるから無駄と、ダミー人形以外は実習を行いませんでした。
開腹術を何十例も観察することで実戦的な手順を覚え、あとは実際に小鬼妊婦で試行錯誤しながら覚える……体の構造も全く同じと言う訳ではないから、これで仕方がないと考えておりましたが、根本的なことで問題があると分かりました。
ですが絶対に無理……という事ではないはずです。彼女らは自分たちの運命を切り開くためなら、どのような苦労も惜しまないでしょう。だから……もう少し見守ってやりたいのです。」
ハルシューさんが半年かかるという、明確な理由をつけ足した。なるほど……民族の特徴として、加減して力を出すのが苦手と言う訳ね……ソフトタッチなんて……イライラしてしまうのだろうかな……。
「分かりました……力を制御しながら細かな作業をする特訓ですよね……俺が知っている限りでは、箸で小豆や大豆等の小さな豆をつまんで、片方の皿から別の皿へ移す時間を競う……なんていうゲームとか、簡単なところでは生卵の殻をきれいに割る……容器に卵の小さな殻を入れずに割るのは結構難しいですからね。
他には……あっ……子供たちへの土産用にゴム風船持ってきましたよね?膨らませた風船にクリームとかつけて、風船を割らないように剃刀の刃でそっとそのクリームを削り取って行く訓練とか……これは髭剃りの特訓で床屋さんがやっているというのを聞いたことがあります。」
取り敢えず思いつく限りの力加減……というより器用さの特訓を並べ立てる。ゴムがあることが分かったので、膨らませて遊ぶ子供のおもちゃとしてゴム風船はマーケット販売用に作ってもらったのだ。
魔王国訪問の際も子供への土産として船には積んであったのだが、子供を見かけることが全くなかったので、出しそびれていたわけだ……風船は特訓用に使えそうだぞ……。
「成程……開腹術だけ取得しようとすると、微妙な加減を取得するまでに何人も死んでしまっては困りますからね、別な特訓で学ばせると言う訳ですか……いいと思います……何より研修生が全員同時に特訓できますからね……お聞きした方法を順に何度も繰り返し行わせてみましょう。」
ハルシューさんが早速小鬼研修生らに、特訓を行わせると言ってくれた。研修の空き時間にだってできる簡単な特訓だからな……根気強く行えば、やがて加減が出来るようになるはずだ……。
「では……ハルシューさんのサポートをしてあげてください、よろしくお願いいたします。」
「はい……任せてください……と言っても、我々も元老院議会があるから、そう永くはいられませんが、それでもあとひと月ほどは大丈夫でしょう。交代の兵が着次第引き上げることになりますが、十分な護衛兵は置いておくことは可能でしょう。」
翌朝、俺と事務長はギレージュとダッフンバルト2世を連れて、兵士長らとともにエルムグリムへ戻ることにした。ハッカクさんとターレムさんには1時的に居残ってもらい、ハルシューさんのサポートをお願いした。
これにはダッフンバルト2世が行っていた試験的な菜園管理を、他の魔族たちにも教えてやり、農耕技術を魔族らに定着させて、小鬼たちへの指導を今後も永続的に行って行けるようにする目的もある。他の同行した魔導士らも加わって、大々的に盆地の中の耕作地を広げてやる計画だ。
なんせ……ハルシューさんが半年は帰らないと言っているので、護衛兵が時間を持て余すことがないよう、事務長と兵士長と相談して取り決めた。勿論林業経験者の魔導士には、林業指導を魔族に対して行ってもらうようお願いしてある。
小鬼たちには文字がないこと知らなかったからなあ……指導してやれば、今後は代々伝わって行くものだと考えていたのだが、140年前の侵攻で奪い取った穀倉地帯も年々収穫が落ちて行って、なす術がなかったと聞いたから……結局は魔族を教育しなければならないという結論に辿り着いたのだ。
だったら開腹術だって同じことだと思い魔王に相談したところ、開腹術の手順書はハルシューさんがしたためて持参してくれたので、魔族がそれを読みながら新たな小鬼の女性兵らに指導してやることを約束してくれた。基礎さえ十分把握していれば、あとは先輩らについて学べば技量は伝わって行くことだろう。
「素晴らしい乗り物ですね……これはもしかすると飛行術ではなく、機械的なもので飛ばしているのではありませんか?」
飛行船で快適に飛行中、ダッフンバルト2世が甲板へ出てから問いかけて来た。まあすぐに気がつくわな……魔族のような強大な魔力を持っていたとしても、百mずつ上昇しては一旦着陸してから交代して飛行術を唱え……を繰り返して何時間もかけて山を越える高さにまで上昇すると言っていたからな。
それだって人間の魔導士に言わせれば、たったの二人だけで出来るというのは驚異的なことだと驚いていたのだが、飛行船の場合は石炭をくべて上部の風船部分が温まれば、あとは体重を増加させていた魔導士の加減により上昇下降が簡単に行えるのだ。高い山々だって一気に超える高さにまで上昇できる。
驚くに決まっているわな……そうして魔法ではないだろうと気がつく……
「そうですね……これは熱気球の原理で飛んでいます。暖められた空気は軽く、上の方へと上がって行きますよね……それを風船の中に溜めれば風船が上昇していくのです……風船に船をつけているだけです。」
別に隠しておくつもりもないので、原理を簡単に説明しておく。
「はあ……画期的な発明……?という表現でよろしいでしょうか?新たな魔法効果が出現した場合、それが既にあって廃れたものであった場合は発掘で、完全に新たな効果が得られた場合は発明と表現します。
なので発明でよろしいですよね?……確かに温まった空気が上の方へ移動することは知ってはいましたが……それを利用しようと考えた者はいないはずで……流石ですね……百万もの兵を送り込んだ魔王国が、あっさりと逆転されて追い返され、最終的に大きな被害を出して負けるわけだ……流石勇者様だ……。」
ダッフンバルト2世は苦笑い的な表情で、何度も大きく頷いた。ううむ……やはり魔法効果が発想の根底にあるようだな……特になんでも魔法で解決できる魔族の場合はそうなのだろうな……飛べるんだし……。
「いえいえいえ……俺は全く魔法が使えません。俺がいた元の世界にも魔法なんて存在しません。なので仕方がないのですよ……こちらの世界では魔法は万能で……火だって水だって風だって簡単に出せるし……向こうじゃあ手ぶらだったなら、火を熾すだけでも大わらわですよ……。
知識さえあれば木と木をこすり合わせて熱を発生させ、木くずのようなものを熱して火種にするでしょうが……実際にやってみると本当にもう……気が遠くなるような作業です。
だから鉄板と表面がざらざらした硬い石とを勢いよく当てて火花を散らせ……石斧とか土器とかもそうですが……何でも発明してようやく暮らしが楽になるというか……魔法がない分知恵を働かせて発明しなければ、生活に支障が出る場面がそれだけ多かったというだけのことですよ……。」
こんな魔法が使えたなら……なあんて……元居た世界では幾度も願ったものだった。仮に飛行術が使えたとしたなら……こちらの世界のように、ゆっくりとしか飛べなくたって構わない。
それでも力を合わせれば、巨大な魔導船だって空に浮かばせることが出来るのだからな。そんな魔法が元の世界でももし使えたなら……恐らく飛行機は発明されていなかっただろうと俺は考える。だって……飛行機がなくたって空を飛んで、結構自由に移動が出来るぞ……船に食料を積んでおけば海外だって……。
必要は発明の母……というが、なんでも魔法で叶ってしまうこの世界は、案外不自由なことがあるし、不自由さに気がついていないというか、その時点で仕方がないと諦めてしまっているのだ。
飛行術もしかり……魔法結界が物理的には物を通してしまったり、物理結界は魔法効果を通してしまったり……魔法の限界……というものが存在しているようだからな……。
だからこそ……魔法がない世界から来た俺の知恵というか何気ない思い付きが功を奏し、勝利へと導けたのだろうと俺は思っている。




