↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

56/105

5.研修生受け入れ

5.研修生受け入れ


「ギレージュがどうして人間を憎んでいるような発言を繰り返すのか、分かりましたよ……ダッフンバルト2世が、そっと耳打ちしてくれました。」

 魔王国の使者が帰った後、事務長たちに速攻で説明しておく。


「成程……確かに数百年前までは、エルムグリムでも奴隷制度はあったと聞くからな。多くは妖精や獣人らの子……だがそのうちに彼らは国を形成し完全独立すると、エルムグリムで奴隷として飼われていた彼らの子らを回収して回った。仕方なくその矛先は魔族の子へと向いたのだろうな……。」


 事務長が神妙な面持ちで、エルムグリムの過去を語った。


「気になるのがですよ……ダッフンバルト2世は今でも……と言っていたことです。」


 この話しを打ち明けた最大の理由を、確認しようとする。どちらかというと魔王軍の恐怖におびえ、ひっそりと盆地内に閉じこもっていた140年間では、魔族の子の奴隷などは考えにくいのだがな……。


「エルムグリム国内で奴隷制度があったという事は、あたしが生活していた中では一度も耳にしたことがなかった。人格のある人族を奴隷とすることは、以前から法律で固く禁じられているからな。じゃあだから……隣国タッタルンでのことと決めつけることもできないだろうな。


 旧議会議長ら貴族議員連中の汚職や背任行為の捜査で家宅捜索を行ったのだが、奴らの家には必ず地下室があり、しかもその奥には巨大で頑丈な檻が必ずと言っていいほど存在した。


 貴族のたしなみでトラやライオンなど猛獣を飼育していたのだと答えてはいたが……勿論戦禍でタッタルンへ疎開していて戻って来たばかりだったから、檻は空で何を飼育していたのか痕跡もなかったのだがな……それが魔族の子らの飼育用の檻だったと考えられないこともない。」


 事務長はそう言って深いため息をついた。無理もない……それが事実だとしたなら、魔王国が大軍でエルムグリムへ攻め込んできた真の理由は、自分たちの同胞の開放であった可能性だってあるのだ。


 だが……流石の俺でもこの懸念は口に出せそうもない……厳しすぎる現実を突きつけられた気分だ。


「取り敢えず王さまにもこの件は報告しておくことにしよう。そうしてエルムグリムに残った貴族らを再度調査して……汚職などしていないどちらかというと庶民派の貴族ばかり残ったのだがな……彼らの現況を至急確認していただくことにしよう。


 彼ら自身は手を染めていなくても、魔族の子の奴隷のことを他の貴族連中から聞いたことがあるかもしれないからな。仮に事実だったとしたなら……今は国外追放となった旧議会議長らの罪が、また一つ追加される。


 しかも奴隷などの人身売買に関わったものは極刑……最高刑は死刑なのだ……これまでの経済犯とは比べ物にならないほどの、重大な犯罪行為だ。


 奴隷制度廃止はタッタルンでも同様のはずだから、正式文書で確認してもよいのだが……これまでの行いから考えて限りなく黒に近い……しかもハーゲル王子はじめ王家自体も関わっている可能性すらある。とぼけられてしまえばそれまでだからな……極秘に調査を進める必要性があるな。」


 事務長は首を大きく横に振りながら、嫌な考えを振り払うかのように言葉を発した。


「それでしたら……私の患者の中に北部の山をいくつも所有する貴族の御曹司がおります。御曹司と言っても自ら自分の山に出向いてキノコ狩りをしたり、木を伐採する木こりの真似事をしたりと……庶民派というよりももっともっとアクティブな性格の人なのですが……しょっちゅう毒キノコを食べては入院しています。


 何でも自分で試してみなければ済まない性格のようで……ですが非常にまじめで信頼できる人柄です。


 彼は旧議会議長と同郷で、学年は2つか3つ下なのですが同じ高校大学で親交があったと聞いています。まあ……議員に立候補するまでの関係だったようですが、今でも訪ねて行けば、旧交を温め合うくらいはできるでしょう。特にケーキやラムネなど、こちらの特産品を土産に持たせてやれば……。」


 すると突然ハルシューさんが、適役がいると言い出した。


「成程……国外追放になったとはいえ……同じ貴族からしてみれば、懐かしい友人と言っても不思議ではない。新生エルムグリムの自慢の菓子を持ってきた……とでも言えば、旧議長も邪険にはしないと言う訳ですね。その上で……さりげなく奴隷の事を聞きだすか……まああまり危険なことはさせられないからな。


 家の中案内してもらって地下室でもあれば、ここは何だ……?くらい聞いて頂く程度だろうな。


 案外ぽろっと言ってしまう可能性だって……何せあの旧議長は、自分たちが行っていた背任行為にしても汚職にしても、さも当然の行い……と言った感じで、罪悪感ゼロだったから……。」


「多分ラッセールが主治医のはずなのでカルテを借りて私も同行し、定期健康診断と称して訪ねてみてもいいかもしれませんね?」


「だったら念のために僧兵を看護師として付き添わせましょう……警護も兼ねてですね。うちから腕利きの回復系魔導士を出しますよ。」


 なんとハルシューさんも同行してくれることに……するとターレムさんが護衛の兵を出すと言ってくれた。


「じゃあうちからは高速打撃に卓越した魔導士を出しますよ。そうすれば装甲車で出発できますよね?うまくすれば1日でタッタルン王都に到着できます。」

 さらにハッカクさん迄……しかもタッタルンへは装甲車で出発できそうだ。


「分かりました、では早速スーパー堤防まで来るよう、手紙を出してみます。色々と旅をするのが好きな人だから、呼べばすぐに来ますよ……列車の旅をしたがっていましたからね。」


「じゃあ……北部山脈駅から王国内の鉄道指定券と、トロッコ列車の乗車券をすぐに発行してきます。」


 速攻で駅までダッシュして、今ではプレミアムチケットと化している鉄道の指定券を無理やり発行した。VIPの突然の移動用に、1等客車に常に数席は空きを確保しているのだ。勿論出発間際まで埋まらなければ、キャンセル待ちの乗客向けに販売される。伊達にトロッコ列車の駅長はしていないのだ……


 列車の指定券を、ハルシューさんの手紙に同梱して差し出した。



「なんだって?全員メ?……いや……じょ……女性ばかりだって?小鬼たちの兵では回復系は全員が女性なのかな?」


 戦時中は魔王国はにっくき敵国で、特にその先兵たる小鬼たちはその見かけより、一匹二匹……と数え、オスメスなんて表現していたものだからつい口が滑りそうになり、危うく押しとどまることが出来た。


 魔族の王子らしき訪問の後、2週間ほどして魔王国から30人の小鬼たちが徒歩で大河を渡ってスーパー堤防の住居ビルへとやって来た。全員が大きな風呂敷包みを背負ってやって来たのだが、そのほとんどが野営用の寝袋というかズタ袋(米や麦を入れていたであろう麦わらで編んだ袋を寝袋代わりにしている様子)と炊飯用の七輪と炭に米や干し肉など……個々で背負ってやって来た。


 恐らく魔王国内でも十数日は歩いて来たのであろう、食料などはほとんど残っていない様子で、それでも不格好に巨大な七輪や土鍋などが重そうで、遥か数百キロの山道を行進してきたというので、帰りは送ってやらねばと全員が心に決めたはずだ。


「いや……回復……普通……男……女回復少ない。女兵……戦わない……多い。回復少しだけ……たくさん……飛行術……外出て戦わない。でも……魔導船……女兵沢山行って死んだ……。我々……女……すごく少ない……もうすぐ……滅亡……魔族様言っていた。


 でも女死なない方法……教えてもらえる聞いた。子供産んで死なない……ほんとか?」


 歓迎レセプション……と言う訳でもないのだが、前回同様仮設診療所がある新築の住居ビルの食堂の喫茶スペースに全員案内し、概略説明から始めようとしたらいきなり本題を突かれた。


「えっえー……前回魔族の方たちがいらっしゃったときにも説明しましたが、今の所人間の出産には成功していますが、皆さまたち小鬼に関してはやったことがないので、分かっていません。


 あくまでも人間の体の構造をもとにした医学ですので、皆さんに対しても成功するかどうかは分かっておりません。皆さんが学んだあとで皆さんの体に合わせて理解しなおし、その上で開腹術を発展させていってください。我々人間側からできるのはあくまでも提案と実行するための手段の教育までです。


 そこから自分たちのためにどこまで発展させることができるかは、大変申し訳ありませんが皆さん自身の手によって行ってください。ですが……理論上……助かる可能性がある……と、いう事です。


 まずは開腹術の概略を説明いたします。」


 あらかじめ喫茶スペースに用意しておいた黒板……既に人体の内臓や子宮の概略図などをハルシューさんに描いてもらっていたものを使って、開腹術の説明を行う。


 奴隷制度の確認のためにハルシューさんは既にタッタルンへ行っているので、ここは俺が代理で説明することになった。まあ……言い出しっぺだから仕方がないな。


 なぜ女性ばかりという事にそれほど驚いたかというと……女性兵ばかりが来るであろうことは、事務長があらかじめ予言というか……予想していた。


「只でも女が少ない小鬼社会……友好国での研修目的とはいえ、女性が非常に多い……しかも結婚適齢期の女性が男性の10倍もいる現状エルムグリムへやって来たなら……過去には凌辱目的で人間の女性をさらっては数を増やしていた小鬼たち……客人とは言え警備を厳重に扱わなければならなくなる。


 しかも自らが提案して招いた客人……余り仰々しい警備もとれないことを想定し、魔族が気を使って女性の回復系のみを募る可能性が大であろう。」


 事務長の予言を前提に、研修生の居室は男性兵の宿舎内ではなく、女性兵用の宿舎を準備していたのだ。女性が多い現状で、女性兵用の寮は空きが少ない中なんとか調整して部屋を空けた現実もあり、事務長の予言がなかったなら……と今思うと、怖ろしくなる。


 話がそれたが……なぜ女性ばかりでかくも驚いたかというと……小鬼たちの服装は戦争時と同様、上半身はほぼ裸だったからだ。男性兵と勘違いして、男性寮へ案内しなくてよかったー……と本当に事務長には感謝感謝だ……予言がなかったなら見た目で男性と判断してしまい、性別確認などしなかっただろうからな。


 独身男性寮には空きがあるので、下手したらそのまま案内していた可能性もあるので、本当に危うかった。


「予想通り……と言っていいのかどうかわからんが、小鬼たちは哺乳類ではない……というか、生物学的には哺乳類なのだろうが、乳首は男性女性に限らず過去の名残だけで、その出産方法から女性の乳で育てることはしないから、女性の乳房が発達することはなくなったのだろう。


 だから男性器と女性器の違い以外での見た目では、男女の別が付きにくいのだ。特に異種族の我々からではな……。」


 俺の説明がひと段落したところで休憩となり、ケーキとラムネが運ばれてきて小鬼兵たちが大感激しながら食べている傍ら、事務長がそっと耳打ちしてくれた。成程……人間の男の乳首も以前は雌雄同体であった頃の、生物としての進化の過程での名残だというからな……。


「でも……女性は飛行術を唱える兵が主だったのであれば……小鬼たちは本当にそのままでは絶滅の危機だったのですよね?なんせ出産で死んでしまうから次世代は、その時の女性の数の6倍にしかならなくて、女性が数を一段と減らしていたなら、百万の半数どころか十分の一以下……にまで低迷することになったはずですよね?


 それは魔王国としても死活問題だったのではないかと……なんせ魔族の数は非常に少ないといっていましたからね……つまり実質的に魔王国を運営……農作業をしたり漁をしたりと言った収穫面だけではなく、家を建てたり道路整備したり……なんてのも……恐らく小鬼たちがいなければ成り立っていかないでしょ?


 元々魔族だけでは暮らしていけないから……だから虐げられていても人間社会の中で生きて行くしかなかったわけだから……これはもう……なんとしてでも……開腹術を成功させねば……という事ですね。」


「ああ……だがこればっかりは……小鬼たちの体の構造次第だからな……多くの生物たちでは……出産が一大イベントで、出産で命を落とす……という事が稀ではないのだからな。


 だがまあ……哺乳類という種族に限って考えたなら……出産後母乳で育てるという事は、母体は安全でなければならない……そういった意味で小鬼たちがどの種族から分離して進化したのかわからぬが、哺乳類系でさえあれば、その出産に際しての手続きだけの問題であり、そこさえクリアできれば母体は助かると、あたしは想定しているし、ハルシューさんもそうであるだろうと予想していた。


 下手に期待させると後で駄目だった時に辛いから、小鬼たちには言えないのだが、まあ……安気に考えて行こう。最初から失敗を想定していては何も進まぬからな。」


 事務長が小さく微笑んだ。同じ女性として小鬼たちの現状を、俺なんかよりももっともっと憂いているのであろう、だがまあ下手に気遣って安心材料を並べることは出来ないのだ。なんせ失敗したときが恐ろしいのだからな。今の所は成否確率はあくまでも五分五分……いや……もっと少ない程度に言っておいた方が良さそうだ。


「まずはここ……スーパー堤防住宅の寮で1週間ほど過ごしていただき、人間社会での生活の仕方など学んでいただきます。食事やトイレにふろなど……生活習慣の違いもあると思いますから、互いに理解し合って一緒に生活できるよう、人間社会での生活の仕方などを紹介させていただきます。


 その後、王都迄行っていただく班とここに残る班と2つに分けて、それぞれの地域で開腹術がメインの医学の勉強をしていただきます。


 あくまでもお互いに快適に過ごすための作法というかマナーなど……例えば外で歩きながら食べたりする場合、食べ物を包んでいた紙や容器などをその辺に捨てたりしない……とか、まあ、食べ歩き以外でも外にごみを捨てるのはいけません。ごみは必ず燃えるごみと燃えないゴミに分別して、収集日に指定された収集場所に指定時間までに出してください。


 あと……トイレは必ず家のものか外では公衆トイレを使うなど……まあ、男の場合は外でのたちションなど……そこそこありましたが、やはり今では公衆衛生上禁止されています。


 極力皆さんの文化というか常識も尊重するつもりではありますが、皆さんの生活様式自体も分かっていないために1週間ほどは我々人間サイドの紹介を行わせてください。そのうえで、ちょっと違う……と思った点は遠慮なく言ってください。双方話し合って妥協できる点は互いに妥協し合っていきましょう。


 例えば……食文化……とかですね。何か皆様方として宗教上食べられないものとか、好き嫌いでも構いませんが、出されても食べられないものがあれば先に言っておいていただけませんか?


 ここでは寮生活をしていただくことになりますので、食事はここ……この食堂で我々と同じ食事をしていただくことになります。主食は米で肉や野菜は食べるという事は、農業指導の際などに見知っておりますから、大きな心配はしておりませんが、個別の要求も受け入れますし、寮の食事メニューも数種類のメニューから選んで食べられますので、その点はご安心ください。


 まずはどうしても食べられないものがあれば……お願いいたします。」


 小鬼たち受け入れに先だって事務長や、小鬼たちへの農業指導等に携わった兵たちも交えて打ち合わせを行ったが、まずは1週間ほどオリエンテーションと言う訳でもないのだが、互いの生活習慣を互いに学ぶための期間を設けることにした。大きな違いはなさそうなのだが、火の始末など安全面から自炊禁止という生活環境であり、食生活の細かな違いも確認しておく必要性がある。


「私たち……何でも食べる。人間食べるもの……皆食べる。人間食べないものも……食べるものある。どんぐりにヒマワリの種……ハチの子、バッタ、芋虫、カブトムシ幼虫など……食べる。最近……米……食べる。肉、魚食べる……。私たち戦争負けた……でも……暮し少し良くなった……。」


『おお……ハチの子?バッタ?虫じゃないか……』

 小鬼たちの代表の言葉に、彼らの世話役として会議に出席していた兵士らからどよめきが生じる。


「ああ……まあ……俺がいた前の世界でもハチの子やイナゴ……バッタですね、その辺は地方によって普通に食べられていました。しかも高級食材として……他にもカエルとか蛇とかだって普通に……国によっては昆虫食と言って、カブトムシの幼虫や芋虫にコオロギなど……缶詰にして売っていましたからね。


 最初は気持ち悪いといって誰も近寄らなかったタコにウニなど……今では普通に寮食メニューに入っていて食べるじゃないですか……その程度なら普通ですよ。」


 エルムグリムは海がなかったせいか、タコにウニなど形が特殊なものは、気持ち悪がって誰も食べようとはしなかった。平地が多く気候も良くて農業や畜産業が発達しているためか、ハチの子やイナゴなど昆虫を食べる習慣もない。(北部の山間部でも、そのような食文化は存在しなかった)


 仕方がないのでタコは俺が自分で捌いて茹でて、酢だこやタコ焼きなどにして食べさせたら、タコ焼きは子供向けの人気メニューとなったし、ウニは大人気のすしネタだ……海苔が出来た時点で寿司も俺が紹介し、今では週に1回は寮食に寿司デーがあるほど人気だ。


 ゲテモノ料理なるものがあることも聞いたことがあるし、昆虫食は前の世界では人口が増え続けた場合の大事な食料として注目されているとニュースで取り上げられていたからな……普通普通……。


「食事に問題なさそうなのは安心しました。これから寮の部屋に案内して生活環境について……洗濯場などの案内をしますが、研修時間以外の余暇の過ごし方として……様々な運動施設もありますので、おいおい紹介していきます。俺がいた前の世界のスポーツなどありますから、楽しみにしてください。」


 バレーボールやバスケットボールが出来る体育館に、野球場にサッカーグラウンド、テニスコートなども王都の住居ビル横にも作ってあるからな。他にも武道場など……こちらはエルムグリムの人たちの要望で早々に建てられていた。


 小鬼たちの余暇の過ごし方などまるで分っていないから……おいおい確認していく必要があるだろう。案外読書……なんかだったりして……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。