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ホビーについて

 ホビー。現在15歳。

 銀行員の父を持つ裕福な家に生まれた。5歳までは母親の教育的意向でカンザス州の祖母の家で過ごす。自然と愛情で包まれた豊かな幼少期であった。


 しかし―――


 6歳でエレメンタリースクールに入学すると、彼はいじめの標的とされてしまう。

 原因は彼の裕福な家柄にあった。服がいい。モノを持っている。そういうことが同じ小学生ながら嫉みとなって純粋無垢な彼の身へと向けられたのだ。

 

ここで少し彼の人生が狂った。


 毎日が苦痛だったと彼は言う。そうして精神的、肉体的苦痛の日々の中で彼は「不幸」ということを覚えた。と同時に彼自身のある体質を発見することとなる。

 

 ある朝彼が登校すると、いつものように彼の机はダストボックスをひっくり返したようだった。散り散りのテキスト。落書き。割れた花瓶に汚い雑巾。クラスメイトを見渡しても、クスクスと笑う者、顔を背ける者、嫌悪を示す者、それだけしか居なかった。


 ―――ああ、皆、不幸。


 そう思った。と共に、「ああ、僕は、不幸の生みの親」と心の中で呟いたと彼は言う。


「不幸は最初気付かれない。小さな小さな胞子のようなものだ。だけど、いつしか心の中に、巨大な見えない根を張って、憂鬱としてその者を苦しめる。僕は、その胞子を飛ばす胞子袋だ。そう思うと辻褄があう。胞子が無ければ風呂場にカビは生えてこない。僕が居なければ皆が不幸になることはなかった。でも、どれだけこの体質を呪っても、僕自身じゃどうしようもできない。それに、不幸を摂取しはじめた今はもう・・・・・・」


「摂取?」


「あの日の朝、僕はぼんっとふくらんで、もう人間には戻ることはできなくなった。・・・・・・胞子を飛ばし続けた胞子袋は、外の不幸を欲しはじめた。不幸を取り込むことでまた不幸の種を作り出す。でも不幸は体積が大きいから、身体が不幸を取り込むと瞬間に風船みたく、ぼんっ、と膨らむんだ。もうこの身体になってからは外にも出ていない。ねえ、僕はそういう呪いに掛かったんだ。どうしようもない・・・・・・」


「・・・・・・いいや」


 と言ったのはドールである。


「俺にならどうにか出来る」


 やけに自信のある声だった。 

                      ――――――太郎さんがゾンビになる話。


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